杉並区で民泊の運営を検討している、または現在運営中で赤字に悩んでいる方にとって、この地域の民泊規制は見逃せない重要なポイントです。結論から申し上げると、杉並区は東京23区内でも民泊運営が最も難しいエリアの一つです。その理由は明確で、住居専用地域が区内面積の約88%を占めるため、実際に民泊営業が可能なエリアはわずか約12%に限られているからです。
本記事では、杉並区の民泊規制の詳細、年間180日規制下での収益シミュレーション、そして規制対応が困難な場合の撤退・売却・業態転換の選択肢まで、2025年12月時点の最新情報を網羅的に解説します。
杉並区の民泊は実現可能?住居専用地域88%という厳しい現実
結論:杉並区は23区内でも民泊運営が最も難しいエリアの一つ
杉並区での民泊運営を検討する際、まず理解すべきはこの地域が民泊に極めて不向きな環境にあるという事実です。東京都都市整備局のデータによると、杉並区は住居専用地域が区内面積の約88%を占めており、これらのエリアでは住宅宿泊事業(民泊)が条例により全面的に制限されています。
つまり、実質的に民泊営業が可能なエリアは区内のわずか約12%のみということになります。この数字は、世田谷区(住居専用地域約91%)に次いで23区内で2番目に厳しい水準です。
杉並区の民泊が厳しい3つの理由
杉並区での民泊運営が困難な理由は以下の3点に集約されます。
1. 住居専用地域(約88%)では民泊が全面禁止
杉並区は閑静な住宅街として知られ、区内の大部分が第一種・第二種住居専用地域に指定されています。これらの地域では、杉並区の条例により住宅宿泊事業の実施が制限されており、事実上民泊の営業ができません。
2. 年間180日規制により営業可能日数が限定
住宅宿泊事業法により、民泊の営業は年間180日以内に制限されています。これは365日営業可能な旅館業と比較して、収益性を大きく制約する要因となります。
3. 届出件数が23区内で下位レベル
観光庁の「住宅宿泊事業の届出等の状況」によると、杉並区の住宅宿泊事業の届出件数は23区内でも下位に位置しています。これは規制の厳しさから事業者が杉並区での運営を避けている証左と言えます。
本記事では、これらの規制内容を詳しく解説するとともに、収益シミュレーション、そして赤字で悩むオーナー向けに撤退・売却の選択肢まで網羅的にご紹介します。
杉並区の民泊規制とは?住居専用地域での全面禁止と営業可能エリア
住宅宿泊事業法と杉並区の条例による規制
杉並区での民泊運営には、国の法律である住宅宿泊事業法と杉並区独自の条例という二重の規制が存在します。
まず、住宅宿泊事業法では、民泊営業は年間180日以内という制限があります。これは旅館業法に基づく簡易宿所(365日営業可能)と比較して、大きなハンディキャップとなります。
さらに、杉並区は独自の条例により、住居専用地域における住宅宿泊事業を制限しています。これは、住環境の保全と近隣住民の生活の平穏を守ることを目的としています。
住居専用地域では民泊が全面禁止(区内の約88%)
杉並区の最大の特徴は、区内面積の約88%を占める住居専用地域で民泊が事実上禁止されている点です。
住居専用地域には以下が含まれます:
- 第一種低層住居専用地域
- 第二種低層住居専用地域
- 第一種中高層住居専用地域
- 第二種中高層住居専用地域
- 第一種住居地域(一部)
- 第二種住居地域(一部)
これらのエリアでは、杉並区の条例により住宅宿泊事業の実施が制限されており、届出を行っても営業許可が下りないケースがほとんどです。
営業可能なのは商業地域・準工業地域のみ(区内の約12%)
では、杉並区で民泊営業が可能なエリアはどこなのでしょうか。実質的に営業可能なのは以下の用途地域に限られます:
- 商業地域:主要駅周辺の商店街エリア
- 近隣商業地域:駅前の商業エリア
- 準工業地域:工場と住宅が混在するエリア
これらを合計すると、区内面積の約12%に過ぎません。
主要駅周辺での営業可否の例:
| 駅名 | 営業可能性 | 備考 |
| 荻窪駅周辺 | △ | 駅前の商業地域のみ可能 |
| 阿佐ヶ谷駅周辺 | △ | 駅前の商業地域のみ可能 |
| 高円寺駅周辺 | △ | 駅前の商業地域のみ可能 |
| 西荻窪駅周辺 | × | ほぼ全域が住居専用地域 |
| 久我山駅周辺 | × | ほぼ全域が住居専用地域 |
重要な注意点:自分の物件が営業可能エリアかどうかは、必ず杉並区の用途地域マップで確認する必要があります。駅から徒歩数分の距離でも、住居専用地域に該当すれば営業できません。
[出典:東京都都市整備局「用途地域データ」]
杉並区の民泊は赤字になる?年間180日規制下の収益シミュレーション
杉並区内1LDK物件の収支シミュレーション
杉並区で民泊を運営した場合、実際にどの程度の収益が見込めるのでしょうか。ここでは、杉並区内の1LDK物件を例に具体的な収支シミュレーションを行います。
前提条件:
- 物件:杉並区内の1LDK(荻窪駅徒歩10分、商業地域)
- 家賃相場:12万円/月(年間144万円)
- 宿泊料金:8,000円/泊
- 年間営業可能日数:180日(住宅宿泊事業法の上限)
- 想定稼働率:60%(108日/年)※業界平均
年間収支の試算:
| 項目 | 金額 |
| 収入 | |
| 宿泊料金収入(8,000円×108日) | 864,000円 |
| 支出 | |
| 家賃(12万円×12ヶ月) | 1,440,000円 |
| 管理費・修繕積立金 | 120,000円 |
| 清掃費(1回5,000円×108回) | 540,000円 |
| 光熱費(月1万円×12ヶ月) | 120,000円 |
| 通信費・消耗品費 | 60,000円 |
| 民泊代行手数料(売上の20%) | 172,800円 |
| 支出合計 | 2,452,800円 |
| 年間収支 | ▲1,588,800円(赤字) |
不動産情報サイトのデータによると、杉並区内の1LDKの平均家賃は約12万円/月です。また、民泊ポータルサイトのデータから、杉並区内の民泊の平均宿泊料金は8,000円前後となっています。
稼働率60%でも年間約159万円の赤字
上記のシミュレーションから明らかなように、稼働率60%でも年間約159万円の赤字となります。
では、稼働率を上げれば黒字化できるのでしょうか。試算すると、稼働率80%(144日)でも年間約68万円の赤字となります。
稼働率80%での年間収支:
- 宿泊料金収入:8,000円×144日=1,152,000円
- 支出合計:約1,820,000円
- 年間収支:▲668,000円(赤字)
杉並区での民泊は、年間180日という営業日数制限により、投資回収が極めて困難と言わざるを得ません。特に、賃貸物件で民泊を運営する場合、家賃負担が大きく、収益化はほぼ不可能です。
自己所有物件であっても、固定資産税や機会損失(通常賃貸に出せば得られる家賃収入)を考慮すると、採算性は厳しいと言えます。
赤字で民泊の継続が難しいとお感じの場合へ
杉並区での民泊は、規制が厳しく収益化が困難です。「このまま赤字を続けるのは厳しい」とお感じの場合、撤退・売却も合理的な選択肢です。StayExitでは、民泊・旅館業の撤退支援に特化し、最短3営業日での買取、現況渡しOKで対応しています。
杉並区での民泊届出手続きの流れと必要書類
届出の7ステップ
それでも「杉並区で民泊を始めたい」という方のために、届出手続きの基本的な流れをご紹介します。ただし、前述の通り営業可能エリアは極めて限定的ですので、必ず事前に用途地域を確認してください。
住宅宿泊事業の届出手続き7ステップ:
- 用途地域の確認(必須)
- 杉並区の用途地域マップで自分の物件が営業可能エリア(商業地域・近隣商業地域・準工業地域)に該当するか確認
- 住居専用地域であれば、この時点で民泊運営は不可
- 消防法適合の確認
- 所轄の消防署に相談
- 火災報知器、消火器等の設置が必要
- 管理規約の確認(マンションの場合)
- 管理組合の規約で民泊が禁止されていないか確認
- 禁止されている場合は届出不可
- 届出書類の準備
- 後述する必要書類を揃える
- 杉並区への事前相談
- 正式届出前に区の担当窓口で相談することを推奨
- 東京都への届出
- 民泊制度運営システムを通じてオンライン届出
- または紙媒体での届出
- 営業開始
- 届出番号が交付されたら営業開始可能
必要書類と注意点
届出に必要な主な書類:
- 住宅宿泊事業届出書
- 住宅の図面(各階平面図、配置図)
- 住宅の登記事項証明書
- 入居者募集の広告(賃貸物件の場合)
- 管理業者への委託契約書(管理業者に委託する場合)
- マンションの管理規約の写し(マンションの場合)
- 消防法令適合通知書
- 誓約書
[出典:杉並区公式サイト「住宅宿泊事業の届出について」]
重要な注意点:
- 届出前に必ず用途地域を確認:住居専用地域では届出しても営業できません
- 消防法適合が必須:消防設備が不十分な場合、設置工事が必要(費用:10~30万円)
- マンションは管理規約を確認:民泊禁止規約がある場合は届出不可
- 近隣住民への配慮:トラブル防止のため、事前に近隣住民へ説明することを推奨
杉並区の民泊が厳しい場合の3つの選択肢|撤退・売却・転換
杉並区の厳しい規制や収益性の問題から、「民泊を続けるのは難しい」と判断された場合、以下の3つの選択肢があります。
選択肢1:民泊事業の廃止と届出取り下げ
民泊事業を廃止する場合の手続きは以下の通りです。
廃業手続きの流れ:
- 既存予約のキャンセル対応
- 民泊ポータルサイトからの物件削除
- 東京都への廃業届提出
- 民泊用設備の撤去(必要に応じて)
廃業届の提出自体は簡単ですが、問題は「その後の物件をどうするか」です。賃貸物件であれば原状回復が必要になり、所有物件であれば通常賃貸への転換や売却を検討することになります。
選択肢2:物件売却(一般仲介 vs 専門買取業者)
民泊物件を売却する方法は、大きく2つに分かれます。
A. 一般の不動産仲介を利用する場合
メリット:
- 市場価格での売却が期待できる
- 複数の買主候補から選べる
デメリット:
- 売却まで3~6ヶ月かかる
- 民泊用設備の撤去(原状回復)が必要
- 売却までの期間、固定費(管理費、固定資産税等)が発生し続ける
- 民泊物件であることがマイナス評価になる可能性
B. 民泊・旅館専門の買取業者を利用する場合
メリット:
- 現況渡しOK:民泊用設備をそのまま残して売却可能
- 最短3営業日での買取:スピーディーに現金化
- 撤退支援に特化:法的手続き(廃業届等)のサポートあり
- 固定費の負担期間を最小化:早期売却により無駄なコストを削減
- 1Rから5棟一括まで対応:物件規模を問わず対応可能
デメリット:
- 市場価格より若干安くなる可能性(ただし、原状回復費用や固定費負担を考慮すると実質的な手取りは大差ない場合も)
StayExitのサービス特徴:
StayExitは民泊・旅館業の撤退支援に特化した専門業者です。
- 現況渡しOKで、家具・設備はそのままで買取可能
- 最短3営業日での買取実績
- 1Rから5棟一括まで対応
- 法的手続き(廃業届、届出取り下げ等)のサポートあり
- オーナーの状況に合わせた柔軟な提案
選択肢3:通常賃貸への転換
民泊を辞めて、通常の賃貸住宅として貸し出す方法です。
メリット:
- 安定した家賃収入が得られる
- 運営負荷が大幅に減る(ゲスト対応、清掃、トラブル対応等が不要)
- 年間180日の制限がない
デメリット:
- 民泊用設備(業務用キッチン、複数ベッド等)の撤去が必要
- 原状回復費用が発生(20~50万円程度)
- 収益性は民泊より低くなる可能性が高い(ただし杉並区の場合は民泊が赤字なので、通常賃貸の方が収益性が高い)
向いている人:
- 所有物件で民泊を運営している方
- 安定収入を優先したい方
- 運営負荷を減らしたい方
観光庁の「住宅宿泊事業の届出等の状況」によると、全国の住宅宿泊事業の廃業率は年々上昇傾向にあります。特に営業日数制限が厳しいエリアでは、採算性の問題から撤退を選択する事業者が増えています。
状況に応じて最適な選択肢を選ぶことが重要です。特に杉並区のように規制が厳しく収益化が困難なエリアでは、早めに撤退・転換を決断することが、損失を最小限に抑える合理的な選択となる場合があります。
民泊撤退でお困りの際は、専門業者への相談も有効です
杉並区の民泊規制は厳しく、収益化が困難なケースが多いのが実情です。撤退・売却をご検討の際は、StayExitの無料査定をご利用ください。最短3営業日での成約、現況渡しOK、法的手続きのサポートも含め、スムーズな撤退をお手伝いします。
まとめ|杉並区の民泊は規制が厳しく、撤退・転換も視野に
杉並区での民泊について、本記事の要点をまとめます。
- 杉並区は住居専用地域が約88%を占め、民泊営業可能エリアは区内の約12%のみと極めて限定的
- 年間180日規制下では、稼働率60%でも年間約159万円の赤字になる可能性が高く、採算性は極めて厳しい
- 届出件数が23区内で下位レベルであり、規制の厳しさから事業者が杉並区での運営を避けている
- 規制が厳しい場合は、撤退・売却・通常賃貸への転換も合理的な選択肢として検討すべき
読者の状況別アクション:
これから杉並区で民泊を始めようと考えている方:
- 用途地域を必ず確認し、営業可能エリア(商業地域・近隣商業地域・準工業地域)でのみ検討してください
- 収益シミュレーションを必ず行い、年間180日規制下で本当に採算が取れるか慎重に判断してください
- 住居専用地域での民泊は条例により制限されているため、届出しても営業できません
現在杉並区で民泊を運営中で赤字に悩んでいる方:
- 収支を再計算し、今後黒字化の見込みがあるか冷静に判断してください
- 黒字化が困難であれば、撤退・売却・通常賃貸への転換を早めに検討することをおすすめします
- 損失を最小限に抑えるため、早期の決断が重要です
撤退・売却を考えている方:
- 専門買取業者(StayExit)への相談がスムーズです
- 現況渡しOK、最短3営業日での買取により、原状回復費用や固定費負担を最小化できます
- 法的手続き(廃業届等)のサポートも含め、総合的な撤退支援を受けられます
杉並区は閑静な住宅街としての魅力がある一方、民泊運営には極めて厳しい環境です。規制内容と収益性を正しく理解し、ご自身の状況に最適な判断をされることをおすすめします。
杉並区の民泊規制でお悩みの方へ
杉並区は23区内でも民泊規制が特に厳しいエリアです。「収益化が難しい」「このまま続けるのは厳しい」とお感じの方は、民泊・旅館業の撤退支援に特化したStayExitにお気軽にご相談ください。最短3営業日での買取、現況渡しOK、1Rから5棟一括まで対応可能です。
免責事項
本記事の情報は2025年12月時点のものです。法律・条例・市場状況は変動する可能性がありますので、最新情報は杉並区公式サイトまたは観光庁「民泊制度ポータルサイト」でご確認ください。本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的アドバイスを提供するものではありません。実際に民泊事業を開始する際や撤退を検討する際は、行政書士や不動産の専門家にご相談ください。
