民泊管理会社との契約解約を検討しているものの、違約金やトラブルが心配で踏み切れない方は少なくありません。この記事では、民泊管理会社を解約する際の具体的な手順と注意点、そして解約後の選択肢までを網羅的に解説します。
民泊管理会社の解約を検討すべき5つのサイン
現在の管理会社との契約を見直すべきタイミングを見極めることは、民泊事業の成否を左右します。以下のような状況に当てはまる場合、解約を真剣に検討すべきでしょう。
収益が想定の半分以下で改善の兆しがない
①収益不振が続いている
当初の収益計画を大きく下回り、3ヶ月以上改善の兆しが見られない場合は要注意です。一般的に民泊管理委託費用は売上の20〜35%が相場ですが、それを大きく上回る委託費を支払っているにもかかわらず収益が上がらないケースも散見されます。
②管理会社の対応が遅く、レスポンスが悪い
ゲストからの問い合わせやトラブル対応が遅れ、結果としてレビュー評価が低下している場合、早急な対策が必要です。
管理会社の対応が遅く、ゲストクレームが増加している
③料金体系が不透明で追加費用が多い
契約時に説明されなかった追加費用が頻繁に請求される、料金の内訳が不明瞭といった状況は、信頼関係の欠如を示しています。
④レビュー評価が継続的に低下している
管理会社の対応品質が原因で、Airbnbや楽天トラベルなどOTA(オンライン旅行代理店)でのレビュー評価が下がり続けている場合、収益への悪影響は避けられません。
⑤連絡が取りづらく、報告が遅い
月次報告が遅れる、電話やメールの返信に数日かかるなど、コミュニケーションに問題がある場合も、解約を検討すべきサインです。
これらの兆候が複数当てはまる場合、管理会社の変更や事業方針の見直しを本格的に検討する時期と言えるでしょう。民泊事業からの撤退も含めた選択肢については、後ほど詳しく解説します。
民泊管理会社を解約する前に必ず確認すべき3つのポイント
解約を決断する前に、契約書の内容を徹底的に確認することが、トラブルを回避する最大のポイントです。ここでは特に重要な3つの確認事項を解説します。
契約書の解約予告期間と違約金条項
解約予告期間の確認
多くの管理委託契約では、解約予告期間が1〜3ヶ月と定められています。この期間を守らないと、違約金が発生したり、余分な委託費を支払う必要が生じます。契約書の「解約」「契約期間」「更新」に関する条項を必ず確認しましょう。
違約金条項の精査
特に注意すべきは、契約期間中の解約に関する違約金条項です。「2年以内の解約で違約金100万円」「残契約期間分の委託費全額」といった条項が設定されているケースも少なくありません。
国土交通省の民泊制度ポータルサイトでは、「管理受託契約上、契約期間途中の解約が制限されるにもかかわらず、委託者の求めでいつでも解約できると誤認させるようなもの」を不適切な広告表示として指導しています。
違約金の損益分岐点シミュレーション
違約金を支払ってでも解約すべきかどうかは、損益分岐点で判断できます。
例:
- 違約金50万円
- 新しい管理会社への変更で月2万円の収益改善が見込める場合
- 50万円÷2万円=25ヶ月(約2年)で回収可能
2年以上民泊事業を継続する予定なら、違約金を支払っても解約する方が長期的には得策となります。
OTA(Airbnb等)アカウントの所有権
最も見落とされがちな重大問題
OTAアカウント(Airbnb、楽天トラベル、Booking.comなど)の名義が管理会社になっている場合、解約後にアカウントを引き継げない可能性があります。これまで蓄積したレビュー評価やゲストとのメッセージ履歴、スーパーホストステータスなどがすべて失われるリスクがあります。
確認方法
- OTAアカウントのログイン情報を自分が持っているか
- アカウント名義が自分(物件オーナー)になっているか
- 管理会社名義の場合、引継ぎ手順が契約書に明記されているか
アカウントが管理会社名義の場合、解約前の交渉で引継ぎ条件を明確にしておく必要があります。最悪の場合、新規アカウントを作成してゼロからスタートすることも覚悟しなければなりません。
その他の確認事項
- 鍵やキーボックスの管理状況
- 備品・家具の所有権(管理会社が用意したものか、オーナー所有か)
- 予約管理システムのデータ引継ぎ
解約をスムーズに進めるためには、これらの確認を解約通知の前に完了させておくことが重要です。
解約後の3つの選択肢|あなたに最適なのはどれ?
民泊管理会社を解約した後、どのような運営形態を選ぶかは、あなたの状況や目標によって異なります。ここでは3つの主要な選択肢を比較します。
新しい管理会社への乗り換え
メリット:
- 専門ノウハウとネットワークを活用できる
- 清掃、ゲスト対応、トラブル処理などを任せられる
- 複数物件の一括管理が可能
デメリット:
- 再び委託費(売上の20〜35%)が発生
- 新しい会社でも同じ問題が起きるリスク
こんな人におすすめ:
- 本業が忙しく、民泊運営に時間を割けない方
- 複数物件を運営しており、スケールメリットを活かしたい方
- 専門的なマーケティングやOTA最適化を求める方
新しい管理会社への乗り換え
| 項目 | 詳細 |
| 初期費用 | 0〜10万円(物件登録、撮影等) |
| 月額コスト | 売上の20〜35% |
| 時間的負担 | 低(月1回の報告確認程度) |
| 収益性 | 中(委託費分が差し引かれる) |
自主運営への切り替えと事業撤退(買取)
自主運営のメリット:
- 委託費がなくなり、利益率が大幅向上(20〜35%分)
- 運営方針を完全にコントロールできる
自主運営のデメリット:
- 清掃、ゲスト対応、トラブル処理などすべて自分で行う必要
- OTA最適化や価格戦略などの専門知識が必要
- 緊急時(深夜のトラブルなど)の対応が求められる
こんな人におすすめ:
- 時間的余裕があり、民泊運営を学びたい方
- 1〜2物件の小規模運営で、利益率を最大化したい方
自主運営への切り替え
| 項目 | 詳細 |
| 初期費用 | 0円(既存設備活用) |
| 月額コスト | 清掃費のみ(1回3,000〜8,000円) |
| 時間的負担 | 高(毎日の対応が必要) |
| 収益性 | 高(委託費20〜35%分が利益に) |
事業撤退(買取・売却)
管理会社を変えても根本的な収益改善が見込めない場合、あるいは民泊運営自体の負担が大きすぎる場合、民泊事業からの撤退も現実的な選択肢です。
メリット:
- 時間と手間から解放される
- まとまった資金を回収できる
- 原状回復費用を抑えられる(現況渡し対応の買取業者の場合)
デメリット:
- 将来的な収益機会を失う
- 買取価格が市場価格より低くなる可能性
こんな人におすすめ:
- 収益改善の見込みがなく、赤字が続いている方
- 本業に専念したい、または他の投資先に資金を移したい方
- 賃貸物件で原状回復費用の負担を避けたい方
事業撤退(買取・売却)
| 項目 | 詳細 |
| 初期費用 | 0円 |
| 月額コスト | 0円 |
| 時間的負担 | 低(手続きのみ) |
| 収益性 | 一括現金化 |
管理会社を変えても根本的な収益改善が見込めない場合、民泊事業からの撤退も選択肢です。StayExitでは、民泊物件の買取・借上げ・仲介に対応し、最短3営業日での成約、現況渡しOKで手間なく撤退できます。
トラブルなく民泊管理会社を解約する5ステップ
具体的な解約手順を時系列で見ていきましょう。各ステップを丁寧に進めることで、トラブルを最小限に抑えられます。
ステップ1〜3(契約確認、解約通知、引継ぎ準備)
ステップ1:契約書と違約金条項を再確認
解約予告期間、違約金の有無と金額、OTAアカウント所有権、鍵や備品の返却ルールなど、契約書の細部まで確認します。不明点があれば、解約通知前に管理会社に質問しましょう。
三井住友トラスト不動産によると、民法第651条により、管理委託契約(委任契約)は原則として理由なく解約可能ですが、契約書に特約がある場合は注意が必要です。
ステップ2:書面で解約通知を送付
口頭ではなく、必ず書面(メールまたは郵送)で解約通知を行います。「いつ解約通知を送ったか」が後のトラブル時の証拠となるため、内容証明郵便の利用も検討してください。
記載すべき内容:
- 解約の意思表示
- 解約希望日(予告期間を考慮)
- 契約書番号・物件情報
- 引継ぎに関する協議の申し入れ
ステップ3:引継ぎ項目のリスト化と準備
次の管理会社または自主運営への移行をスムーズにするため、引継ぎ項目をリスト化します。
主な引継ぎ項目:
- OTAアカウントのログイン情報
- 予約カレンダーとゲスト情報
- 鍵・キーボックスの返却
- 備品リストの照合
- 清掃業者やメンテナンス業者の連絡先
ステップ4〜5(最終精算、新体制スタート)
ステップ4:最終月の売上精算と預り金返還
解約月の売上分配、清掃費などの精算を行います。管理会社が預かっている敷金や保証金がある場合、返還手続きも忘れずに確認しましょう。精算書は必ず書面で受け取り、不明点があれば質問してください。
ステップ5:新会社または自主運営の開始
引継ぎが完了したら、新しい管理会社との契約を開始するか、自主運営に切り替えます。この際、予約の空白期間(収益が発生しない期間)を作らないよう、タイミングを調整することが重要です。
トラブル回避の3つのポイント:
- 収益空白期間を作らない:新旧の管理体制の切り替えタイミングを綿密に調整
- すべて書面で記録:口頭での約束は後でトラブルの元。メールや書面で証拠を残す
- 冷静かつプロフェッショナルな対応:感情的にならず、ビジネスライクに手続きを進める
解約手続きは煩雑に感じるかもしれませんが、一つひとつ丁寧に進めれば、必ずスムーズに完了できます。
まとめ|民泊管理会社の解約は計画的に進めよう
民泊管理会社の解約は、適切な準備と手順を踏めば、トラブルなく進められます。最後に、この記事の重要ポイントを振り返りましょう。
解約手続きの3つの重要ポイント:
- 解約前に契約書・違約金・OTAアカウントを必ず確認
違約金条項や解約予告期間を見落とすと、予想外のコストが発生します。特にOTAアカウントの所有権は、これまでの評価を引き継げるかどうかに直結するため、最優先で確認してください。 - 解約後は「乗り換え」「自主運営」「撤退」の3択から選ぶ
あなたの状況に応じて最適な選択肢は異なります。時間的余裕があるなら自主運営で利益率向上、本業に集中したいなら新しい管理会社、収益改善が見込めないなら撤退も現実的な選択です。 - トラブル回避には書面記録と計画的な引継ぎが重要
すべてのやり取りを書面で記録し、引継ぎ項目をリスト化することで、後々のトラブルを防げます。収益空白期間を作らないよう、新旧の管理体制の切り替えタイミングも慎重に計画しましょう。
状況別の次のアクション:
- 新会社を探す方:複数の管理会社に見積もりを依頼し、サービス内容と料金を比較検討してください
- 自主運営を考える方:清掃業者の確保、OTA運用の学習など、準備期間を十分に取りましょう
- 撤退を考える方:買取査定を依頼し、物件処分の選択肢を具体的に検討してください
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免責事項:
本記事の情報は2025年12月時点のものです。契約内容・法律・市場状況は変動する可能性がありますので、実際の解約手続きは契約書の内容を必ずご確認のうえ、必要に応じて専門家(弁護士・行政書士)にご相談ください。
