葛飾区で民泊を検討している方、または既に運営している方にとって、2025年は大きな転換点となります。これまで「上乗せ条例なし」として参入しやすいエリアとされてきた葛飾区ですが、東京新聞や日経新聞の報道によると、2025年内にも条例改正が行われ、商業地域以外では週末のみの営業に制限される見込みです。本記事では、条例改正の詳細、週末のみ営業での収益シミュレーション、そして営業継続が困難な場合の撤退・売却の選択肢まで、最新情報を基に詳しく解説します。
葛飾区の民泊は実現可能?2025年条例改正で週末のみ営業へ
2025年までの葛飾区民泊の状況(上乗せ条例なし)
2025年までの葛飾区は、東京23区の中でも民泊運営がしやすいエリアとして知られていました。多くの区が住居専用地域での営業日制限を設ける「上乗せ条例」を制定する中、葛飾区には独自の制限がなく、民泊新法の基本ルール(年間180日以内)のみで営業が可能でした。地域制限や曜日制限がないこの環境が、新規参入者を集める大きな要因となっていました。参考: plays-inc.jp
2025年条例改正の内容と背景
しかし状況は大きく変わろうとしています。東京新聞(2025年10月28日)および日経新聞(2025年9月23日)の報道によると、葛飾区は年内にも新たな条例を制定する方向で協議を進めています。
主な改正内容は以下の通りです:
- 対象エリア: 商業地域を除く全域
- 営業可能日: 土曜日正午から月曜日正午まで
- 管理者常駐の場合: 制限なし(ただし家主不在型が大半)
- 既存施設の扱い: 対象外とするかは検討中
条例制定の背景には、民泊施設の増加に伴うトラブルの増加があります。騒音問題やゴミ出しのルール違反など、近隣住民からの苦情が相次いでおり、23区の大半が規制強化に動いている状況です。これまで条例を定めていなかった墨田区、葛飾区、北区が今年に入り条例制定に向けた協議を詰めています。
葛飾区の民泊廃業率データ
条例改正前の現時点でも、葛飾区の民泊事業の厳しさは数字に表れています。観光庁の住宅宿泊事業法に基づく届出データ(PDF)によると、葛飾区では届出件数285件に対して廃業件数が125件に達しており、廃業率は約43.9%という高い水準です。
条例改正前でもこの廃業率ということは、条例改正後に営業日が週末のみに制限されれば、さらに多くの事業者が撤退を余儀なくされる可能性が高いと言えます。
葛飾区の民泊規制とは?2025年条例改正の詳細内容
住宅宿泊事業法(民泊新法)の基本ルール
まず、全国共通の民泊新法の基本ルールを確認しておきましょう。住宅宿泊事業法に基づく民泊は以下のルールで運営されます:
- 年間営業日数: 180日以内
- 届出制: 許可制ではなく届出制
- 家主不在型の場合: 住宅宿泊管理業者への委託が義務
葛飾区は特区民泊の対象外であるため、民泊を行う場合は住宅宿泊事業法または旅館業法のいずれかでの届出・許可が必要です。観光庁 民泊制度ポータルサイト
葛飾区の条例改正後の営業日制限
2025年の条例改正後は、以下の制限が適用される見込みです:
対象エリア: 商業地域を除く全域(住居専用地域、準住居地域など)が対象となります。葛飾区の大部分がこれに該当するため、ほとんどのエリアで制限を受けることになります。
営業可能日: 土曜日正午から月曜日正午までのみ営業が可能となります。祝日の扱いについては条例案の詳細が公表され次第、確認が必要です。
年間営業日数の試算: 週末のみの営業となると、年間の営業可能日数は約104〜108日程度まで減少します。これは従来の180日から約40%の減少を意味します。
例外規定: 家主居住型や管理者が施設内などに常駐する場合は制限を受けませんが、実際には家主不在型で運営している事業者が大半を占めているのが現状です。
葛飾区の用途地域の割合
葛飾区は住宅地が多く、商業地域は駅周辺などに限られています。区全体の面積から見ると、商業地域以外が大半を占めるため、条例改正後は葛飾区内のほとんどのエリアで週末のみの営業となることが予想されます。具体的な用途地域の分布については、葛飾区の都市計画図で確認できます。
葛飾区の民泊は赤字になる?週末のみ営業での収益シミュレーション
葛飾区の民泊需要データ(稼働率・平均単価)
まず、葛飾区の民泊市場の現状を確認しましょう。
plays-inc.jpのデータによると、葛飾区の平均宿泊単価は9,100円です。一方、minpakuchintai.jpのデータでは平均稼働率72%、平均宿泊単価25,500円という数値も報告されています。
データソースによって差がありますが、保守的に見て平均宿泊単価9,100円を採用します。高く見積もっても25,500円程度と考えられます。重要な点は、葛飾区は東京23区内でも低単価エリアに分類されるということです。
1LDK物件での週末のみ営業の収益シミュレーション
それでは、条例改正後の週末のみ営業で実際にどの程度の収益が見込めるのか、具体的に試算してみましょう。
前提条件:
- 物件: 葛飾区1LDK
- 家賃: 10.3万円/月(プラザホームズのデータより)
- 平均宿泊単価: 9,100円/泊
- 稼働率: 72%(ただし週末のみ営業のため実質稼働率は変動の可能性あり)
- 営業可能日数: 年間108日(週末のみ)
収益計算:
年間売上: 9,100円 × 108日 × 72% = 約71万円
固定費(年間):
- 家賃: 10.3万円 × 12ヶ月 = 123.6万円
- 管理委託費: 売上の20% = 約14.2万円
- 光熱費: 1万円/月 × 12 = 12万円
- Wi-Fi: 5,000円/月 × 12 = 6万円
- その他(消耗品など): 10万円
- 固定費合計: 約165.8万円
変動費(年間):
- 清掃費: 5,000円 × 78回(稼働回数) = 39万円
年間収支: 71万円 – (165.8万円 + 39万円) = 約▲133.8万円(赤字)
試算の注釈:
- 仮に稼働率を100%に上げたとしても、年間売上は約98万円にしかならず、固定費165.8万円をカバーすることはできません
- 平均単価を高値の25,500円で計算し、稼働率72%とした場合、年間売上は約198万円となりますが、固定費・変動費を差し引くと利益はわずかです
収益悪化の3つの要因
葛飾区の民泊が赤字になりやすい要因は以下の3点に集約されます:
- 営業日数の激減: 従来の180日から108日へと約40%減少。売上の基盤が大きく損なわれます。
- 低単価エリア: 東京23区内でも葛飾区は宿泊単価が低く、港区や新宿区などの高単価エリアと比較して売上を伸ばしにくい環境です。
- 高い固定費: 家賃、管理委託費、光熱費などの固定費が収益を圧迫します。特に週末のみの営業では、固定費を賄うだけの売上確保が極めて困難です。
葛飾区での民泊届出手続きの流れと必要書類
届出前の事前準備
葛飾区で民泊を始める場合(ただし条例改正後は推奨しません)、以下の事前準備が必要です:
- 葛飾区保健所への事前相談: 届出の内容や必要書類について確認します
- 周辺住民への事前周知: 葛飾区のガイドラインでは、敷地から10m以内の住民への周知が求められています
- 分譲マンションの場合: 管理規約で民泊が禁止されていないか確認が必要です
- 消防法令の適合確認: 消防署への相談を行い、必要な設備を整えます
届出の7つのステップ
民泊の届出手続きは以下の流れで進みます:
- 事前相談(葛飾区保健所): 物件の状況や届出内容について相談
- 周辺住民への説明: 事業内容を周知し、記録を作成
- 消防署への相談: 消防法令の適合状況を確認
- 必要書類の準備: 後述する書類を揃えます
- 民泊制度運営システムまたは窓口での届出: オンラインまたは窓口で届出
- 届出書の受理(標識番号の交付): 審査を経て標識番号が交付されます
- 標識の掲示と営業開始: 標識を掲示して営業開始
観光庁 民泊制度ポータルサイトでは、詳細な手続きガイドが提供されています。
必要書類一覧
主な必要書類は以下の通りです:
- 届出書(法施行規則第1号様式)
- 住宅の図面(台所、浴室、便所、洗面設備の位置を明示)
- 登記事項証明書(3ヶ月以内に発行されたもの)
- 賃貸物件の場合は転貸承諾書
- 分譲マンションの場合は管理規約の写し
- 家主不在型の場合は住宅宿泊管理業者との契約書の写し
詳細は葛飾区のガイドライン(PDF)を参照してください。
葛飾区の民泊が厳しい場合の3つの選択肢|撤退・売却・転換
選択肢①完全撤退(事業廃止届の提出)
最もシンプルな選択肢は、事業を完全に廃止することです。
事業廃止届を観光庁の民泊制度運営システムまたは葛飾区保健所に提出すれば手続きは完了します。廃業後の物件は、自己使用したり、通常の賃貸物件として活用したりすることができます。
メリット:
- 手続きが簡単で迅速
- 追加コストがほとんどかからない
デメリット:
- 物件が残る(所有物件の場合)
- 家賃負担が続く(賃貸物件の場合)
- 初期投資の回収ができない
選択肢②物件売却(一般仲介 vs 専門買取業者)
一般仲介での売却:
通常の不動産仲介会社を通じて売却する方法です。
- メリット: 市場価格での高値売却の可能性がある
- デメリット: 売却まで3〜6ヶ月かかることが多い、原状回復費用(10〜50万円)が必要、仲介手数料(物件価格の3%+6万円+消費税)がかかる
専門買取業者での売却:
民泊・旅館業物件を専門に扱う買取業者を利用する方法です。
- メリット: 最短3営業日で成約可能、現況渡しOK(原状回復不要)、仲介手数料なし
- デメリット: 一般仲介より買取価格が10〜20%程度低くなる可能性がある
StayExitについて:
StayExitは民泊・旅館業専門の買取・借上げ・仲介サービスです。葛飾区のような条例改正で営業継続が困難になった物件にも対応しており、以下の強みがあります:
- 最短3営業日での成約: 迅速な査定と買取プロセス
- 現況渡しOK: 原状回復費用が不要
- 柔軟な対応: 1Rから5棟一括まで幅広く対応
選択肢③賃貸物件への転換
民泊設備を撤去し、通常の賃貸物件として募集する方法です。
原状回復費用は物件の状態によりますが、10〜30万円程度が目安となります。民泊用の家具家電を撤去し、通常の賃貸に適した状態に戻します。
メリット:
- 安定した家賃収入が得られる
- 管理の手間が民泊より少ない
- 長期的な計画が立てやすい
デメリット:
- 利回りが民泊より低くなる
- 原状回復費用がかかる
- 入居者が決まるまで空室期間が発生する可能性
賃貸転換が向いているケース:
- 立地が良く賃貸需要が見込める
- 築年数が浅く設備が新しい
- 長期的な不動産投資として保有したい
3つの選択肢の比較表
| 選択肢 | 手続き期間 | 初期コスト | 収入 | 手間 |
| 完全撤退 | 即時 | ほぼなし | なし | 少 |
| 一般仲介売却 | 3〜6ヶ月 | 原状回復費+仲介手数料 | 売却代金 | 中 |
| 専門買取売却 | 最短3営業日 | なし | 買取代金 | 少 |
| 賃貸転換 | 1〜2ヶ月 | 原状回復費 | 家賃収入 | 中 |
民泊物件の売却・撤退をお考えの方へ
葛飾区の条例改正で営業継続が困難になった民泊物件の買取・借上げに対応しています。最短3営業日での成約、現況渡しOKで原状回復費用も不要。1Rから5棟一括まで柔軟に対応いたします。
まとめ|葛飾区の民泊は2025年条例改正で激変。撤退・売却も視野に
本記事の重要ポイントをまとめます:
- 葛飾区は2025年に条例改正で規制強化: 商業地域以外では土曜正午から月曜正午までの週末のみの営業に制限される見込みです。年内にも条例が制定される可能性が高く、早期の情報収集と判断が必要です。
- 週末のみ営業では年間約110〜134万円の赤字: 葛飾区1LDK物件での試算では、営業日数の激減(180日→108日)と低単価環境により、大幅な赤字が見込まれます。稼働率を上げても固定費をカバーできない構造的な問題があります。
- 廃業率も約44%と高水準: 条例改正前の現時点でも、葛飾区の民泊廃業率は43.9%に達しています。条例改正後はさらに多くの事業者が撤退を余儀なくされる可能性が高いでしょう。
- 3つの出口戦略: 営業継続が困難な場合、①完全撤退、②物件売却(一般仲介または専門買取)、③賃貸転換という選択肢があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自身の状況に合った選択をすることが重要です。
新規参入を検討している方へ: 葛飾区での民泊は条例改正後、収益性が大幅に低下する見込みです。現時点での新規参入は推奨できません。他の投資先や、条例制限のないエリアでの検討をお勧めします。
既存事業者の方へ: 条例改正が施行される前に、早期の判断が必要です。週末のみ営業で黒字化できるか収益シミュレーションを行い、厳しい場合は撤退・売却も現実的な選択肢として視野に入れるべきでしょう。特に賃貸物件で運営している場合、家賃負担が続くため早期の決断が重要です。
葛飾区の民泊物件の撤退・売却をサポート
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免責事項
本記事の情報は2025年12月時点のものです。法律・条例は改正される可能性があり、最新情報は葛飾区公式サイトおよび観光庁の民泊制度ポータルサイトでご確認ください。本記事の内容は情報提供を目的としており、法的助言や投資判断を行うものではありません。民泊事業の開始や撤退に関する判断は、必ず専門家にご相談のうえ、ご自身の責任において行ってください。
