民泊閉鎖の手続き完全ガイド|廃業届から物件処分まで

民泊を閉めようと考えているあなたへ。民泊の「閉鎖」について調べていると、さまざまな情報が出てきて混乱するかもしれません。実は、民泊の「閉鎖」とは、法律用語では「廃業」を指します。つまり、民泊事業を完全に終了する際の正式な手続きが「廃業届の提出」なのです。

この記事では、民泊を閉鎖する際に必要な手続きを、時系列に沿って4つのステップで詳しく解説します。ゲストへの対応から廃業届の提出、物件の処分まで、漏れなく進められるようにガイドしていきます。

民泊の閉鎖とは廃業のこと|手続きの全体像

まずは、「閉鎖」という言葉の意味と、手続き全体の流れを理解しましょう。

「閉鎖」=「廃業」|正式な手続き名称を理解する

日常会話では「民泊を閉める」「民泊をやめる」「民泊を閉鎖する」などと表現しますが、**法律上の正式な手続き名称は「廃業」**です。住宅宿泊事業法や旅館業法では、事業を終了することを「廃業」または「廃止」と呼び、自治体への届出が義務付けられています。

つまり、あなたが「民泊を閉鎖したい」と考えているなら、正式には「廃業届(廃業等届出書)」を提出する必要があるということです。この届出を怠ると、後述するように罰則の対象となる可能性があるため、正しい手続きを理解することが重要です。

民泊閉鎖手続きの4つのステップ

民泊を閉鎖する際の手続きは、以下の4つのステップに分けて進めるとスムーズです。

【民泊閉鎖の4ステップ】

  1. ステップ①:ゲスト対応 – 既存予約のキャンセルと返金手続き
  2. ステップ②:廃業届の提出 – 自治体への正式な廃業届出
  3. ステップ③:契約解除・原状回復 – 賃貸契約や管理委託契約の解除、設備撤去
  4. ステップ④:閉鎖後の物件活用 – 売却・賃貸転用・自己居住などの選択

これから各ステップの詳細を解説していきます。一つずつ確実に進めていきましょう。

民泊廃業の全体的な流れについて詳しく知りたい方は、民泊廃業の完全ガイドで解説していますので、併せてご参照ください。


民泊閉鎖の具体的な手続き|4ステップで完全解説

それでは、民泊閉鎖の具体的な手続きを、時系列順に見ていきましょう。

ステップ①ゲスト対応|予約キャンセルと返金

民泊を閉鎖すると決めたら、まず最優先で行うべきは既存予約のゲストへの対応です。

予約が入っている場合は、速やかにゲストに連絡を取り、事情を説明した上でキャンセル手続きを進めます。Airbnb、Booking.com、楽天トラベルなど、利用している予約プラットフォームのキャンセルポリシーに従って、返金手続きを行いましょう。

可能であれば、代替の宿泊先を提案したり、近隣の類似物件を紹介したりすると、ゲストへの配慮として丁寧です。特に訪日外国人ゲストの場合、急なキャンセルは旅行計画に大きな影響を与えるため、できる限りサポートすることをおすすめします。

ステップ②廃業届の提出|必要書類と期限

ゲスト対応が完了したら、次は自治体への廃業届の提出です。これが民泊閉鎖の正式な手続きとなります。

【住宅宿泊事業法に基づく民泊の場合】

項目内容
提出書類廃業等届出書、届出番号が記載された書類(届出受理書など)
提出期限廃止した日から30日以内(住宅宿泊事業法第3条6項)
提出先物件所在地を管轄する都道府県または保健所設置市の民泊担当窓口
提出方法民泊制度運営システムでの電子申請、郵送、窓口持参
その他標識(ステッカー)の返却も必要

住宅宿泊事業法第3条6項によると、廃業届は廃止日から30日以内に提出する必要があります。インターネット上には「10日以内」という誤った情報も見られますが、住宅宿泊事業法における正式な期限は30日以内ですので、ご注意ください。

廃業等届出書の様式は、各自治体の公式サイトからダウンロードできます。「東京都 民泊 廃業届」「大阪府 住宅宿泊事業 廃業」などで検索すると、自治体の公式サイトで最新の様式を入手できます。

【旅館業法(簡易宿所営業)の場合】

項目内容
提出書類廃止届、営業許可証(原本を返納)
提出期限廃止した日から10日以内(旅館業法施行規則)
提出先物件所在地を管轄する保健所
提出方法郵送、窓口持参

旅館業法の場合は、住宅宿泊事業法とは異なり10日以内の提出が必要です。また、営業許可証の返納も忘れずに行いましょう。

詳しい必要書類については、民泊廃業の必要書類と手続きの記事で解説していますので、併せてご確認ください。

ステップ③契約解除と原状回復|賃貸物件での注意点

廃業届を提出したら、次は各種契約の解除と原状回復を進めます。

【解除が必要な契約】

  • 賃貸契約: 解約予告期間(通常1〜2ヶ月前)を確認し、大家に解約の意思を伝える
  • 管理委託契約: 民泊運営代行業者と契約していた場合は解除手続き
  • 清掃委託契約: 清掃業者との契約も適切に終了させる
  • Wi-Fiなどのインフラ契約: 通信回線、電気・ガス・水道の名義変更または解約

【賃貸物件特有の注意点】

賃貸物件で民泊を運営していた場合、以下の点に特に注意が必要です。

  1. 大家への報告: 民泊を閉鎖する旨を正式に報告しましょう。契約書で民泊が禁止されていた場合でも、閉鎖を報告することでトラブルを最小限に抑えられます
  2. 原状回復の範囲: 民泊用に設置した鍵(スマートロックなど)、消防設備、家具家電などを撤去する必要があります。通常損耗と特別損耗の区別を大家と事前に確認しておくとスムーズです
  3. 敷金返還のタイミング: 原状回復費用を差し引いた敷金の返還時期を確認しましょう

賃貸契約に違反して民泊を運営していた場合でも、誠実に閉鎖手続きを進めることで、敷金の全額返還や法的トラブルの回避につながる可能性があります。

ステップ④閉鎖後の物件活用|売却・賃貸転用の選択肢

民泊を閉鎖した後、物件をどう活用するかも重要な選択です。主な選択肢は以下の3つです。

【選択肢1:通常賃貸物件として再活用】
民泊用に整備した物件を、通常の賃貸住宅として貸し出す方法です。家具家電がすでに揃っている場合は、家具付き物件として需要が見込めます。ただし、消防設備などの民泊特有の設備は撤去が必要になる場合があります。

【選択肢2:物件を売却(自己所有の場合)】
自己所有物件であれば、売却して資金を回収することも選択肢です。民泊運営していた履歴が残っている物件は、一般の不動産市場では評価が下がる可能性もありますが、民泊物件として次のオーナーに引き継ぐこともできます。

【選択肢3:専門業者への買取相談(現況渡し可能)】
民泊物件の扱いに慣れた専門業者に買取を依頼する方法です。現況のまま引き渡せるため、原状回復やリフォームの手間がかからず、最短3営業日でスピーディーに売却できるメリットがあります。

【選択肢4:自己居住用に戻す】
自己所有物件を自分や家族が住むために使う場合は、特別な手続きは不要です。廃業届を提出すれば、通常の住宅として利用できます。

閉鎖後の物件処分でお悩みの場合は、民泊専門の買取業者への相談も選択肢の一つです。Stay Exitでは、最短3営業日での成約、現況渡しOKで民泊物件の買取に対応しています。
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民泊閉鎖手続きを怠った場合のリスクとよくある質問

民泊閉鎖の手続きを正しく行わないと、どのようなリスクがあるのでしょうか。また、閉鎖後に関するよくある疑問にもお答えします。

廃業届を提出しないとどうなる?罰則と実務上のリスク

民泊を事実上閉鎖しても、廃業届を提出しなければ、法律上は「事業を継続している」とみなされます。

【法的リスク・罰則】

台東区の住宅宿泊事業の廃止についてによると、**「廃止の届出をしない、又は虚偽の届出をした者は、20万円以下の過料」**の対象となります。これは刑事罰ではなく行政罰ですが、記録として残るため軽視すべきではありません。

【実務上のリスク】

  • 定期報告義務が継続: 廃業届を出さない限り、2ヶ月に1回の定期報告義務が継続します。報告を怠るとさらに処分の対象となります
  • 固定資産税の優遇措置が受けられない: 住宅用地の特例が適用されず、固定資産税が高くなる可能性があります
  • 物件売却時のトラブル: 廃業手続きが未完了のまま物件を売却しようとすると、買主から手続き完了を求められ、売却が遅延します

このように、廃業届の提出は形式的な手続きではなく、法的・実務的に重要な義務です。必ず期限内(30日以内)に手続きを完了させましょう。

閉鎖後に再開することは可能?

民泊を一度閉鎖(廃業)しても、再度新規申請すれば民泊の再開は可能です。

ただし、廃業届を提出した時点で届出が取り消されるため、再開する際は完全に新規届出扱いとなります。すべての書類(建物図面、消防法令適合通知書、賃貸契約書など)を再提出し、審査を受ける必要があります。

もし「数ヶ月〜1年程度だけ休みたい」という場合は、廃業届を出さずに一時休止する方法もあります。この場合、定期報告義務(2ヶ月に1回)は継続しますが、「営業日数:0日、宿泊者数:0名」として報告すればOKです。再開時に改めて届出をする必要もありません。

短期間の休止であれば一時休止、完全に事業を終了するなら廃業届の提出と、状況に応じて選択しましょう。


まとめ:民泊閉鎖は4ステップで確実に

民泊の閉鎖手続きは、正しい知識を持って進めればスムーズに完了できます。記事の要点を改めて整理しましょう。

【記事のポイント】

  • 民泊の閉鎖は法律用語では「廃業」であり、廃業届の提出が必要: 「閉める」「やめる」という表現は日常的なものですが、正式には「廃業届(廃業等届出書)」を提出します
  • 閉鎖手続きは①ゲスト対応→②廃業届提出→③契約解除→④物件活用の4ステップ: 時系列順に一つずつ進めることで、手続き漏れを防げます
  • 廃業届は廃止日から30日以内に提出(怠ると20万円以下の過料): 住宅宿泊事業法における正式な期限は30日以内です。必ず守りましょう

【状況別の次のアクション】

  • 既存予約がある場合: まずは予約済みのゲストに連絡し、キャンセル・返金手続きを最優先で進めましょう
  • 廃業届の準備: 廃業届の様式を自治体の公式サイトからダウンロードし、必要事項を記載して提出しましょう
  • 賃貸物件の場合: 大家への報告と原状回復の範囲について、事前に相談しておくとトラブルを避けられます
  • 物件処分でお困りの場合: 専門業者への相談もご検討ください

民泊からの撤退全般について詳しく知りたい方は、民泊撤退の完全ガイドもご参照ください。

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免責事項:
本記事の情報は2026年1月時点のものです。法律・条例・自治体の手続きは変動する可能性がありますので、最新情報は観光庁や各自治体の公式サイトでご確認ください。閉鎖手続きに不安がある場合は、行政書士などの専門家への相談もご検討ください。

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