マンション民泊の原状回復費用は?相場と費用を抑える5つの方法

マンションで民泊を運営していたものの、稼働率の低下や管理組合からの指摘で撤退を検討している方へ。民泊撤退時に大きな負担となるのが「原状回復費用」です。不特定多数の利用による損耗が激しいマンション民泊では、一般賃貸よりも原状回復費用が高額になりやすく、30〜130万円程度かかるケースが一般的です。本記事では、マンション民泊の原状回復について、費用相場から負担区分、費用を抑える具体的な方法まで徹底解説します。


マンション民泊の原状回復とは?一般賃貸との違い

マンション民泊の原状回復は、不特定多数の利用による損耗が激しく、一般賃貸より高額になりやすいという特徴があります。まずは原状回復の法的定義と、マンション民泊特有のリスクを理解しましょう。

原状回復の法的定義と負担区分

原状回復の法的定義:
改正民法第621条では、「賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた損耗並びに賃借物の経年変化を除く。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う」と規定されています。

つまり、通常の使用による損耗や経年変化は貸主負担、借主の故意・過失による損傷は借主負担というのが原則です。

出典: e-Gov法令検索「民法第621条」

国土交通省ガイドラインによる負担区分:
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(2011年)では、より詳細に負担区分が示されています。

項目借主負担貸主負担
クロスタバコのヤニ・臭い、落書き、釘穴(下地ボードまで達するもの)日焼けによる変色、画鋲の穴
フローリングキャスター付き椅子の傷、飲み物をこぼした染み家具の設置跡、経年劣化
設備手入れ不足による故障、破損耐用年数経過による交換

出典: 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」

マンション民泊で原状回復費用が高額になる3つの理由

マンション民泊の原状回復費用が一般賃貸より高額になる理由は、以下の3つです。

理由①不特定多数の出入りによる損耗の加速
一般賃貸では同じ入居者が長期間住むため、損耗は緩やかに進みます。一方、民泊では毎週異なるゲストが出入りするため、以下のような損耗が加速します。

  • フローリングの傷・へこみ(スーツケースの引きずり跡)
  • ドアノブ・鍵穴の摩耗(頻繁な施錠・開錠)
  • 水回りの劣化(シャワー・洗面台の使用頻度が高い)

理由②管理規約違反時の追加費用
マンション管理規約で民泊が禁止されているにもかかわらず運営していた場合、以下の追加費用が発生する可能性があります。

  • 共用部分への民泊禁止ステッカー撤去費用
  • キーボックス(暗証番号式)の撤去・原状回復費用
  • 管理組合への違約金・損害賠償(ケースによる)

理由③消防設備の撤去費用
旅館業法の許可を取得して運営していた場合、消防法に基づく設備(誘導灯、避難経路標識、消火器など)を設置している可能性があります。これらの設備は撤退時に撤去する必要があり、撤去費用として5〜15万円程度かかります。

マンション民泊の原状回復について、法的義務の詳細は[民泊の原状回復完全ガイド]で解説しています。


マンション民泊の原状回復費用相場と内訳

マンション民泊の原状回復費用は、物件の広さ、損耗の程度、賃貸・所有の違いによって大きく変動します。ここでは、物件タイプ別の費用相場と、工事項目別の内訳を解説します。

物件タイプ別の費用相場(1R・1LDK・2LDK)

マンション民泊の原状回復費用の相場は以下の通りです。

物件タイプ原状回復費用(相場)主な工事内容
1R(25〜30㎡)30〜70万円クロス張替え、フローリング補修、ハウスクリーニング
1LDK(40〜50㎡)50〜95万円クロス・フローリング全面張替え、設備交換
2LDK(60〜70㎡)70〜130万円全面張替え、水回り設備交換、消防設備撤去

工事項目別の費用相場:

工事項目費用相場備考
クロス張替え800〜1,500円/㎡国土交通省ガイドラインでは耐用年数6年
フローリング張替え4,000〜10,000円/㎡損傷が部分的なら補修で済む場合も
畳表替え4,000〜8,000円/枚耐用年数5年
クッションフロア張替え2,000〜4,000円/㎡水回りに使用
ハウスクリーニング1R:3〜5万円、2LDK:5〜8万円必須
エアコン撤去・交換2〜5万円/台耐用年数6年
消防設備撤去5〜15万円旅館業許可物件のみ

耐用年数による減価償却:
国土交通省ガイドラインでは、クロスの耐用年数を6年としており、経過年数に応じて借主の負担割合が軽減されます。例えば、入居3年後に退去した場合、クロス張替え費用の50%(残存価値)のみが借主負担となります。

出典: 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」

賃貸と所有で異なる原状回復の考え方

マンション民泊の原状回復は、賃貸物件か所有物件(区分所有)かで対応が大きく異なります。

賃貸物件の場合:

  • 賃貸借契約に基づく原状回復義務があるため、原状回復は必須
  • 費用削減が最優先(入居時の写真記録、相見積もり、不当請求への反論)
  • 退去時の立会いで貸主・管理会社と交渉し、費用を抑える

所有物件(区分所有)の場合:

  • 法的な原状回復義務はないが、売却時に原状回復するか判断が必要
  • 選択肢①: 原状回復してから仲介で売却(高値だが時間・費用がかかる)
  • 選択肢②: 現況渡しで買取業者に売却(原状回復費用50〜130万円が不要)

所有物件の現況渡し買取:
所有物件の場合、原状回復費用50〜130万円が不要になる「現況渡し買取」も選択肢の一つです。StayExitでは、家具家電もそのまま買取可能で、最短3営業日での成約実績があります。

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マンション民泊の原状回復費用を抑える5つの方法

マンション民泊の原状回復費用は、事前の準備と適切な対応で大幅に削減できます。ここでは、実践的な費用削減方法を5つ紹介します。

入居時・退去時の記録と契約書の確認

方法①入居時の写真記録を徹底する
入居時(民泊運営開始時)に、室内の状態を写真・動画で詳細に記録しましょう。特に以下の箇所は重点的に撮影します。

  • 床・壁・天井の傷・汚れ
  • ドア・窓・建具の状態
  • 水回り(キッチン、浴室、トイレ)の設備
  • 給湯器・エアコンの型番と状態

退去時に「入居前からあった傷」を証明できれば、借主負担から除外できます。写真はタイムスタンプ付きで保存し、貸主・管理会社にも共有しておくと安心です。

方法②契約書の特約を確認する
賃貸借契約書の「特約」欄に、原状回復に関する特別な条件が記載されている場合があります。

  • 「退去時にクロス全面張替え費用を借主負担とする」
  • 「ハウスクリーニング費用5万円を借主負担とする」

これらの特約が消費者契約法第10条に違反する不当条項に該当する場合、無効となる可能性があります。消費者契約法第10条により、不当に消費者(借主)の利益を害する特約は無効となります。

出典: 消費者庁「消費者契約法」

不当と思われる特約がある場合、国民生活センターや消費生活センターに相談しましょう。

相見積もりと不当請求への対応

方法③複数業者から相見積もりを取る
退去時に貸主・管理会社から提示される原状回復費用の見積もりが高額な場合、自分でリフォーム業者に相見積もりを取りましょう。

  • 最低3社から見積もりを取得
  • 工事項目・単価・数量を明示してもらう
  • 国土交通省ガイドラインの耐用年数を基準に減価償却を適用

相見積もりの結果、貸主の見積もりが相場より高ければ、価格交渉の材料にできます。

方法④不当請求には明確に反論する
以下のような不当請求には、国土交通省ガイドラインを根拠に反論しましょう。

  • 経年劣化を借主負担とする: クロスの日焼け、畳の変色などは貸主負担
  • 耐用年数を超えた設備の全額請求: 耐用年数を超えたエアコンは残存価値1円
  • 通常の清掃で落ちる汚れの請求: ハウスクリーニングで対応可能な汚れは借主負担外

反論しても解決しない場合、国民生活センターや弁護士に相談しましょう。

方法⑤所有物件は現況渡し買取を検討する
所有物件(区分マンション)の場合、原状回復してから仲介で売却するよりも、現況渡しで買取業者に売却する方が結果的に手残りが多くなるケースがあります。

原状回復 vs 現況渡し買取の比較:

項目原状回復後に仲介売却現況渡しで買取
原状回復費用50〜130万円(自己負担)0円(買取業者が負担)
売却期間3〜6ヶ月1〜2ヶ月(最短3営業日)
売却価格市場価格の90〜110%市場価格の70〜80%
手残り例(市場価格2,500万円の場合)2,250万円 – 100万円(原状回復) = 2,150万円1,800万円(原状回復不要)

この例では、仲介の手残りが2,150万円、買取の手残りが1,800万円となり、差額は350万円です。ただし、買取は3営業日で現金化できるため、早期に次の投資に移りたい場合は有効な選択肢です。

民泊撤退の全体的な手順については、[民泊撤退の完全ガイド]で詳しく解説しています。


まとめ|マンション民泊の原状回復で損しないために

マンション民泊の原状回復について、本記事の要点を整理します。

  • マンション民泊の原状回復は一般賃貸より高額(30〜130万円): 不特定多数の利用、管理規約違反、消防設備撤去が主な理由
  • 費用削減には入居時の記録と相見積もりが必須: 写真記録で証拠を残し、複数業者から見積もりを取得して価格交渉
  • 所有物件は現況渡し買取も検討: 原状回復費用50〜130万円が不要、最短3営業日で現金化可能

読者の状況別に取るべきアクション:

  • 賃貸物件の場合: 入居時の写真記録を確認し、相見積もりで費用削減、不当請求には国土交通省ガイドラインを根拠に反論
  • 所有物件の場合: 原状回復してから仲介売却 vs 現況渡し買取を比較し、時間・費用・手残りを総合的に判断

民泊撤退費用の全体像については、[民泊撤退費用の内訳と相場]で詳しく解説しています。


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免責事項:
本記事の情報は2026年1月時点のものです。法律・条例・市場状況は変動する可能性がありますので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。原状回復費用は物件の状態、損耗の程度、地域により大きく異なります。実際の撤退前に、専門家(弁護士、不動産会社、消費生活センター)への相談をお勧めします。

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