北区の民泊規制を完全解説|上乗せ条例なしの実態と収益性

東京都北区は、豊島区と並んで独自の上乗せ条例がない23区の一つです。この「上乗せ条例なし」という状況は、他区と比較して民泊運営において有利に見えますが、実際にはどのような意味を持つのでしょうか。

上乗せ条例とは、各自治体が住宅宿泊事業法に加えて独自に定める営業日数や区域の制限です。例えば、練馬区・目黒区・杉並区などは住居専用地域で平日営業が禁止されており、年間約160〜170日のみの営業となります。

一方、東京都北区公式サイトによると、北区の場合は上乗せ条例なし=年間180日の範囲で自由に営業日を選べるということになります。平日・週末を問わず、事業者が自由に営業スケジュールを設定できるのです。

ただし、重要な点として、住宅宿泊事業法の年間180日ルールは適用されるため、365日営業は不可能です。「上乗せ条例なし」は「規制が全くない」という意味ではなく、「他区よりも柔軟に営業日を設定できる」という意味に過ぎません。

他区との比較表

上乗せ条例営業可能日数営業可能な曜日
北区なし年間180日(自由に設定可能)平日・週末問わず
練馬区あり(住居専用地域で平日不可)年間約160〜170日週末+祝日のみ
目黒区あり(住居専用地域で平日不可)年間約160〜170日週末+祝日のみ
杉並区あり(住居専用地域で平日不可)年間約104日週末のみ
中野区あり(住居専用地域で平日不可)年間約104日週末のみ
板橋区あり(住居専用地域で週末限定)年間約160〜170日週末+祝日のみ

この比較から分かるように、北区は他区と比較して営業日数の柔軟性が高いと言えます。特に、平日のビジネス需要を取り込みたい場合や、週末に集中させずに営業日を分散させたい場合には、北区の「上乗せ条例なし」という環境は有利に働きます。

ただし、「上乗せ条例なし=収益性が高い」とは限りません。年間180日の制限は依然として存在し、稼働率や運営コストによっては赤字になる可能性もあります。この点については後述します。

観光庁 民泊制度ポータルサイトでは、全国の民泊制度に関する最新情報を確認できます。

北区民泊の届出要件|家主居住型と家主不在型の違い

北区で民泊を運営する場合、住宅宿泊事業法に基づく届出が必要です。届出は届出日の15日前までに北区保健所に提出する必要があります。

民泊には大きく分けて家主居住型家主不在型の2つの形態があり、それぞれ適用される規制や必要な設備が異なります。

家主居住型と家主不在型の定義

  • 家主居住型: 家主が同一住宅内に居住しながら、自宅の一部をゲストに提供する形態
  • 家主不在型: 家主が不在で、住宅宿泊管理業者への管理委託が必須となる形態

東京都北区公式サイト「北区で宿泊事業を始めたい方へ」によると、家主不在型の場合は住宅宿泊管理業者への管理委託が必須となります。

消防設備の違い(重要)

特に注目すべきは、家主居住型と家主不在型で消防設備の要件が大きく異なる点です。

項目家主居住型家主不在型
火災報知器必須必須
消火器宿泊室50㎡超で必須面積に関わらず必須
避難経路標識宿泊室50㎡超で必須面積に関わらず必須
誘導灯宿泊室50㎡超で必須面積に関わらず必須

この違いは初期投資コストに大きく影響します。家主不在型の場合、宿泊室の面積に関わらず消火器・避難経路標識・誘導灯の設置が義務付けられており、小規模物件でも数十万円の初期投資が必要になります。

さらに、家主不在型は住宅宿泊管理業者への管理委託が必須となるため、月額5〜10万円程度の管理委託費用が継続的に発生します。

北区における家主居住型の扱い

北区では家主居住型に独自の営業日数制限はありません。ただし、住宅宿泊事業法の年間180日ルールは適用されます。家主居住型であれば、比較的低コストで民泊を始めることができ、自分自身で管理できるため管理委託費用も不要です。

投資目的で民泊を運営する場合は家主不在型となりますが、自宅の一部を活用する副業として民泊を始める場合は、家主居住型の方がコスト面で有利です。

年間180日制限下での収益性|廃業率34.0%の現実

北区は上乗せ条例がないため、他区よりも営業日の選択肢が広いものの、年間180日の制限は依然として存在します。この制限下での実際の収益性はどうなのでしょうか。

北区の届出状況と廃業率

観光庁「住宅宿泊事業法に基づく届出及び登録の状況一覧」(PDF)によると、2024年5月時点で北区は**426件の届出があり、そのうち145件が廃業しています。廃業率は約34.0%**に達しています。

この廃業率は23区の中でも中程度の水準ですが、約3軒に1軒が廃業している現実は、民泊運営の難しさを物語っています。

廃業の主な理由

  • 稼働率の低迷(想定よりもゲストが集まらない)
  • 管理コストの負担(管理委託費、清掃費、光熱費など)
  • 近隣住民とのトラブル
  • 年間180日制限による収益性の限界

収益性シミュレーション(家主不在型の場合)

実際の収支をシミュレーションしてみましょう。

前提条件

  • 1泊あたりの宿泊料金: 10,000円
  • 年間営業日数: 180日
  • 稼働率: 55%(年間約99日稼働)

売上
10,000円 × 99日 = 990,000円/年

経費

  • 住宅宿泊管理業者への委託費: 月50,000円 × 12ヶ月 = 600,000円
  • 清掃費: 5,000円 × 99回 = 495,000円
  • 光熱費・消耗品・通信費など: 約200,000円
  • 合計経費: 約1,295,000円

収支
990,000円 – 1,295,000円 = -305,000円(年間赤字約30万円)

このシミュレーションから分かるように、稼働率55%では年間約30万円の赤字となります。稼働率を70%程度(年間126日稼働)まで上げれば黒字化の可能性はありますが、北区の平均的な稼働率を考えると、安定的に70%以上の稼働率を維持するのは容易ではありません。

稼働率を上げるための施策

稼働率を上げるには、以下のような施策が必要です:

  • Airbnb、Booking.comなどの複数のプラットフォームへの掲載
  • プロフェッショナルな写真撮影と魅力的な物件説明文の作成
  • 競合物件との価格競争力の維持
  • レビュー評価の向上(ゲスト対応の質向上)
  • マーケティング投資(広告出稿など)

これらの施策にはコストと時間がかかるため、結果的に収益性を圧迫する要因となります。

「収益性が見込めない」「廃業を検討している」という方は、民泊物件の専門買取サービス「StayExit」にご相談ください。現況渡しOK、最短3営業日での成約実績があり、通常の不動産売却よりもスピーディーに対応可能です。

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北区で民泊規制に対応できない場合の選択肢|旅館業法・売却・賃貸の比較

年間180日制限で収益が見込めない場合、または既に赤字運営が続いている場合、事業の方向性を見直す必要があります。ここでは3つの出口戦略を比較します。

選択肢メリットデメリット向いている人
旅館業法への切り替え・365日営業可能
・平日需要も取り込める
・消防設備・フロント設置など初期投資が高額
・許可取得に時間がかかる
長期運営を前提に投資できる人
賃貸転用・安定収入が見込める
・管理の手間が減る
・賃貸需要次第で空室リスクあり
・原状回復費用が発生する可能性
賃貸需要が高いエリアの物件
専門買取(StayExit)・現況渡しOK
・最短3営業日成約
・運営中でも買取可能
・市場価格より若干低くなる可能性早期撤退・資金回収を優先する人

選択肢1: 旅館業法への切り替え

旅館業法に基づく簡易宿所営業許可を取得すれば、年間365日営業が可能になります。平日のビジネス需要も取り込めるため、収益性を大幅に向上させることができます。

必要な設備・要件

  • 消防設備(自動火災報知設備、誘導灯、消火器など)の設置
  • フロント(玄関帳場)の設置または代替措置
  • 建築基準法の用途変更(規模による)
  • 客室床面積33㎡以上(複数室の場合)

初期投資
物件の規模や現状によりますが、数百万円規模の投資が必要になることが一般的です。また、許可取得までに3〜6ヶ月程度の期間がかかります。

長期的に民泊事業を継続する意思があり、初期投資を回収できる見込みがある場合に適した選択肢です。

選択肢2: 賃貸転用

民泊から通常の賃貸物件に転用する方法です。北区は赤羽駅周辺を中心に賃貸需要が比較的高いエリアです。

メリット

  • 安定した賃料収入が見込める
  • 管理の手間が民泊よりも少ない
  • 宿泊者対応や清掃の頻度が減る

デメリット

  • 民泊用に改装している場合は原状回復費用が発生
  • 賃貸需要次第で空室リスクがある
  • 賃料収入は民泊の最大売上よりも低い

赤羽駅周辺など交通利便性の高いエリアであれば、賃貸転用も有効な選択肢となります。

選択肢3: 専門買取(StayExit)

民泊物件に特化した買取サービスを利用する方法です。通常の不動産売却と異なり、民泊設備や許可の有無を問わず買取可能という特徴があります。

StayExitの特徴

  • 最短3営業日で成約実績あり
  • 現況渡しOK(民泊設備をそのまま引き渡せる)
  • 運営中の物件でも買取対応可能
  • 通常の不動産売却よりもスピーディー
  • 1Rから5棟一括まで対応

こんな方におすすめ

  • 早期に資金回収したい
  • 民泊設備の撤去費用をかけたくない
  • 廃業手続きと売却を同時に進めたい
  • 通常の不動産仲介では買い手が見つかりにくい物件

市場価格より若干低くなる可能性はありますが、スピードと確実性を重視する場合には最適な選択肢です。

「旅館業法への切り替えは難しい」「早期に資金回収したい」という方は、民泊物件の専門買取サービス「StayExit」がおすすめです。運営中の物件でも買取可能で、最短3営業日での成約実績があります。まずは無料査定からご相談ください。

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まとめ|北区の民泊は上乗せ条例なしだが180日制限に注意

北区の民泊規制のポイントをまとめます:

北区の民泊規制の特徴

  • 上乗せ条例なし=年間180日の範囲で自由に営業日を選べる
  • 平日・週末を問わず営業日を設定可能(他区よりも柔軟)
  • ただし、住宅宿泊事業法の年間180日ルールは適用される
  • 家主不在型は消防設備と管理委託費が必須でコスト高
  • 廃業率34.0%(145/426件)と高く、収益性の確保が課題

収益性の現実

  • 稼働率55%の場合、年間約30万円の赤字リスク
  • 稼働率70%以上を維持できれば黒字化の可能性あり
  • 管理委託費、清掃費などの固定費が収益を圧迫

収益が見込めない場合の選択肢

  1. 旅館業法への切り替え: 365日営業可能だが初期投資が高額
  2. 賃貸転用: 安定収入だが賃貸需要次第
  3. 専門買取(StayExit): 早期資金回収を優先する場合に有効

次のアクションを提示

これから北区で民泊を始める方へ

  • 収益シミュレーションを必ず行い、稼働率70%以上を維持できる見込みがあるか検討
  • 家主居住型と家主不在型のコスト差を理解し、自分に合った形態を選択
  • 出口戦略(旅館業法・賃貸転用・売却)を事前に検討しておく

既に運営中で赤字に悩んでいる方へ

  • 稼働率向上の施策を実行しても改善が見込めない場合は、早めの方向転換が損失を最小化
  • 旅館業法への切り替え、賃貸転用、専門買取の3つの選択肢を比較検討
  • 特に早期資金回収を優先する場合は、専門買取サービスが有効

北区での民泊運営に不安がある方、収益化が難しいと感じている方は、民泊物件の専門買取サービス「StayExit」にご相談ください。現況渡しOK、最短3営業日での成約実績があり、スムーズな撤退・資金回収をサポートします。

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東京都北区公式サイト観光庁 民泊制度ポータルサイトで最新情報を必ず確認してください。


免責事項:
本記事の情報は2025年12月時点のものです。最新の規制内容や届出要件については、東京都北区公式ホームページおよび観光庁 民泊制度ポータルサイトをご確認ください。本記事で紹介した収益シミュレーションや運営方法は一般的な例であり、実際の収益を保証するものではありません。民泊事業にはリスクが伴いますので、十分な検討の上で自己責任において判断してください。本記事の内容に基づいて行った行為により生じたいかなる損害についても、当方は一切の責任を負いかねます。

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