【2026年最新】民泊の株式譲渡|株式価値の算定・手続き・税務を完全ガイド

民泊法人の株式譲渡を検討している方は、「株式譲渡と事業譲渡の違いは?」「株式価値の相場はいくら?」「旅館業許可は自動承継されるのか?」といった疑問を抱えているのではないでしょうか。

株式譲渡は、法人格ごと譲渡するため、旅館業許可・住宅宿泊事業が自動的に承継され、許可の再申請が不要という大きなメリットがあります。一方で、簿外債務・偶発債務を買い手が引き継ぐリスクもあるため、デューデリジェンス(DD)が重要です。

本記事では、民泊の株式譲渡の全体像(株式価値の算定・手続き・税務)を6ステップで完全ガイドします。売り手(株主)・買い手双方の視点で実務を解説しますので、株式譲渡を検討している方は参考にしてください。


民泊の株式譲渡とは?事業譲渡との違いを徹底比較

株式譲渡の定義|法人格ごと譲渡する

株式譲渡とは、会社の株式を売却し、会社の経営権を譲渡する取引です。民泊法人の場合、以下が自動的に承継されます。

自動承継される資産・負債・権利

  • 有形資産: 不動産、家具家電、備品
  • 無形資産: 旅館業許可、住宅宿泊事業届出、ブランド、顧客リスト
  • 負債: ローン、買掛金、簿外債務、偶発債務
  • 契約: 賃貸借契約、管理委託契約、雇用契約

事業譲渡との根本的な違い

事業譲渡は「事業資産(許可・物件・ノウハウ)のみ」を譲渡する取引で、負債は原則として引き継がれません。買主は旅館業許可を新規申請する必要があります。

株式譲渡では法人格そのものが移転するため、許可・契約・負債すべてが包括的に承継される点が最大の特徴です。

株式譲渡の前提条件

株式譲渡を行うには、法人形態(株式会社・合同会社等)が必須です。個人事業主は株式という概念がないため、株式譲渡はできません。個人事業主が事業を譲渡する場合は、事業譲渡または資産譲渡のスキームを選択する必要があります。


株式譲渡と事業譲渡の徹底比較表(8つの観点)

民泊 株式譲渡を検討する際、事業譲渡との違いを正確に理解することが重要です。以下の比較表で8つの観点から両スキームを比較します。

項目株式譲渡事業譲渡
譲渡対象法人の株式(法人格ごと)事業資産(許可・物件・ノウハウ)
譲渡者株主(個人・法人)法人または個人事業主
前提条件法人形態が必須(株式会社・合同会社等)個人・法人問わず
許可引継ぎ自動承継(旅館業許可・住宅宿泊事業)原則として新規申請が必要
譲渡価格純資産+のれん(営業権)年間利益の3〜5倍+物件価格
税金(売り手)株式譲渡益の20.315%(分離課税)譲渡所得税20.315%(分離課税)
簿外債務買い手が引き継ぐ(リスク大)買い手は引き継がない(リスク小)
手続き期間2〜4ヶ月(DD・契約・株式譲渡)2〜6ヶ月(DD・契約・許可引継ぎ)
向いているケース法人形態、黒字、後継者不在、許可自動承継希望個人事業、赤字、簿外債務リスク回避

この比較表から、株式譲渡は許可の自動承継手続きの簡便性で優れている一方、簿外債務のリスクが大きいことがわかります。


株式譲渡のメリット・デメリット(売り手視点)

メリット

税率が低い: 株式譲渡益の20.315%(所得税15.315%+住民税5%)で分離課税となります。給与所得など他の所得と合算されないため、税負担を明確に把握できます。

手続きが簡単: 株式の譲渡のみで完了し、旅館業許可や住宅宿泊事業届出の再申請が不要です。保健所や都道府県への複雑な手続きを省略できます。

早期成約: 許可引継ぎの待機期間が不要なため、2〜4ヶ月で成約可能です。事業譲渡では許可取得に2〜3ヶ月かかるため、大幅な時間短縮になります。

デメリット

簿外債務の表明保証: 簿外債務・偶発債務の不存在を表明保証する必要があります。後日簿外債務が発覚した場合、損害賠償を請求される可能性があります。

競業避止義務: 株式譲渡契約には通常、一定期間(1〜3年)同業を行えない競業避止条項が含まれます。同じ地域で再び民泊事業を始めることが制限されます。

法人形態が必須: 個人事業主は株式譲渡できないため、法人化していない場合は事業譲渡を選択する必要があります。

出典: 国税庁「株式等の譲渡所得」(2025年度)
URL: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/shotoku.htm


株式譲渡のメリット・デメリット(買い手視点)

メリット

許可の自動承継: 旅館業許可・住宅宿泊事業届出が自動承継されるため、営業を中断することなく事業を引き継げます。許可取得のハードルが高い地域(京都市など)では特に大きなメリットです。

即収益化: 既存の事業体制をそのまま引き継ぐため、譲渡後すぐに収益を上げられます。顧客基盤・予約システム・運営ノウハウも継続します。

顧客・契約継承: Airbnbのレビュー評価、管理会社との委託契約、従業員との雇用契約もそのまま引き継がれます。事業の継続性が高く保たれます。

デメリット

簿外債務のリスク: デューデリジェンスで発見できなかった簿外債務(未払い金・保証債務など)を引き継ぐリスクがあります。表明保証があっても完全には防げません。

負債の引継ぎ: ローン・買掛金などの負債も包括的に引き継ぐため、財務内容を慎重に精査する必要があります。

表明保証の限界: 売り手が表明保証しても、故意に隠蔽された債務や将来発生する偶発債務(近隣トラブルの損害賠償など)は予測困難です。


民泊法人の株式価値の算定方法|純資産+年間利益の3〜5倍が相場

株式価値の算定方式①|純資産価額法(最もシンプル)

算定ロジック

株式価値 = 純資産(時価ベース)

純資産の算定方法

  • 資産(時価): 不動産・家具家電・現預金を時価で評価
  • 負債: ローン残債・買掛金・未払金
  • 純資産 = 資産 − 負債

具体例

  • 資産(時価): 3,000万円(不動産2,500万円+現預金500万円)
  • 負債: 1,000万円(ローン残債)
  • 純資産: 3,000万円 − 1,000万円 = 2,000万円
  • 株式価値: 2,000万円

純資産価額法の特徴

この方法は最もシンプルで、赤字法人にも適用できます。ただし、のれん(営業権)を評価しないため、黒字で安定収益がある法人の場合は過小評価になる可能性があります。

清算を前提とした評価方法であり、事業継続価値を反映していない点に注意が必要です。


株式価値の算定方式②|純資産+のれん法(一般的)

算定ロジック

株式価値 = 純資産 + のれん(年間利益の2〜5倍)

のれん(営業権)の算定

のれんとは、純資産に含まれない超過収益力のことです。ブランド力・顧客基盤・立地・運営ノウハウなどの無形資産を金額で評価します。

  • 超過収益力: (年間営業利益 − 期待利益)× 倍率(3〜5年分)
  • 期待利益: 純資産 × 期待利益率(5〜10%)

具体例

  • 純資産: 2,000万円
  • 年間営業利益: 900万円
  • 期待利益: 2,000万円 × 8% = 160万円
  • 超過収益: 900万円 − 160万円 = 740万円
  • のれん: 740万円 × 4年 = 2,960万円
  • 株式価値: 2,000万円 + 2,960万円 = 4,960万円

のれん倍率の決定要因

立地・稼働率: 京都・大阪の好立地で稼働率70%以上 → 4〜5倍
許可の種類: 旅館業許可(簡易宿所)→ 4〜5倍、住宅宿泊事業 → 2〜3倍
運営歴: 3年以上の安定収益 → 4〜5倍、1年未満 → 2〜3倍

民泊 株式譲渡の実務では、この純資産+のれん法が最も一般的に使用されています。

出典: バトンズM&A案件494件の分析データ(2026年1月時点)
URL: https://batonz.jp/sell_cases/?q=民泊


株式価値の算定方式③|DCF法(将来CF重視)

算定ロジック

株式価値 = 将来キャッシュフローの現在価値

計算手順

  1. 今後5年間の年間キャッシュフローを予測
  2. 割引率(WACC)を設定(通常10〜15%)
  3. 各年のキャッシュフローを現在価値に割り引く
  4. 5年間の現在価値を合計

具体例

  • 年間CF: 900万円(一定と仮定)
  • 割引率: 10%
  • 年金現価係数(5年、10%): 3.791
  • 株式価値: 900万円 × 3.791 ≒ 3,412万円

DCF法の特徴

この方法は将来の収益性を最も正確に反映できますが、計算が複雑で前提条件(割引率・成長率)の設定が難しいという課題があります。

M&Aの実務では、純資産+のれん法で概算を出し、DCF法で妥当性を検証するというアプローチが一般的です。


民泊法人の株式価値の相場(物件タイプ別)

実際の市場データに基づく株式価値の相場を、物件タイプ別に整理します。

法人タイプ株式価値の算定方法株式価値の目安(純資産2,000万円・年間利益900万円の場合)
京都・大阪の簡易宿所(黒字・好立地)純資産 + 年間利益の4〜5倍5,600〜6,500万円
地方都市の簡易宿所(黒字)純資産 + 年間利益の3〜4倍4,700〜5,600万円
住宅宿泊事業(黒字)純資産 + 年間利益の2〜3倍3,800〜4,700万円
赤字法人純資産のみ(のれんゼロ)2,000万円

この相場表からわかるように、旅館業許可(簡易宿所)を持つ法人は、住宅宿泊事業と比べて株式価値が1.2〜1.5倍高くなります。これは年間営業日数の制限がなく、収益性が高いためです。

出典: バトンズM&A案件494件の分析データ(2026年1月時点)


民泊の株式譲渡の流れ|6ステップで完全ガイド

STEP1|株式価値の算定(1週間)

実施内容

株式譲渡の第一歩は、自社の株式価値を正確に把握することです。

  • 直近3期の決算書・貸借対照表の整理
  • 純資産・のれんの算定
  • 株式価値の算定(純資産+のれん法等)

準備すべき資料

□ 決算書(直近3期分)
□ 貸借対照表(直近3期分)
□ 税務申告書(直近3期分)
□ 株主名簿
□ 定款
□ 旅館業許可証・住宅宿泊事業届出書
□ 固定資産台帳
□ ローン残高証明書

ポイント

株式価値の算定は、専門家(M&Aアドバイザー・税理士・公認会計士)に依頼することをおすすめします。自己評価では市場相場とのズレが生じ、買い手との交渉が難航する可能性があります。


STEP2|買い手候補の探索(1〜3ヶ月)

探索方法

M&Aプラットフォーム: バトンズ、M&A総合研究所、TRANBIなど
M&A仲介業者: 中小企業M&A専門の仲介会社
事業承継支援機関: 事業引継ぎ支援センター(中小企業庁)

M&Aプラットフォームの活用

バトンズでは、民泊のM&A案件494件が掲載されています(2026年1月時点)。匿名で案件を掲載し、買い手候補からの問い合わせを待つことができます。掲載費用は無料、成約時のみ手数料が発生するケースが多いです。

M&A仲介業者の活用

M&A仲介業者は、買い手候補の探索・DD・契約書作成を包括的にサポートします。手数料は成約価格の5〜10%が一般的ですが、最低手数料(200〜500万円)が設定されているケースもあります。

民泊専門の仲介業者であれば、許可の自動承継や簿外債務リスクなど民泊特有の論点に精通しているため、スムーズな取引が期待できます。

関連記事: 民泊買取業者の選び方|7つのチェックポイントと相場の調べ方


STEP3〜4|秘密保持契約・デューデリジェンス(1〜2ヶ月)

STEP3: 秘密保持契約(NDA)の締結

買い手候補が見つかったら、秘密保持契約(NDA)を締結します。NDAにより、株式価値・決算書・顧客情報などの機密情報を保護します。

NDAには通常、以下の条項が含まれます。

  • 機密情報の定義
  • 機密情報の利用目的(M&Aの検討のみ)
  • 機密保持期間(通常3〜5年)
  • 違反時の損害賠償

STEP4: デューデリジェンス(DD)

買い手が法人の精査を実施します。DDの期間は1〜2ヶ月が一般的です。

財務DD: 決算書・税務申告・簿外債務の確認
法務DD: 旅館業許可・契約・訴訟・偶発債務の確認
事業DD: 稼働率・顧客評価・近隣トラブルの確認

売り手が準備すべき資料

□ 決算書(直近3期分)
□ 税務申告書(直近3期分)
□ 株主名簿・株券(株券発行会社の場合)
□ 定款・登記簿謄本
□ 旅館業許可証・消防法適合証明
□ 賃貸借契約書(賃貸物件の場合)
□ 管理会社・清掃業者との契約書
□ 雇用契約書・就業規則
□ 顧客リスト・予約台帳
□ 近隣トラブル・訴訟の有無(書面で報告)

DDは買い手にとって投資判断の最重要プロセスです。売り手は誠実に情報開示し、質問に迅速に回答することで、買い手の信頼を得ることができます。


STEP5〜6|契約・株式譲渡・クロージング(2週間)

STEP5: 株式譲渡契約書の締結

DDの結果を踏まえ、株式価値・譲渡条件を合意し、株式譲渡契約書を締結します。契約書には以下の重要条項を盛り込みます。

□ 株式の譲渡数・譲渡価格
□ 譲渡代金の支払い条件(一括 or 分割)
□ 表明保証(売り手が法人内容の正確性を保証)
□ 競業避止義務(売り手が一定期間同業を行わない)
□ クロージング条件(DD結果の承認等)
□ 損害賠償(表明保証違反時の補償範囲)

STEP6: 株式譲渡・クロージング

株式を譲渡し、譲渡代金を受領します。以下の手続きを実施します。

  1. 株式の譲渡: 株主名簿の書き換え
  2. 譲渡代金の支払い: 銀行振込(エスクローを使用する場合もあり)
  3. 役員変更登記: 代表取締役・取締役の変更登記(法務局)
  4. 許可の自動承継: 旅館業許可・住宅宿泊事業は自動承継(手続き不要)

注意点

株券発行会社の場合、株券の交付が必要です。株券不発行会社(定款で株券を発行しないと定めている会社)の場合、株主名簿の書き換えのみで株式譲渡が完了します。

出典: 法務省「会社法の株式譲渡手続き」(2025年度)
出典: 中小企業庁「事業承継ガイドライン」(2025年度)


許可の自動承継とデューデリジェンスの実務

旅館業許可・住宅宿泊事業の自動承継

株式譲渡では許可が自動承継される

株式譲渡では、法人格が変わらないため、旅館業許可・住宅宿泊事業届出が自動的に承継されます。買い手が新規に許可を取得する必要はありません。これが民泊 株式譲渡の最大のメリットです。

自動承継の法的根拠

  • 旅館業法: 許可は「営業者(法人)」に付与されます。株式譲渡では営業者(法人)は変わらないため、許可は自動承継されます。
  • 住宅宿泊事業法: 届出は「届出者(法人)」に紐づきます。株式譲渡では届出者(法人)は変わらないため、届出は自動承継されます。

役員変更の届出

株式譲渡後、代表取締役が変わる場合、以下の届出が必要です。

  • 旅館業許可: 代表者変更届(保健所)
  • 住宅宿泊事業: 代表者変更届出(都道府県・保健所)

これらは単なる届出であり、新規の許可申請ではないため、通常1〜2週間で手続きが完了します。

注意点

個人事業主から法人への事業譲渡では、許可の自動承継は認められません。法人が新規に許可を取得する必要があり、2〜3ヶ月の期間と審査が必要です。

出典: 厚生労働省「旅館業法の許可手続き」(2025年度)
出典: 観光庁「住宅宿泊事業の届出」(2025年度)


財務DDのチェックポイント(買い手向け)

確認すべき重要項目

決算書の正確性: 売上・利益が実態と一致するか、粉飾決算の兆候はないか
簿外債務: 未払い金・借入金・保証債務の有無
税務リスク: 税務調査の履歴・追徴課税の有無
資産の実在性: 不動産・家具家電が実在し、時価評価が妥当か
負債の網羅性: ローン・買掛金・未払金が全て開示されているか

簿外債務の調査方法

簿外債務とは、貸借対照表に計上されていない債務のことです。以下の方法で調査します。

  • 過去3期の税務申告書を精査
  • 預金通帳の入出金を確認(簿外取引の痕跡)
  • 取引先・管理会社へのヒアリング
  • 訴訟・近隣トラブルの有無を確認

注意すべき簿外債務の例

  • 未払いの清掃費・修繕費
  • 代表者への未払い報酬
  • 保証債務(代表者が個人保証している借入)
  • 近隣住民からの損害賠償請求(潜在的リスク)

簿外債務は表明保証の対象ですが、発見が困難な場合もあります。買い手は慎重にDDを実施し、不明点は売り手に質問してください。


法務DDのチェックポイント(買い手向け)

確認項目

旅館業許可: 許可証の有効期限・許可条件の確認
建築基準法: 用途変更の有無・建築確認済証の確認
消防法: 消防法令適合通知書の確認
賃貸借契約: 民泊可の特約があるか(賃貸物件の場合)
管理規約: 民泊禁止条項の有無(マンションの場合)
訴訟・紛争: 訴訟・近隣トラブルの有無
偶発債務: 保証債務・損害賠償請求の可能性

偶発債務の調査方法

偶発債務とは、現時点では発生していないが、将来発生する可能性がある債務です。

  • 訴訟リストの確認(裁判所への照会)
  • 近隣住民へのヒアリング(可能な範囲で)
  • 保証債務の有無を確認(代表者が個人保証している場合)

マンション民泊の特有リスク

マンション民泊の場合、管理規約に「民泊禁止条項」が追加されていないか確認が必須です。規約違反が発覚すると、管理組合から営業停止を求められる可能性があります。

関連記事: マンション民泊の買取|管理組合トラブル・規約違反の解決方法

賃貸物件の承諾取得

賃貸物件の場合、賃貸人(オーナー)の承諾なく株式譲渡すると、賃貸借契約を解除される可能性があります。必ず事前に承諾を取得してください。


株式譲渡契約書のチェックポイント

契約書の必須条項

譲渡株式の明細: 株式数・譲渡価格
譲渡代金の支払い条件: 一括払い or 分割払い
表明保証: 売り手が法人内容の正確性を保証
競業避止義務: 売り手が一定期間(通常1〜3年)同業を行わない
クロージング条件: DD結果の承認、第三者の承諾取得等
損害賠償: 表明保証違反・契約違反の場合の損害賠償

表明保証の範囲

表明保証では、以下の事項を売り手が保証します。

  • 決算書・財務データの正確性
  • 旅館業許可の有効性
  • 訴訟・紛争の不存在
  • 簿外債務・偶発債務の不存在
  • 法令遵守(建築基準法・消防法等)

競業避止義務

競業避止義務では、売り手(株主・代表取締役)が一定期間(通常1〜3年)・一定地域(通常同一市区町村)で同業を行わないことを約束します。これにより、買い手は事業価値が保護されます。

注意点

表明保証違反があった場合、買い手は損害賠償を請求できます。契約書に「表明保証の有効期間(通常1〜3年)」「損害賠償の上限額(譲渡価格の10〜30%)」を明記してください。

出典: 中小企業庁「事業承継ガイドライン」(2025年度)


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株式譲渡の税務|税率20.315%と節税ポイント

株式譲渡益の税率20.315%(売り手視点)

株式譲渡益の計算

株式譲渡益 = 譲渡価格 − 取得費(資本金等)

税率

株式譲渡益に対して、20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の分離課税が適用されます。

具体例

  • 譲渡価格: 5,000万円
  • 取得費: 500万円(資本金)
  • 株式譲渡益: 5,000万円 − 500万円 = 4,500万円
  • 税額: 4,500万円 × 20.315% ≒ 914万円
  • 手取り: 5,000万円 − 914万円 = 4,086万円

事業譲渡との税率比較

  • 株式譲渡: 20.315%(分離課税)
  • 事業譲渡: 譲渡所得税20.315%(分離課税)+ 法人税等(売り手が法人の場合)

個人株主が株式譲渡する場合、税率は一律20.315%です。給与所得など他の所得と合算されないため、税負担を明確に把握できます。

出典: 国税庁「株式等の譲渡所得」(2025年度)
URL: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/shotoku.htm


節税ポイント①|取得費の正確な算定

取得費とは

取得費は、株式を取得した際のコストです。以下が含まれます。

  • 資本金(出資額)
  • 株式取得時の手数料
  • 増資時の出資額

取得費が不明な場合

取得費が不明な場合、譲渡価格の5%を取得費とみなすことができます(概算取得費)。ただし、実際の取得費が5%を超える場合、実額を証明することで税額を抑えられます。

具体例

  • 譲渡価格: 5,000万円
  • 取得費(実額): 500万円
  • 取得費(概算): 5,000万円 × 5% = 250万円

実額の方が大きいため、実額500万円を使用すべきです。これにより、株式譲渡益が4,500万円(5,000万円−500万円)となり、概算の場合の4,750万円(5,000万円−250万円)よりも税額が約50万円減ります。


節税ポイント②|損益通算(他の株式譲渡損と相殺)

損益通算とは

同一年内に他の株式譲渡で損失が出ている場合、株式譲渡益と相殺できます。

具体例

  • 民泊法人の株式譲渡益: 4,500万円
  • 他の株式譲渡損: −500万円
  • 課税対象: 4,500万円 − 500万円 = 4,000万円
  • 税額: 4,000万円 × 20.315% ≒ 812万円

損益通算により、税額を約100万円削減できます。上場株式の譲渡損とも損益通算できるため、ポートフォリオ全体で税務戦略を立てることが重要です。


税務申告の流れ(売り手視点)

申告期限

株式譲渡の翌年2月16日〜3月15日に確定申告が必要です。

申告書類

□ 確定申告書B(第一表・第二表)
□ 株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書
□ 株式譲渡契約書のコピー
□ 取得費の証明書類(出資証明書等)

注意点

株式譲渡益は分離課税のため、他の所得(給与所得等)とは別に計算します。税務申告には専門知識が必要なため、税理士に依頼することをおすすめします。


まとめ|民泊の株式譲渡は専門家のサポートが必須

民泊の株式譲渡は、株式価値の算定・許可の自動承継・簿外債務のリスクなど、実務が複雑です。売り手(株主)・買い手ともに、専門家(M&Aアドバイザー・税理士・弁護士)のサポートを受けることをおすすめします。

株式譲渡の全体像(6ステップ)

  1. 株式価値の算定(1週間)
  2. 買い手候補の探索(1〜3ヶ月)
  3. 秘密保持契約(NDA)の締結(1週間)
  4. デューデリジェンス(1〜2ヶ月)
  5. 株式譲渡契約書の締結(2週間)
  6. 株式譲渡・クロージング(1週間)

株式価値の相場

  • 黒字法人: 純資産 + 年間利益の3〜5倍
  • 赤字法人: 純資産のみ(のれんゼロ)

株式譲渡のメリット

  • 税率20.315%(分離課税)
  • 旅館業許可・住宅宿泊事業の自動承継
  • 手続きが簡単(2〜4ヶ月で成約可能)

株式譲渡の注意点

  • 簿外債務・偶発債務を買い手が引き継ぐリスク
  • 表明保証の範囲・有効期間を明確化
  • デューデリジェンスの徹底

株式譲渡を検討している方は、早めに専門家に相談し、適正な株式価値・手続きを確認してください。

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免責事項

本記事は2026年1月時点の情報をもとに作成されています。税制・法令は変更される可能性があるため、最新情報は各公的機関のウェブサイトをご確認ください。また、個別の株式譲渡・税務については、M&Aアドバイザー・税理士・弁護士などの専門家にご相談ください。

主要な出典・参考資料

本記事は、民泊・旅館業の撤退支援に特化したStayExitの実務経験(2023〜2025年で株式譲渡・M&A案件50件以上)をもとに、公的機関のデータ・専門家の知見を引用して作成されています。

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