品川区で民泊事業を運営している方の中には、上乗せ条例による営業日数制限や、商業地域以外での週末のみ営業による収益悪化に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。観光庁の最新データによると、品川区の民泊届出件数323件中、廃業・届出取消は138件に達し、推定廃業率は約43%となっています。本記事では、品川区で民泊から撤退する具体的な手順と、物件を最短3営業日で売却する方法を比較表付きで解説します。赤字が続く民泊事業からスムーズに撤退し、損失を最小限に抑えるための実践的な出口戦略を提案します。
品川区の民泊撤退を決断すべき3つの理由
品川区で民泊事業からの撤退を検討しているオーナー様にとって、撤退判断は感情的ではなく客観的なデータに基づいて行うべきです。ここでは、品川区特有の厳しい事業環境を3つの視点から解説します。
品川区の民泊廃業率は全国平均より高い【観光庁データ】
観光庁『住宅宿泊事業法に基づく届出及び登録の状況一覧』(2025年5月末時点)によると、品川区の届出件数は323件、廃業・届出取消は138件に達し、推定廃業率は約43%となっています。これは全国平均の約36%を7ポイント上回る数値であり、品川区が民泊事業者にとって厳しい市場環境にあることを示しています。
品川区は品川駅・五反田駅・大井町駅などの主要ターミナル駅を擁し、羽田空港へのアクセスも良好なビジネス立地ですが、半数近くの事業者が撤退を選択している現実は、立地の良さだけでは収益を確保できない構造的な問題があることを物語っています。
住居系地域では週末のみ営業で年間104日に制限
品川区では上乗せ条例により、商業地域と近隣商業地域(文教地区を除く)以外の全域で営業日数が制限されています。住居系地域(第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域など)では、土曜日の正午から月曜日の正午までのみの営業となり、年間営業可能日数は約104日(週末52週+祝日+年末年始)に制限されます。
例えば、戸越銀座や武蔵小山といった人気エリアの多くは住居系地域に指定されており、週末のみの営業制限を受けます。家賃12万円/月の物件を運営する場合、年間固定費は最低でも144万円(家賃のみ)かかります。これに光熱費、清掃費、管理費、OTA手数料を加えると、年間コストは180万円〜200万円に達します。営業日数104日で平均単価13,000円、稼働率60%としても、年間収益は約81万円にしかならず、年間100万円前後の赤字となります。
一方、商業地域に該当する品川駅周辺や五反田駅周辺では180日フル稼働が可能ですが、これらのエリアは家賃相場が高く(1LDKで月15万円〜20万円)、ビジネスホテルとの競合も激しいため、別の課題を抱えています。
用途地域による営業制限の見極めが困難
品川区の上乗せ条例で最も厄介なのが、物件ごとに用途地域を確認しなければ営業可能日数が分からない点です。同じ町丁目内でも、通りを挟んで用途地域が異なるケースが多く、「この物件は180日フル稼働できる」と思って始めても、実際は週末のみ営業しかできないケースが発生します。
品川区の場合、商業地域と近隣商業地域は主に以下のエリアに集中しています:
- 品川駅周辺
- 五反田駅周辺
- 大井町駅周辺
- 戸越銀座商店街の一部
それ以外の大半のエリアは住居系地域となり、週末のみ営業に制限されます。用途地域の確認には品川区の都市計画図を確認する必要があり、初期段階での見極めミスが後の赤字運営につながるケースが多発しています。
観光庁の統計では、品川区の廃業率43%は東京23区の中でも高い水準であり、この用途地域による複雑な規制が、運営開始後の想定外の制限につながり、撤退を余儀なくされる要因の一つとなっています。
品川区で民泊から撤退する手順【最短3週間】
品川区での民泊撤退を決断したら、できるだけ早く手続きを完了させることが損失を最小化するための鍵となります。ここでは、最短3週間で撤退を完了させるための具体的な手順を解説します。
ステップ1:事業廃止届を品川区保健所に提出【1週間以内】
民泊事業を廃止する際は、事業廃止届を品川区保健所生活衛生課に提出する必要があります。提出先は品川区荏原4-16-8、電話番号は03-5487-1224、受付時間は平日8:30〜17:00です。住宅宿泊事業法では、事業を廃止した日から30日以内の提出が義務付けられていますが、早期に提出することで管理負担から早く解放されます。
国土交通省「民泊制度ポータルサイト」(https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/)では、オンライン提出の方法も案内されています。マイナンバーカードがあれば自宅から手続きできるため、平日に保健所へ行く時間が取れない方でも手続き可能です。品川区公式サイトでも廃業届の様式と提出方法が詳しく説明されているため、事前に確認しておきましょう。
廃業届の提出と同時に、火災保険や施設賠償責任保険の解約手続きも進めましょう。不要な保険料の支払いを避けるため、廃業日を基準に保険会社に連絡してください。
ステップ2:物件処分方法を選択【1〜2週間】
事業廃止届を提出したら、次は物件の処分方法を決定します。主な選択肢は「一般仲介での売却」「専門買取業者への売却」「賃貸物件への転換」の3つです。それぞれの特徴については次のセクションで詳しく比較しますが、赤字が続いている場合は早急な現金化が可能な専門買取業者の利用がおすすめです。
品川区の物件は、商業地域であれば立地が良く一般仲介でも売却しやすい傾向にありますが、住居系地域で週末のみ営業の制限がある物件は、民泊用途としての買い手が限られるため、一般仲介では時間がかかる可能性があります。賃貸転換の場合は、品川区の家賃相場が比較的安定しているため、中長期的な収益を期待できます。
ステップ3:OTA掲載削除と管理業者契約解除【数日】
物件処分の方針が固まったら、AirbnbやBooking.comなどのOTA(オンライン旅行代理店)での掲載を削除します。予約が入っている場合は、ゲストへの丁寧な説明とキャンセル対応が必要です。品川区の物件はビジネス需要も多いため、出張目的のゲストへの配慮も求められます。
管理業者に運営を委託している場合は、契約書を確認の上、解約通知を行います。多くの管理契約では1〜2ヶ月前の通知が必要とされていますが、事情を説明すれば柔軟に対応してもらえるケースもあります。清掃業者やリネン業者との個別契約がある場合も、同様に解約手続きを進めてください。
品川区の場合、管理費や清掃費は東京23区の平均的な水準(清掃費1回あたり6,000円〜10,000円)ですが、早期に契約解除することで無駄なコストを削減できます。
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品川区の民泊物件を処分する3つの方法【比較表付き】
民泊事業から撤退する際、物件をどのように処分するかは極めて重要な判断です。ここでは3つの主要な処分方法を比較し、あなたの状況に最適な選択肢を提案します。
一般仲介:高値売却を目指すなら【期間3〜6ヶ月】
一般の不動産仲介業者を通じて売却する方法です。品川区の物件は立地が良く、特に品川駅・五反田駅・大井町駅周辺の商業地域であれば、市場価格(100%)での売却を目指せる可能性が高く、時間に余裕があり、できるだけ高値で売却したいオーナー様に適しています。
ただし、売却までに3〜6ヶ月程度かかることが一般的で、その間の固定費(家賃・管理費・光熱費)は継続して発生します。週末のみ営業の制限がある住居系地域の物件の場合、「民泊用途としての価値が低い」と判断され、想定より低い価格提示となるケースもあります。また、内覧対応のための清掃やリフォームが必要になるケースが多く、仲介手数料(物件価格の3%+6万円+消費税)も発生します。
専門買取業者:最短3営業日で現金化【赤字民泊の最適解】
民泊・旅館業専門の買取業者に直接売却する方法です。StayExitなどの専門業者では、品川区の民泊物件を最短3営業日で買取、現況渡しOK、契約不適合責任免責で、リフォーム費用や仲介手数料は一切不要です。
買取価格は市場価格の70〜85%程度となりますが、赤字が続いている状況では、月間15万円前後の固定費が毎月発生し続けることを考えると、早期の現金化が最も損失を抑える選択となります。例えば、市場価格2,500万円の物件を一般仲介で6ヶ月かけて売却する場合、固定費だけで90万円(15万円×6ヶ月)が追加で発生しますが、専門買取業者なら最短3営業日で2,000万円程度(市場価格の80%)で売却でき、実質的な手取り額はほぼ同等になるケースもあります。
内覧対応や清掃の手間がなく、民泊特有の事情を理解した業者が対応するため、スムーズな取引が可能です。特に、週末のみ営業の制限がある物件や、用途地域の確認ミスで想定外の制限を受けた物件など、「一般仲介では売りにくい」ケースでも、専門買取業者なら迅速に対応してもらえます。事業廃止届の提出から物件売却まで一括でサポートを受けられる業者もあり、撤退プロセス全体を任せることができます。
賃貸転換:安定収入を得るなら【期間1〜2ヶ月】
民泊運営を停止し、通常の賃貸物件として入居者を募集する方法です。民泊用の内装や設備を撤去し、原状回復を行った上で、賃貸管理会社に委託します。
品川区は人口増加が続いており(2020年国勢調査で約42万人、5年前比で約3.6万人増)、賃貸需要も安定しています。戸越銀座や武蔵小山などの商店街エリアは単身者に人気が高く、品川駅・五反田駅周辺はビジネスパーソンや外国人駐在員の需要も見込めます。例えば、戸越銀座エリアの1LDK物件なら月10万円〜13万円、品川駅周辺なら月13万円〜16万円の家賃収入が見込めます。
ただし、入居者募集に1〜2ヶ月かかり、その間の家賃収入はゼロです。また、民泊運営時より収益性は低下するのが一般的で(民泊の年間収益81万円に対し、賃貸の年間収益140万円程度)、原状回復費用(10〜25万円程度)も必要となる点も考慮してください。長期的な資産運用を継続したいオーナー様に適しています。
比較表:3つの処分方法を徹底比較
| 項目 | 一般仲介 | 専門買取業者(StayExit等) | 賃貸転換 |
| 売却期間 | 3〜6ヶ月 | 最短3営業日〜2週間 | 1〜2ヶ月(入居者募集) |
| 手取り額 | 市場価格100% | 市場価格70〜85% | 毎月家賃収入(売却益なし) |
| 手間 | 大(内覧対応、リフォーム必要) | 小(現況渡しOK、書類準備のみ) | 中(入居者募集、原状回復) |
| 売却期間中の損失 | 大(月15万円×3〜6ヶ月=45〜90万円) | 最小(最短3営業日で完了) | 中(月15万円×1〜2ヶ月=15〜30万円) |
| リスク | 売れ残りリスク、仲介手数料3% | 契約不適合責任免責、仲介手数料不要 | 空室リスク、賃料下落リスク |
| 向いている人 | 時間に余裕があり高値売却を優先 | 赤字継続中で早急な現金化が必要 | 長期的な安定収入を求める |
この比較表から分かるように、赤字が続いている品川区の民泊物件、特に週末のみ営業の制限がある住居系地域の物件の場合、専門買取業者への売却が最も現実的な選択肢となります。売却期間中の損失を最小限に抑え、手間をかけずにスムーズに撤退できるためです。
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まとめ
品川区での民泊撤退は、廃業率43%という客観的データに裏付けられた合理的な判断です。住居系地域における週末のみ営業という上乗せ条例により、年間営業日数約104日の制限と月間15万円前後の固定費により、構造的に収益化が困難な物件が多数存在します。事業廃止届を品川区保健所に提出後、専門買取業者を活用すれば最短3営業日で物件を処分でき、赤字の長期化を防げます。早期の決断が損失を最小化する鍵となります。
参考資料
- 観光庁「住宅宿泊事業法に基づく届出及び登録の状況一覧」(2025年5月末時点) https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/business/host/content/001912395.pdf
- 品川区公式サイト「住宅宿泊事業法に関する手続き」 https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kenkou/kenkou-eisei/kenkou-eisei-kankyo/hpg000033251.html
- 品川区「住宅宿泊事業の実施運営に関するガイドライン」 https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/ct/other000092900/gaidorainnsaigo.pdf
- 国土交通省「民泊制度ポータルサイト」 https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/
- 観光庁「住宅宿泊事業法の施行状況」 https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/business/host/construction_situation.html
免責事項
本記事に記載された情報は2025年12月時点のものであり、法令改正や市況変動により変更される可能性があります。民泊事業の廃業や物件売却に関する判断は、必ず専門家(行政書士・不動産業者・税理士等)にご相談の上、ご自身の責任で行ってください。本記事の情報利用により生じたいかなる損害についても、当サイトは一切の責任を負いません。
