鎌倉で民泊を運営している方の中には、「180日制限で採算が取れない」「観光シーズン以外は空室ばかり」「維持費が重く赤字が続いている」といった悩みを抱えている方が少なくありません。民泊新法の施行から数年が経ち、当初の期待とは裏腹に、規制と稼働率の低さから撤退を検討するオーナーが増えています。
一方で、鎌倉は観光地としてのブランド力が高く、2025年の地価は前年比+7.5%と上昇を続けています。つまり、「民泊としての営業は厳しいが、不動産としての価値は高い」という状況にあるのです。
この記事では、鎌倉で民泊を買取に出す際の判断基準を中心に、買取と仲介の比較、具体的な手順、査定のポイントまでを一気通貫で解説します。撤退を前向きな「次のステップ」として捉え、スムーズな売却を実現しましょう。
鎌倉の民泊はなぜ「買取」を検討するのか?規制と市場の実情
180日制限が採算性を圧迫
鎌倉市では、住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づき、民泊の営業日数は年間180日が上限とされています。さらに、鎌倉市独自のガイドラインにより、近隣住民への事前説明や苦情対応の体制整備が求められるなど、運営のハードルは決して低くありません。
鎌倉市の住宅宿泊事業制度については、鎌倉市公式サイトで最新情報をご確認ください。
実際の運営では、観光シーズン(ゴールデンウィーク、夏休み、紅葉シーズン)には高い稼働率を記録できるものの、春先や秋の閑散期には空室が続くことが多く、年間の実質稼働日数は100〜150日程度に留まるケースが一般的です。180日という上限があっても、実際にはそれを使い切れないのが現状なのです。
全国的に見ても、民泊の廃業率は約36%に達しているというデータがあります(出典:民泊統計2025年7月)。規制と採算性の両面から、撤退を選ぶオーナーが増えているのです。
一方で、地価は上昇を続けている
ここで注目すべきは、鎌倉の不動産価値は高まり続けているという事実です。
2025年の地価公示データによると、鎌倉市の平均坪単価は85.7万円で、前年比+7.5%の上昇を記録しました。特に鎌倉駅周辺では+17%という大幅な上昇を見せています。これは、鎌倉が持つ「歴史的な観光地」「首都圏からのアクセスの良さ」「住環境の良さ」といったブランド力が、不動産市場で高く評価されていることを示しています。
つまり、「民泊としての営業は赤字でも、不動産としての資産価値は上昇している」という状況にあるのです。この地価上昇は、買取や売却を検討する際の重要なプラス材料となります。
買取を検討する層が増加している背景
以上の状況を踏まえると、以下のような理由から買取を検討するオーナーが増えています。
- 赤字継続の負担:180日制限と低稼働率で採算が取れず、固定資産税や維持費が重荷に
- 規制対応の煩雑さ:近隣対応や届出更新の手間が想定以上にかかる
- 市場価値の温存:地価が上昇している今のうちに売却し、損失を最小限に
- 次の事業への転換:民泊から別の投資や生活資金へシフトしたい
民泊営業の継続が難しくても、鎌倉というエリア価値が売却を支える構造があります。だからこそ、「買取」という選択肢が現実的になるのです。
買取と仲介、どっち?鎌倉で判断する4つのポイント
民泊を手放す方法には、大きく分けて「買取」と「仲介」の2つがあります。どちらを選ぶべきかは、あなたの状況や優先順位によって異なります。ここでは、鎌倉の民泊オーナーが判断する際の4つのポイントを整理します。
前提:買取と仲介の違い
まず、それぞれの特徴を簡潔に整理しましょう。
仲介の特徴
- 不動産会社に依頼し、市場で買主を探す方法
- 売却価格:市場価格(100%)を目指せる
- 期間:3〜12ヶ月(内覧対応や価格交渉が必要)
- 手間:買主候補との調整、物件の準備(清掃・設備撤去)が必要
買取の特徴
- 不動産会社や買取業者に直接売却する方法
- 売却価格:市場価格の70〜85%程度
- 期間:最短3営業日〜3ヶ月で現金化
- 手間:現況渡しOKのケースが多く、内覧対応も不要
判断ポイント1:売却を急ぐか?
買取が有利なケース
- 赤字が続いており、一刻も早く損失を止めたい
- 固定資産税や管理費の支払いが重荷になっている
- 遠方に住んでおり、物件管理の負担から解放されたい
仲介が選択肢になるケース
- 観光シーズン(GW、夏、紅葉シーズン)まで待つ余裕がある
- 高値で売却できる可能性にかけたい
- 時間をかけても市場価格での売却を優先したい
鎌倉の別荘・セカンドハウス市場は、春から夏にかけて需要が高まります。この時期まで待てるなら、仲介も選択肢です。
判断ポイント2:現況渡しで手離れしたいか?
民泊物件には、二段ベッド、Wi-Fi機器、鍵ボックス、アメニティなど、通常の住宅にはない設備が揃っています。これらをどう処理するかが、判断のポイントになります。
買取が有利なケース
- 民泊設備をそのまま残して売却したい(撤去費用を節約)
- 設備の処分や原状回復の手間を避けたい
- 買取業者が設備も含めて評価・買取してくれる
仲介が選択肢になるケース
- 設備を撤去し、一般住宅として売却できる
- 原状回復の費用と手間を負担できる
現況渡しで手離れの良さを重視するなら、買取が圧倒的に有利です。
判断ポイント3:価格重視か、手間重視か?
買取が向いている人
- 市場価格の70〜85%でも、即金性と手離れの良さを優先
- 内覧対応や価格交渉の手間を避けたい
- 仕事や生活が忙しく、売却活動に時間を割けない
仲介が向いている人
- 市場価格100%を目指し、時間と手間をかけても高く売りたい
- 内覧対応や買主との交渉に対応できる
- 鎌倉駅近くなど、好立地で買主が見つかりやすい
価格差は大きいですが、「手間とストレスの対価」として考える視点も重要です。
判断ポイント4:廃業届・税務処理のサポートが必要か?
民泊を売却する際には、住宅宿泊事業の廃止届を鎌倉市に提出する必要があります。また、譲渡所得の税務処理も発生します。
買取が有利なケース
- 買取業者の中には、廃業届の代行や税理士紹介までサポートするケースがある
- 手続きに不安がある、専門家のサポートを受けたい
仲介の場合
- 売却後の廃業届や税務処理は、基本的に自己対応
- 必要に応じて自分で専門家を探す必要がある
手続き面でのサポートを重視するなら、買取業者の対応範囲を確認しましょう。
判断フローのまとめ
以下のフローで、自分に合った方法を判断してみてください。
- ✅ 急いで手放したい → ✅ 現況渡しで手離れしたい → 買取
- ✅ 時間をかけて高く売りたい → ✅ 設備撤去・原状回復できる → 仲介
- ✅ 手間とストレスを最小限に → ✅ 廃業届などのサポートが欲しい → 買取
買取業者の選び方については、民泊買取業者の選び方と比較ポイントで詳しく解説しています。
民泊の買取相場について詳しく知りたい方は、民泊買取の相場と査定の仕組みをご覧ください。
鎌倉で民泊を買取に出す手順(3ステップ)
ここからは、実際に鎌倉で民泊を買取に出す際の具体的な手順を3ステップで解説します。
ステップ1:査定依頼(複数社に依頼)
まずは、鎌倉の民泊や観光不動産に強い買取業者を2〜3社ピックアップし、査定を依頼します。
査定依頼時に伝える情報
- 物件住所(最寄り駅からの距離も重要)
- 延床面積、土地面積、築年数
- 民泊届出番号(住宅宿泊事業の届出済みであることを証明)
- 設備リスト(ベッド数、Wi-Fi、家電、アメニティなど)
- 直近の稼働率・売上実績(可能であれば)
オンライン査定と現地査定の違い
- オンライン査定:写真と書類を提出し、概算査定額を取得(1〜3営業日)
- 現地査定:業者が実際に物件を訪問し、詳細な査定額を提示(3〜7営業日)
注意点:「買取保証」と「即時買取」の違い
- 買取保証:一定期間(3〜6ヶ月)仲介で売却活動を行い、売れなければ買取する方式
- 即時買取:査定後すぐに買取価格を提示し、短期間で成約する方式
急いで現金化したい場合は、「即時買取」に対応している業者を選びましょう。
ステップ2:条件交渉〜契約
査定額の提示を受けたら(通常3〜7営業日程度)、条件を比較し、最も納得できる業者と契約に進みます。
条件比較のポイント
- 買取価格(最も重要)
- 引渡し時期(いつまでに現金化できるか)
- 設備の取り扱い(現況渡しOKか、一部撤去が必要か)
- 廃業届代行の有無(サポートがあると安心)
契約書の確認項目
- 瑕疵担保免責(現況渡しの場合、売主の瑕疵担保責任が免責されるか)
- 手付金・残金の支払時期(手付金10%、残金90%が一般的)
- 引渡し条件(鍵、民泊管理アカウント、設備リストの引継ぎ)
重要事項説明
宅建業法に基づき、買取業者(宅建業者)から重要事項説明を受けます。契約内容や物件の状況について、不明点は必ず質問しましょう。
ステップ3:決済・引渡し〜廃業届提出
契約締結後、決済日に残金を受領し、所有権移転登記を行います。
決済・引渡しの流れ
- 決済日に買取代金(残金)が振り込まれる
- 所有権移転登記(司法書士が代行)
- 物件の引渡し(鍵、民泊管理アカウント、設備リストの引継ぎ)
廃業届の提出(重要)
民泊を売却した後は、住宅宿泊事業の廃止届を鎌倉市に提出する必要があります。
- 提出期限:事業廃止から10日以内
- 提出先:鎌倉市(住宅宿泊事業担当窓口)
- 必要書類:廃止届出書、届出番号通知書の写しなど
廃止届を提出しないと、事業継続とみなされ、不要な行政指導を受ける可能性があります。必ず期限内に提出しましょう。
廃業届の詳しい手順については、住宅宿泊事業の廃止届を出す手順と注意点で解説しています。
スケジュール目安
査定依頼から決済まで、買取の場合は1〜3ヶ月が一般的です。急ぎの場合は、最短3営業日での成約実績もあります。
鎌倉の民泊市場や規制の詳細は、鎌倉で民泊を始める前に知っておくべきことをご参照ください。
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まとめ|鎌倉で民泊を買取に出すなら、判断基準を整理してスムーズな撤退を
鎌倉で民泊を買取に出す際のポイントを、改めて整理します。
要点の再確認
- 鎌倉は180日制限で採算が厳しいが、地価上昇(+7.5%)がエリア価値を支える
民泊営業は赤字でも、不動産としての資産価値は上昇しています。地価上昇は買取価格を下支えする重要な要素です。 - 買取 vs 仲介の判断軸は4つ
「急ぐか」「現況渡しか」「価格 vs 手間」「廃業届サポート」の4つのポイントで判断しましょう。急いで手離れしたいなら買取、時間をかけて高値を狙うなら仲介が選択肢です。 - 買取手順は3ステップ:査定依頼→条件交渉→決済・廃業届
複数社に査定を依頼し、条件を比較することが重要です。廃業届は事業廃止から10日以内に提出する必要があるため、忘れずに手続きしましょう。 - 複数社に査定依頼し、条件を比較することが成功の鍵
1社だけでは相場感が掴めません。鎌倉の民泊・観光不動産に強い業者を選び、査定額だけでなく、引渡し条件やサポート内容も比較しましょう。
民泊撤退全般については、民泊を撤退する前に知っておくべきことで詳しく解説しています。
次のステップへ
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民泊を撤退することは、次の事業や生活への新たなスタートです。鎌倉というブランドと地価上昇を味方に、スムーズな撤退を実現しましょう。
免責事項
本記事に記載の情報は、2026年1月時点の公開情報および一般的な不動産取引慣行に基づいています。法令・条例の改正、地価・市場動向の変動により、内容が変更される場合があります。民泊の売却・買取をご検討の際は、必ず最新の情報を自治体(鎌倉市)や専門業者にご確認ください。本記事の情報に基づく判断・行動について、当サイトは一切の責任を負いかねます。
