民泊撤退費用の内訳と相場|総額を最小化する3つの方法

本記事で紹介する費用相場は、StayExitの実務経験および不動産業界の一般的な相場に基づく推計値です。実際の費用は物件の状態、契約内容、地域、運営期間により大きく異なります。正確な見積もりは、複数の専門業者にご相談ください。


民泊経営を撤退する際、多くのオーナー様が最も不安に感じるのが「撤退にいくらかかるのか」という費用面です。撤退費用の総額を把握しないまま進めると、予想外の高額請求で撤退が困難になるケースも少なくありません。

この記事では、民泊撤退費用の内訳と相場、物件タイプ別の総額シミュレーション、そして費用を最小化する3つの具体的な方法を徹底解説します。賃貸物件と所有物件での費用の違いも明確にし、あなたの状況に合った撤退プランを考える判断材料を提供します。

実務経験に基づく推計値では、賃貸物件の撤退総額は50~150万円程度が目安とされていますが、所有物件で「現況渡し買取」を活用すれば、原状回復費用50~120万円を不要にし、大幅なコスト削減が可能です。


民泊撤退費用の内訳と相場|総額は50~150万円が目安

民泊撤退費用の総額は、実務経験上おおよそ50~150万円が目安とされています(当社取引実績および不動産業界の一般的な相場に基づく推計値)。ただし、物件タイプ(1R・1K・1LDKなど)や賃貸・所有の違い、原状回復の範囲によって大きく変動します。

撤退費用の5つの内訳

民泊撤退時に発生する主な費用は、以下の5つの項目に分類されます。

①原状回復費用:50~120万円(賃貸物件の場合、実務経験に基づく推計値)

賃貸物件の場合の最大費用項目です。壁紙張替え、床補修、水回りクリーニング、エアコン清掃などが含まれます。貸主への返還義務があり、契約書の特約により範囲が決まります。所有物件の場合は「現況渡し」での売却・買取が可能なため、この費用を削減できます。

費用の根拠:

この金額は、賃貸住宅の原状回復工事の業界相場(㎡単価1,000~2,000円程度、材料費・施工費・廃材処分費込み)に、民泊運営による通常の使用を超える損耗を加味した実務上の目安です。

法的根拠:

国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版:平成23年8月)によると、賃貸住宅の原状回復費用は経年劣化を考慮して算出されるため、借主が全額負担するわけではありません。ただし、民泊運営による「通常の使用を超える損耗」は借主負担となります。

②設備処分費用:5~20万円(業者委託の場合、実務経験に基づく推計値)

家具・家電・リネン類などの撤去・処分費用です。冷蔵庫、洗濯機、ベッド、テーブル、Wi-Fiルーターなどが対象となります。買取業者を活用すれば、処分費用を節約できる可能性があります。

費用の内訳:

  • 業者に一括委託: 5~20万円(出張費・運搬費込み、当社取引実績に基づく相場)
  • 自治体の粗大ごみ回収利用: 2~3万円程度(東京都の場合)

参考: 自治体利用の具体例(東京23区)

  • ベッド: 900~2,000円程度(区により異なる。シングル900円前後、ダブル1,800円前後が目安)
  • 冷蔵庫(家電リサイクル): 3,740~4,730円(容量により異なる。170L以下3,740円、171L以上4,730円)
  • 洗濯機(家電リサイクル): 2,530円
  • テレビ(家電リサイクル): 1,870~2,970円(画面サイズにより異なる)

出典: 東京都粗大ごみ受付センター家電リサイクル券センター

自治体利用の場合は費用を大幅に抑えられますが、自分で搬出する手間がかかります。

③廃業届関連費用:0~10万円(行政書士費用は事務所により異なる)

民泊の種類により手続きと費用が異なります。

民泊の種類自分で手続き行政書士依頼提出期限
住宅宿泊事業無料3~5万円事業廃止日から30日以内
旅館業無料5~10万円廃業日から10日以内
特区民泊無料5~8万円自治体により異なる

重要: 廃業届の法的義務

  • 住宅宿泊事業法に基づく民泊の場合: 事業を廃止した日から30日以内に都道府県知事等への廃業届の提出が法的に義務付けられています(住宅宿泊事業法施行要領)
  • 旅館業法に基づく簡易宿所の場合: 廃業した日から10日以内に保健所への廃業届の提出が必要です

手続き内容としては、住宅宿泊事業の廃止届出(自治体への提出)、必要書類の準備と提出が含まれます。自分で手続きする場合は無料ですが、書類準備に時間がかかります。行政書士費用は事務所により異なるため、複数社で見積もりを取ることをおすすめします。

④違約金・未払い費用:1~45万円(契約内容により大きく変動)

管理会社の契約内容を必ず確認してください。

主な費用項目:

  • 管理会社の早期解約違約金: 契約書で「6ヶ月前通知」などが規定されている場合、違約金として管理費1~3ヶ月分(月額5~15万円)が請求されることがあります
  • 未払いの光熱費、Wi-Fi通信費、清掃費など: 月額合計5,000~15,000円程度
  • 管理会社への最終月の管理費

費用範囲の説明として、下限1万円は最終月の光熱費・通信費等のみ、上限45万円は管理費3ヶ月分の違約金(月額15万円×3ヶ月)を想定しています。

重要: 契約書の解約条項を必ず確認し、通知期間を守ることで違約金を回避できます。

⑤その他諸経費:1~5万円(実務経験に基づく推計値)

鍵の返却・交換費用、ゴミ処分費用、最終点検・立ち会い費用などが含まれます。


物件タイプ別の総額シミュレーション

※本表の数値は、当社の取引実績および不動産業界の一般的な相場をもとにした推計値です。実際の費用は物件の状態、契約内容、地域、運営期間により大きく異なります。あくまで目安としてご参照ください。

物件タイプ原状回復費用設備処分費用その他費用総額(賃貸)総額(所有・現況渡し)
1R・1K50~80万円5~10万円3~7万円58~97万円8~17万円
1LDK70~100万円10~15万円5~10万円85~125万円15~25万円
2LDK90~120万円15~20万円7~15万円112~155万円22~35万円
一棟戸建て100~150万円20~30万円10~20万円130~200万円30~50万円

表の見方:

「総額(賃貸)」は賃貸物件の場合の撤退費用総額です。原状回復費用が必須のため高額になる傾向があります。契約書で「特約」として原状回復範囲が厳しく設定されている場合、さらに費用が増加する可能性があります。

「総額(所有・現況渡し)」は所有物件で「現況渡し」買取を活用した場合です。原状回復費用が不要のため大幅に削減可能で、廃業届、設備一部処分、諸経費のみとなります。

所有物件の場合、「現況渡し」での買取を活用すれば、原状回復費用(50~120万円)が不要となり、設備・家具もそのまま引き取ってもらえるため、処分費用も削減できます。撤退費用を最大80~90%削減できる可能性があります。

民泊撤退を検討すべきタイミングや全体像については、民泊撤退の手続きと費用を徹底解説で詳しく解説しています。


原状回復費用・設備処分費用の詳細|費用を左右する要素

撤退費用の中で最も高額なのが原状回復費用と設備処分費用です。この2つの費用は、物件の状態や契約内容によって大きく変動します。

原状回復費用の相場と内訳(50~120万円、実務経験に基づく推計値)

原状回復費用は、賃貸物件を貸主に返還する際に、入居時の状態に戻すための費用です。

主な原状回復費用の内訳(不動産業界の一般的な相場)

項目費用相場(1K~1LDK)詳細
壁紙張替え10~30万円(材工込)㎡単価1,000~1,500円 × 40~60㎡ + 施工費・廃材処分費
床補修(フローリング・畳)10~40万円傷・汚れの範囲により変動
水回りクリーニング5~15万円キッチン・浴室・トイレの特殊清掃
エアコン清掃・交換1~3万円/台内部清掃または故障時は交換
ドア・建具補修3~10万円傷・汚れ・破損の補修
ハウスクリーニング3~8万円全体清掃(㎡単価800~1,200円)

※費用の注記:

上記の㎡単価は材料費・施工費・廃材処分費込みの目安です。実際には物件の状態、地域、業者により大きく異なります。出典: 不動産業界の一般的な相場(民泊専門の統計ではありません)

原状回復費用を左右する主な要素

物件の使用状況として、宿泊客の出入りが多い民泊は、一般賃貸よりも損耗が激しい傾向があります。運営期間では、3年以上運営すると、壁紙・床の全面張替えが必要になることが多いです。特約の有無として、契約書で「民泊利用時の原状回復は全額借主負担」という特約がある場合、費用が高額になります。物件タイプでは、専有面積が広いほど原状回復費用は高額になります。

賃貸vs所有の重要な違い

項目賃貸物件所有物件
原状回復義務あり(契約上の義務)なし
原状回復費用必ず発生(50~120万円)「現況渡し」なら不要
売却方法不可仲介売却 or 買取
費用削減余地小さい大きい

設備処分費用と隠れコスト

設備処分費用は、民泊運営で使用していた家具・家電・リネン類の撤去・処分にかかる費用です。

主な設備処分費用の内訳(実務経験に基づく推計値)

項目業者委託自治体利用(東京都)詳細
家電撤去(冷蔵庫・洗濯機・TV等)2~8万円約1~2万円リサイクル料金+運搬費
家具撤去(ベッド・ソファ・テーブル等)2~7万円約5,000~1万円粗大ごみ処理+運搬費
リネン類処分1~3万円約1,000~3,000円布団・枕・タオル等
Wi-Fiルーター・スマートロック0~2万円契約形態により買取or返却
合計5~20万円約2~3万円

自治体利用の場合、費用を大幅に抑えられますが、自分で搬出・運搬する手間がかかります。

見落としがちな隠れコスト

管理会社の違約金として、契約書で「6ヶ月前通知」などが規定されている場合、早期解約すると1~3ヶ月分の管理費(月額5~15万円)が違約金として請求されます。契約書を事前に確認し、通知期間を守ることで回避可能です。

未払い光熱費・Wi-Fi費用として、最終月の光熱費、Wi-Fi通信費(月額3,000~8,000円)、清掃業者への最終清掃費があります。

清掃業者への最終清掃費は、管理会社を通じた場合、通常より高額になることがあります。

コスト削減の方法

✓ 家具家電を買取業者に売却すれば、処分費用(5~20万円)を節約できる可能性がある

✓ 管理会社の契約書を事前に確認し、早期解約通知(1~3ヶ月前)を行うことで違約金を回避

✓ 自治体の粗大ごみ回収を利用すれば、処分費用を2~3万円に抑えられる

民泊の原状回復費用について詳しくは、民泊 原状回復の記事で詳しく解説しています。

民泊撤退費用を抑えたい場合は、専門業者への相談も有効です。


民泊撤退費用を最小化する3つの方法|コスト削減の具体策

撤退費用が高額で困っている場合でも、適切な方法を選択すれば費用を大幅に削減できます。ここでは、実践的なコスト削減方法を3つ紹介します。

方法1:現況渡しでの買取活用(原状回復費用50~120万円を節約)

所有物件の場合、民泊専門の買取業者に「現況渡し」で売却することで、原状回復費用を大幅に節約できます。

現況渡しとは

原状回復をせず、現在の状態のまま物件を売却・買取してもらう方法です。家具・家電もそのまま引き取ってもらえる場合が多く、所有物件(区分マンション・一棟物件)のみ可能です(賃貸物件は不可)。

メリット

✓ 原状回復費用(50~120万円)が不要

✓ 設備処分費用(5~20万円)も節約できる

✓ 短期間(1~4週間程度)で現金化できる

✓ 予約キャンセル対応や廃業手続きのサポートが受けられる場合がある

デメリット

✓ 通常の仲介売却より買取価格が10~30%程度低くなる(買取価格は市場相場の70~90%が一般的)

✓ 賃貸物件では利用できない

✓ 買取業者の選定が必要

買取価格について:

不動産買取業界では、買取価格が市場相場(仲介売却価格)の70~90%程度(一般的には70~80%、約7割)になることが一般的です。これは、買取業者が転売リスクや再販コスト、リフォーム費用を負うためです。

例えば、仲介売却なら3,000万円で売れる物件の場合、買取では2,100万円~2,700万円程度になります。ただし、原状回復費用50~120万円が不要になる点、短期間で現金化できる点を考慮すると、トータルでは買取の方が有利になるケースも多いです。

適している状況

  • 赤字が続き、早期撤退したい
  • 原状回復費用を支払う資金がない
  • 近隣トラブルで一刻も早く撤退したい
  • 手続きの手間を最小限にしたい

※買取業者によってサービス内容や買取価格が異なります。複数社で査定を取ることをおすすめします。

民泊の現況渡し買取については、民泊買取の相場と業者選びのポイントで詳しく解説しています。


方法2:設備の買取・売却(処分費用5~20万円を節約)

家具家電を粗大ごみとして処分するのではなく、買取業者に売却することで処分費用を節約できます。

売却可能な設備

  • 冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコン(購入5年以内)
  • ベッド、ソファ、テーブル(状態が良いもの)
  • 掃除機、電子レンジ、炊飯器などの小型家電

手順

リサイクルショップや出張買取業者に査定を依頼し、複数業者で相見積もりを取ります(買取価格は業者により大きく異なります)。買取不可の場合は、フリマアプリ(メルカリ、ジモティー等)で個別売却も検討し、最終的に残ったものだけ粗大ごみとして処分します。

節約効果

処分費用5~20万円 → 買取収入1~5万円(差額6~25万円の改善)


方法3:管理会社の早期解約通知(違約金5~45万円を回避)

管理会社との契約書には「解約通知期間」が規定されています(1~3ヶ月前が一般的)。この期間内に通知しないと、違約金(管理費1~3ヶ月分=5~45万円)が請求される場合があります。

手順

契約書で「解約通知期間」「違約金の有無」を確認します。撤退を決断したらすぐに管理会社に書面で通知し、予約が入っている場合はゲストへのキャンセル対応を管理会社と相談します。最終清掃・鍵の返却など、解約に必要な手続きを確認してください。

注意点

予約が入っている期間は撤退できないため、予約状況を確認してから通知することが重要です。管理会社によっては「撤退サポート」として予約キャンセル対応を代行してくれる場合もあります。


まとめ|民泊撤退費用を理解し、賢く撤退を実現

民泊撤退費用の総額は、実務経験上おおよそ50~150万円が目安です(当社取引実績および不動産業界の一般的な相場に基づく推計値)。

内訳(実務経験に基づく推計値)

  • 原状回復費用: 50~120万円(賃貸物件の場合必須)
  • 設備処分費用: 5~20万円(業者委託)、2~3万円(自治体利用)
  • その他費用: 5~15万円(廃業届・違約金など)

撤退費用を最小化する3つの方法

✓ 現況渡しでの買取活用(原状回復費用50~120万円を節約)

✓ 設備の買取・売却(処分費用5~20万円を節約)

✓ 管理会社の早期解約通知(違約金5~45万円を回避)

物件タイプ別の選択肢

所有物件の場合、「現況渡し」での買取を活用することで、原状回復費用を大幅に削減できます。買取価格は市場相場の70~90%程度になりますが、原状回復費用50~120万円が不要になる点、短期間(1~4週間)で現金化できる点を考慮すると、トータルでは有利なケースが多いです。

賃貸物件の場合、管理会社との契約内容を確認し、早期通知(1~3ヶ月前)と設備売却でコストを最小化しましょう。

重要な法的義務

廃業届の提出期限を守りましょう。住宅宿泊事業は事業廃止日から30日以内に都道府県知事等へ廃業届を提出(法的義務)、旅館業は廃業日から10日以内に保健所へ廃業届を提出(法的義務)する必要があります。

撤退費用の内訳を正確に把握し、あなたの状況に合った方法を選択することで、経済的負担を抑えながら民泊撤退を実現できます。


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選ばれる理由

✓ 現況渡しOK(原状回復費用50~120万円が不要)

✓ 最短3営業日での成約(物件状況により異なります。通常1~2週間程度)

✓ 家具家電もそのまま買取(※状態により買取不可の場合もあります)

✓ 1R~一棟まで対応

✓ 予約キャンセル・廃業手続きもサポート

撤退費用でお悩みの際は、まずはお気軽にご相談ください。

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免責事項

本記事の情報は2025年12月時点のものです。法律・条例・市場状況は変動する可能性がありますので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

本記事の費用相場は、当社の取引実績および不動産業界の一般的な相場をもとにした推計値を含みます。民泊撤退費用に関する公的統計は存在せず、実際の費用は物件の状態、契約内容、地域、運営期間により大きく異なります。正確な見積もりは、複数の専門業者にご相談されることをおすすめします。


参考資料・出典

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