東京23区で民泊規制強化の動きが加速しています。2025年12月、豊島区が年間84日に制限する条例を可決し、墨田区も2026年4月から週末のみの営業に制限されます。規制強化により、これまで年間180日営業できていた民泊の収益が大幅に減少する可能性があります。本記事では、東京の民泊規制強化の最新状況から具体的な対応策、継続・撤退の判断基準まで、2026年施行前に知っておくべき情報を徹底解説します。
東京の民泊規制強化の最新状況|豊島区84日・墨田区週末のみ営業へ
2025年12月、東京23区で民泊規制強化が加速しています。豊島区は年間84日、墨田区は週末のみという厳しい制限を導入し、江戸川区も規制強化に乗り出すことで、23区全域で規制の網がかかる状況となっています。
豊島区は2026年12月から年間84日制限(夏・冬休みのみ)
豊島区は2025年12月10日の区議会で、住宅宿泊事業法の上乗せ条例を可決しました。2026年12月中旬から施行され、営業可能日は以下の期間に限定されます。
営業可能期間:
- 夏休み期間: 7月1日~8月31日(62日間)
- 冬休み期間: 12月20日~1月10日(22日間)
- 合計: 年間84日のみ営業可能
この規制の特徴は、既存施設にも遡及適用される点です。すでに届出済みの民泊も、2026年12月中旬以降は年間84日しか営業できなくなります。豊島区では近隣トラブルの増加が背景にあり、区は「住環境の保護」を理由に厳格な制限を導入しました。
墨田区は2026年4月から金曜正午〜日曜正午のみ営業可
墨田区は2025年12月11日、住宅宿泊事業の上乗せ条例案を区議会に提出し、可決されました。2026年4月1日から施行され、営業可能日は以下のように制限されます。
営業可能期間:
- 金曜日正午~日曜日正午(週末のみ)
- 年間約100日程度の営業
墨田区の特徴は、既存施設は対象外という点です。2026年4月1日より前に届出済みの施設は、条例適用外となります。ただし、新規届出や廃業後の再開は規制対象となります。
墨田区公式プレスリリース(2025年12月11日)によると、墨田区の住宅宿泊事業届出件数は1,950件で23区内2位となっており、近隣トラブルや違法民泊の増加が規制強化の背景にあります。
江戸川区も規制強化へ|23区全域で規制の網
日本経済新聞(2025年12月12日)によると、江戸川区も条例制定に乗り出し、2026年7月の施行を目指しています。これにより、東京23区全域で何らかの営業日数制限が課されることになります。
東京23区の規制状況(2026年時点):
- 厳格な制限(84日以下): 豊島区(84日)、文京区(20日)
- 週末のみ制限(約100日): 墨田区、新宿区、中野区
- 180日制限: 江東区、葛飾区(現時点では規制なしだが、今後の動向に注意)
東京の民泊規制完全ガイドでは、23区すべての上乗せ条例を詳しく解説しています。
規制強化への4つの対応策|継続・転換・移転・撤退を比較
規制強化に直面した民泊オーナーには、4つの対応策があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分の状況に合った選択をすることが重要です。
対応策①旅館業(簡易宿所)への転換で365日営業
旅館業法に基づく簡易宿所に転換することで、365日営業が可能になります。住宅宿泊事業法の営業日数制限を受けないため、収益性を維持できます。
メリット:
- 365日営業可能で収益を確保できる
- 旅館業許可により物件の資産価値が向上
デメリット:
- 常駐義務化により人件費が月20~30万円増加
- 初期投資50~100万円(消防設備、フロント設置など)
- 営業開始までに2~3ヶ月かかる
向いている人:
- 高稼働率で収益性が高い物件を持っている
- 常駐スタッフの確保が可能
- 初期投資を回収できる見込みがある
対応策②家主居住型への切替で180日営業確保
家主が実際に居住する「家主居住型」に切り替えることで、営業日数制限の上乗せ条例を回避し、年間180日営業できます。
メリット:
- 上乗せ条例の対象外となり180日営業可能
- 初期投資が不要
デメリット:
- 実際に居住する必要があり、プライバシーが制約される
- ゲスト対応の負担が増える
- 一棟全体を民泊にしている場合は不可
向いている人:
- 自宅の一部を民泊として運営している
- ゲストとのコミュニケーションを楽しめる
- プライバシーの制約を受け入れられる
対応策③規制が緩い区への移転(江東区・葛飾区等)
規制が比較的緩い区へ物件を移転・新規取得することで、営業日数を確保する方法です。
規制が緩いエリア(2026年1月時点):
- 江東区: 週末のみ制限で年間約180日営業可能
- 葛飾区: 現時点で上乗せ条例なし(全日営業可能)
- 江戸川区: 2026年7月まで上乗せ条例なし
メリット:
- より多くの営業日数を確保できる
- 新規エリアで新たな需要を開拓できる
デメリット:
- 物件取得・引越しコストが高額
- 移転先でも今後規制強化される可能性がある
- 立地によっては稼働率が下がるリスク
向いている人:
- 複数物件を運営している事業者
- 新規投資の余力がある
- エリア分散でリスクヘッジしたい
対応策④撤退・売却(最短3日で現況渡しOK)
規制強化により収益が見込めない場合、撤退・売却も有効な選択肢です。
メリット:
- 最短3営業日で現金化できる
- 現況渡しOKで原状回復費用が不要
- 赤字物件でも買取可能
デメリット:
- 売却価格は市場価格の60~80%
- 営業権を失う
向いている人:
- 営業日数制限で赤字転落が確定
- 近隣トラブルが絶えず継続困難
- 事業撤退を決断している
| 対応策 | メリット | デメリット | 初期コスト | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| ①旅館業転換 | 365日営業可能 | 人件費月20~30万円 | 50~100万円 | 高収益物件 |
| ②家主居住型 | 180日営業可能 | プライバシー制約 | 0円 | 自宅の一部運営 |
| ③規制緩い区へ移転 | 営業日数確保 | 移転コスト高額 | 物件取得費 | 複数物件運営者 |
| ④撤退・売却 | 最短3日現金化 | 市場価格の60~80% | 0円 | 赤字転落確定 |
墨田区の民泊規制が大幅強化では、墨田区特有の規制内容を詳しく解説しています。また、簡易宿所の売却では、旅館業転換後の売却方法も紹介しています。
規制強化で撤退を検討されている場合、最短3営業日で現況渡しOKの買取サービスがあります。StayExitでは、原状回復費用0円、1Rから5棟一括まで対応可能です。
継続vs撤退の判断基準|収支シミュレーションで冷静に判断
規制強化で継続すべきか撤退すべきかは、感情ではなく数字で判断することが重要です。営業日数制限による収支への影響を試算し、赤字転落ラインを把握しましょう。
営業日数制限で収支はどう変わる?試算例(豊島区)
豊島区の規制強化(年間84日制限)による収支への影響を試算します。
試算例: 豊島区1R物件(現在180日営業)
| 項目 | 規制前(180日) | 規制後(84日) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 年間売上 | 130万円 | 60万円 | -70万円 |
| 変動費(清掃等) | 30万円 | 14万円 | -16万円 |
| 固定費(家賃・管理費等) | 180万円 | 180万円 | 0円 |
| 年間営業利益 | -80万円 | -134万円 | -54万円 |
この試算では、営業日数が180日から84日に減少することで、年間営業利益が-80万円から-134万円に悪化します。固定費(家賃・管理費・光熱費等)は営業日数に関わらず発生するため、売上減少がそのまま赤字拡大につながります。
試算の前提:
- 1泊単価: 8,000円
- 稼働率: 90%(180日営業時)、85%(84日営業時)
- 変動費: 売上の23%
- 固定費: 月15万円(家賃10万円+管理費等5万円)
日本経済新聞(2025年12月)によると、観光庁「住宅宿泊事業の届出状況」では、墨田区の届出件数が1,950件(23区2位)となっており、規制強化の影響を受ける民泊オーナーは多数に上ります。
撤退を検討すべき3つのケース
以下の3つのケースに該当する場合、撤退も現実的な選択肢となります。
①営業日数制限で赤字転落確定
上記の試算例のように、営業日数が84日~100日に制限されることで、固定費を回収できず赤字が確定する場合。特に家賃や管理費が高額な物件は赤字リスクが高まります。
②近隣トラブルが絶えない
騒音やゴミ出しルール違反による近隣トラブルが頻発し、区や管理組合から警告を受けている場合。規制強化により、近隣トラブルへの監視も厳しくなる傾向にあります。
③旅館業転換・家主居住型が困難
旅館業転換には初期投資50~100万円と常駐スタッフの確保が必要で、家主居住型はプライバシーの制約があります。これらの対応策が困難な場合、撤退が現実的な選択肢となります。
継続できるケース:
- 高単価物件で84日営業でも黒字を維持できる
- 家主居住型への切替が可能
- 旅館業への転換資金と常駐スタッフ確保の目処が立つ
- 規制が緩い区への移転が可能
規制強化前に今すぐ取るべき3つのアクション
規制強化が本格化する2026年4月(墨田区)、2026年12月(豊島区)までに、今すぐ取るべきアクションを3つ紹介します。
アクション①複数社に査定依頼し資産価値を把握
まずは無料査定で現在の資産価値を把握しましょう。規制強化後は物件の資産価値が下がる可能性があるため、早めの査定が資産を守る第一歩です。
査定で確認すべきポイント:
- 現況渡しで買取可能か
- 営業日数制限を考慮した査定額か
- 原状回復費用の負担有無
- 最短何日で現金化できるか
複数社(最低2~3社)に査定依頼し、価格だけでなく対応の誠実さや実績も比較しましょう。
アクション②収支シミュレーションで継続可否を判断
営業日数制限後の収支を試算し、赤字転落ラインを確認します。
シミュレーション項目:
- 規制後の営業可能日数(84日、100日、180日等)
- 予想稼働率(規制により低下する可能性も考慮)
- 固定費(家賃、管理費、光熱費、保険等)
- 変動費(清掃費、消耗品、プラットフォーム手数料等)
赤字が確定する場合は、早期撤退が資産を守る選択肢となります。
アクション③2026年4月までに方針決定(施行前に動く)
豊島区は2026年12月、墨田区は2026年4月に規制が施行されます。施行前に方針を決定し、行動に移すことが重要です。
方針決定のタイムライン:
- 2026年1月~3月: 査定依頼、収支シミュレーション、対応策の比較
- 2026年4月: 墨田区規制施行(週末のみ営業)
- 2026年12月: 豊島区規制施行(84日営業)
規制強化後は、同じように撤退を検討する民泊オーナーが増え、買取市場が供給過多となる可能性があります。早めの判断と行動が、資産価値を守る鍵となります。
豊島区 民泊 撤退では、豊島区での撤退手続きを詳しく解説しています。また、民泊の査定方法と相場では、査定の仕組みや評価ポイントを確認できます。
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まとめ|東京の民泊規制強化は2026年が転換点
東京の民泊規制強化への対応について、重要なポイントを整理します。
- 東京23区で規制強化が加速(豊島区84日・墨田区週末のみ)
豊島区は2026年12月から年間84日、墨田区は2026年4月から週末のみの営業に制限されます。江戸川区も2026年7月に規制強化予定で、23区全域で規制の網がかかります。既存施設への遡及適用(豊島区)にも注意が必要です。 - 対応策は4つ(旅館業転換・家主居住型・移転・撤退)
旅館業への転換で365日営業、家主居住型で180日営業、規制が緩い区への移転、撤退・売却という4つの選択肢があります。自分の物件の収益性や投資余力、ライフスタイルに合った方法を選びましょう。 - 2026年4月までに方針決定し、資産価値を守る
規制施行前に査定依頼、収支シミュレーション、方針決定を行うことが重要です。規制強化後は物件の資産価値が下がる可能性があるため、早めの判断が資産を守ります。
東京の民泊規制強化は、今後も継続する見込みです。感情ではなく数字で冷静に判断し、2026年を見据えた戦略的な対応を取りましょう。
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免責事項:
本記事の情報は2025年12月時点のものです。条例・法律・市場状況は変動する可能性がありますので、最新情報は各区の公式HPや保健所等でご確認ください。
