民泊でのカビ問題の原因と対策|修繕費用・撤退判断まで徹底解説

民泊を運営していると、「清掃しているのにカビが生える」「ゲストから『カビ臭い』とクレームを受けた」という悩みを抱えるオーナーは少なくありません。実は、民泊のカビ問題は、運営方法そのものに構造的な原因があるのです。


民泊 カビが発生する3つの根本原因

民泊とホテルの最大の違いは、宿泊者がいない期間の長さです。ホテルは365日稼働し、毎日清掃スタッフが出入りして換気を行いますが、民泊では予約が入らない日が数日から数週間続くことも珍しくありません。

民泊特有の構造的問題:不在期間と換気不足

この間、窓を閉め切った状態が続くと、室内の湿気がこもり、カビの繁殖に最適な環境が整ってしまいます。特に以下の時期はリスクが増大します。

  • 梅雨時期(6~7月): 湿度が70~80%に達し、カビが最も繁殖しやすい
  • 秋雨時期(9~10月): 台風や長雨で湿度が上昇、夏の湿気が残る時期
  • 冬季(11~2月): 結露が発生しやすく、窓際や浴室でカビが増殖

民泊新法では年間営業日数が180日に制限されているため、年間の半分は無人状態という物件も多く、この不在期間がカビ発生の最大の要因となっています。

清掃頻度の低さとカビの繁殖サイクル

多くの民泊では、ゲスト入れ替え時にのみ清掃を行い、宿泊者がいない期間は清掃を行いません。しかし、カビの繁殖サイクルは想像以上に早く、以下のような進行をたどります。

  • 24~48時間: カビの胞子が湿気のある場所に付着し、繁殖を開始
  • 3~5日: 目に見えない段階だが、カビ菌糸が成長
  • 1週間: 黒い点や白いフワフワしたカビが目視で確認できる状態に

観光庁の「民泊制度ポータルサイト 事業者の業務」では、「届出住宅の設備や備品等については清潔に保ち、ダニやカビ等が発生しないよう除湿を心がけ、定期的に清掃、換気等を行う必要があります」と明記されています。

観光庁 民泊制度ポータルサイト 事業者の業務

ゲスト入れ替え時のみの清掃では、この法的義務を満たすことができず、カビが繁殖する時間を与えてしまうのです。

温泉地・沿岸部・古民家の特殊事情

物件の立地や建物の種類によって、カビリスクはさらに高まります。

温泉地(熱海、箱根、別府等): 温泉に含まれる硫黄、カルシウム、ケイ素などの成分は、浴室の壁や床に固着し、通常の洗剤では落とせない頑固な汚れとなります。この汚れがカビの温床となり、温泉地の民泊では浴室カビが特に深刻な問題となっています。

沿岸部(沖縄、湘南、熱海等): 海に近い物件は、年間を通じて湿度が高く(平均70~80%)、潮風に含まれる塩分が金属部分(窓枠、蛇口、ドアノブ)を腐食させます。また、塩害により窓ガラスにも白い汚れが付着し、カビと複合的な問題を引き起こします。

古民家: 築30年以上の木造物件は、気密性が低く外気の影響を受けやすいだけでなく、木材自体が経年劣化により湿気を吸収しやすくなっています。床下や壁内部にまでカビが侵食すると、表面的な清掃では対処できません。

国立保健医療科学院の「民泊環境衛生ノート2021」でも、「室内環境では、ダニ、ゴキブリ、カビなどがアレルゲンとなります」と注意喚起されており、カビは単なる美観の問題ではなく、ゲストの健康に直結する衛生問題であることを認識する必要があります。

国立保健医療科学院 民泊環境衛生ノート2021


民泊 カビが発生しやすい5つの場所と対策

カビは「どこにでも生える」わけではなく、特定の条件が揃った場所に集中します。ここでは、民泊で特にカビが発生しやすい場所と、その対策を具体的に解説します。

浴室・洗面所:最もカビが発生しやすいエリア

浴室は、湿度・温度・栄養源(石鹸カス、皮脂汚れ)というカビ繁殖の3要素がすべて揃う場所です。以下の箇所は特に注意が必要です。

発生場所主な原因対策
タイルの目地湿気、石鹸カス週1回の防カビスプレー、月1回の目地掃除
排水口髪の毛、汚れの蓄積毎回清掃、パイプクリーナー月1回
天井結露、換気不足換気扇24時間稼働、結露の拭き取り
シャワーカーテン水滴の付着使用後は広げて乾燥、月1回洗濯
ドアパッキン水分の滞留使用後の水分拭き取り

特に温泉地の民泊では、温泉成分がカビの栄養源となるため、通常の浴室用洗剤では不十分です。酸性の特殊洗剤を使用し、温泉成分を化学的に分解・除去する必要があります。

寝室・リビング:見落としがちな危険エリア

カビは浴室だけに発生するわけではありません。寝室やリビングにも、見落としがちなカビの温床が潜んでいます。

マットレスの裏: 人は睡眠中にコップ1杯分(約200ml)の汗をかきます。この水分がマットレスに吸収され、裏側に湿気がこもるとカビが繁殖します。対策として、マットレスの上下・表裏を月1回変更し、風通しの良い場所で陰干しすることが重要です。

エアコン内部: フィルター掃除だけでは、エアコン内部のカビは除去できません。エアコンから「カビ臭い風」が出てくる場合、内部にカビが繁殖している証拠です。年1回の専門業者による内部洗浄(費用:1台あたり8,000円~15,000円)が必要です。

押し入れ・クローゼット: 空気が滞留しやすい収納スペースは、湿気がこもりやすい場所です。除湿剤を設置し、定期的にドアを開けて換気を行いましょう。特に、布団や衣類を収納する場合は、完全に乾燥させてからしまうことが重要です。

キッチン・水回り:カビと雑菌のダブルリスク

キッチンは、水と食品という2つのカビ繁殖要因が存在する場所です。

シンク下収納: 水道管からの水漏れや結露により、シンク下は湿気がこもりやすい場所です。収納している調味料や食器にカビが生えることもあります。月1回の点検と、収納物の整理が必要です。

冷蔵庫のゴムパッキン: 冷蔵庫のドアのゴムパッキンは、見落としがちですがカビ繁殖の温床です。黒いカビが生えやすく、ゲストが最も不快に感じる場所の一つです。週1回、アルコール除菌スプレーで拭き取りましょう。

洗濯機: 特にドラム式洗濯機は、ドラム内部やゴムパッキンにカビが発生しやすい構造です。月1回の槽洗浄(専用洗剤を使用)と、使用後はドアを開けて乾燥させることが重要です。

厚生労働省の「旅館業における衛生等管理要領」では、「清潔に保たれ、ダニ、カビ等が発生しないよう除湿を心がける」ことが求められており、これらの対策は法的義務でもあります。

厚生労働省 旅館業における衛生等管理要領


民泊 カビ修繕・除去にかかる費用の目安

カビを発見した場合、「自分で除去できるのか」「業者に依頼すべきか」「費用はどれくらいかかるのか」という判断が必要です。ここでは、カビの進行度別に修繕費用の実例を紹介します。

カビの進行度別:修繕費用の実例

カビの修繕費用は、進行度によって大きく異なります。

カビの進行度状態修繕内容費用目安
軽度浴室の目地、一部の壁紙防カビスプレー、部分張替え5万円~15万円
中度壁一面、床下の一部壁紙全面張替え、床下除湿30万円~80万円
重度床下全体、構造材に侵食床下全面張替え、構造材補修100万円~300万円以上

軽度のカビであれば、市販の防カビスプレーと部分的な壁紙張替えで対処可能です。ただし、DIYで対応する場合、表面的な除去だけでは根本的な解決にならず、再発のリスクが高まります。

中度になると、壁紙全面の張替えや床下の除湿工事が必要になります。この段階では、専門業者への依頼が必須です。特に、壁内部までカビが侵食している場合、壁を剥がして内部の清掃・除湿を行う必要があり、費用が高額になります。

重度のカビは、構造材(柱、梁、土台)にまで侵食している状態です。この場合、床下や壁内部の全面的な張替え、場合によっては構造材の補修や交換が必要となり、費用は100万円を超えることも珍しくありません。

温泉地・沿岸部の特殊修繕費用

立地条件によって、通常の修繕費用に加えて特殊な費用が発生します。

温泉地の民泊: 温泉成分(硫黄、カルシウム、ケイ素)が浴室の壁や床に固着している場合、通常の洗剤では除去できません。酸性の特殊洗剤を使用した浴室の特殊洗浄が必要で、追加費用として10万円~30万円が発生します。

沿岸部の民泊: 塩害により、窓枠、蛇口、ドアノブなどの金属部分が腐食します。これらの修繕と防錆処理には、追加費用として20万円~50万円が必要です。また、窓ガラスの塩害による白い汚れも、専用の洗浄剤を使用しなければ除去できません。

古民家の民泊: 木材の腐朽部分を交換する場合、部分的な交換であっても50万円~200万円の追加費用が発生します。特に、床下の土台や柱が腐朽している場合、構造的な安全性に関わるため、大規模な補修工事が必要となります。

修繕しても再発するカビの悪循環

最も深刻な問題は、一度カビが発生した物件は、根本的な湿気対策をしない限り再発率80%以上という事実です。

表面的なカビを除去しても、湿気の発生源(換気不足、結露、水漏れ、床下の湿気等)を解決しなければ、数ヶ月後には再びカビが発生します。その結果、以下のような悪循環に陥ります。

  • 1回目の修繕: 壁紙張替え 30万円
  • 6ヶ月後に再発: 再度張替え 30万円
  • 1年後に再発: さらに張替え 30万円
  • 合計: 年間90万円の出費

築年数が古い物件ほど、気密性の低さや建物の構造的な問題により、完全なカビ除去が困難です。修繕費用が年間50万円~100万円に達するケースも珍しくありません。


民泊 カビ被害で撤退を検討すべき3つの判断基準

カビ修繕費用が積み重なると、「このまま運営を続けるべきか」「撤退すべきか」という判断が必要になります。ここでは、撤退を検討すべき具体的な判断基準を示します。

判断基準1:修繕費用が年間売上の20%以上

カビ修繕費用が年間売上の20%以上を占める場合、事業の採算性が著しく悪化しています。

具体例:

  • 年間売上:200万円
  • カビ修繕費用:50万円(売上の25%)
  • その他経費:100万円(家賃、光熱費、清掃費等)
  • 利益:50万円
  • 実質利益:0円(修繕費用を差し引くと赤字)

この状態が続くと、キャッシュフローが悪化し、個人の生活資金を圧迫します。さらに、修繕費用は年々増加する傾向にあるため、早期の判断が必要です。

判断基準2:ゲストからのクレーム・低評価が3ヶ月連続

カビ問題は、ゲストの評価に直結します。Airbnbや楽天トラベルでの評価が☆3.5以下に低下し、レビューに「カビ臭い」「清潔感がない」などの記載が複数ある場合、以下のような悪循環に陥ります。

  • 評価低下により、検索結果の順位が下がる
  • 予約数が減少し、稼働率が50%→30%以下に下落
  • 収益が減少し、修繕費用を捻出できなくなる
  • さらにカビが悪化し、評価がさらに低下

一度低下した評価を回復するのは容易ではありません。3ヶ月連続で低評価が続く場合、事業の継続が困難と判断すべきです。

判断基準3:物件の構造的問題で根本解決が不可能

築30年以上の古民家や木造物件で、床下や壁内部までカビが侵食している場合、根本的な解決には以下のような大規模工事が必要です。

  • 床下全面の張替え:100万円~200万円
  • 壁内部の除湿・防カビ工事:50万円~100万円
  • 構造材(柱、梁、土台)の補修・交換:100万円~300万円
  • 合計:250万円~600万円

この修繕費用を投資したとしても、物件の構造的な問題(地下水位が高い、日当たりが悪い、風通しが悪い等)が解消されなければ、再びカビが発生するリスクがあります。投資回収に5年以上かかる場合、撤退を検討すべきです。

撤退判断フローチャート:

  1. カビ修繕費用 > 年間売上の20%? → YESなら次へ
  2. ゲストからの低評価が3ヶ月連続? → YESなら次へ
  3. 根本的な修繕費用が300万円以上? → YESなら撤退を検討

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民泊 カビ物件の売却・買取という選択肢

カビ問題で撤退を決断した場合、「廃業」以外にも売却・買取という選択肢があります。特に、カビ物件でも修繕不要で買い取ってくれるサービスを利用すれば、修繕費用をゼロにし、最短で撤退できます。

カビ物件の売却方法3つ

カビ物件の売却方法は、主に以下の3つです。

方法特徴売却期間修繕の必要性売却価格
買取最短、修繕不要最短3営業日不要(現況渡し)相場の70~80%
借上げ所有権保持1~2週間軽度修繕必要月額固定
仲介最高値の可能性3ヶ月~1年全面修繕必要相場の90~100%

買取は、不動産会社や民泊専門の買取業者に直接売却する方法で、最も早く確実です。カビ被害がある物件でも、現況渡しOKで修繕費用が不要なため、撤退コストを大幅に削減できます。

借上げは、物件の所有権を保持したまま、運営権のみを第三者に貸し出す方法です。ただし、カビ被害が深刻な場合、軽度の修繕が必要となることがあります。

仲介は、不動産仲介会社を通じて買い手を探す方法で、最も高値で売却できる可能性がありますが、カビ物件の場合は全面修繕が必要となり、売却までに3ヶ月~1年以上かかることもあります。

カビ物件の買取相場と実例

カビ物件の買取相場は、物件の立地、規模、カビの進行度によって異なります。

物件タイプカビの進行度買取価格目安
ワンルーム(都市部)軽度~中度100万円~300万円
古民家(温泉地)中度~重度200万円~800万円
一棟アパート重度500万円~2,000万円

実例1: 熱海の温泉付き古民家、カビ被害が床下まで侵食、修繕見積もり300万円 → 現況買取で450万円で成約(最短5営業日)

実例2: 沖縄のワンルーム、壁一面にカビ、修繕見積もり50万円 → 現況買取で180万円で成約(最短3営業日)

これらの実例からわかるように、カビ物件でも買取であれば、修繕費用をかけずに現金化が可能です。

修繕せずに撤退するメリット

カビ物件を修繕せずに買取で撤退する最大のメリットは、以下の4つです。

  1. 修繕費用(50万円~300万円)をゼロにできる
  2. 撤退までの期間を最短化(3営業日~1ヶ月)
  3. 修繕中も発生する固定費を削減(管理費、光熱費、税金で月5万円~10万円)
  4. 精神的ストレスから解放(ゲストクレーム対応、修繕業者との調整)

特に、修繕費用が100万円を超える場合、その資金を捻出できないオーナーも多く、撤退が遅れるほど損失が拡大します。早期に買取を検討することで、損失を最小限に抑えられます。


まとめ|民泊 カビは「構造的問題」と認識することが第一歩

民泊 カビの根本原因を理解する

本記事で見てきたように、民泊のカビは、単なる「掃除不足」ではなく、以下のような構造的問題が原因です。

  • 不在期間の長さ(数日~数週間)による換気不足
  • ゲスト入れ替え時のみの清掃では不十分なカビ繁殖サイクル
  • 温泉地・沿岸部・古民家の特殊な環境要因

これらの構造的問題を理解せずに、表面的なカビ除去だけを繰り返しても、再発率は80%以上と高く、修繕費用が積み重なるだけです。

カビ修繕費用と撤退判断の基準

カビ修繕費用は、軽度5万円~、重度300万円以上と幅が大きく、温泉地や沿岸部では特殊修繕費用が追加で発生します。

以下の判断基準に該当する場合、撤退を検討すべきです。

  • カビ修繕費用が年間売上の20%以上
  • ゲストからの低評価が3ヶ月連続
  • 根本的な修繕費用が300万円以上

カビ物件でも買取なら修繕不要

カビ被害が深刻な物件でも、買取なら修繕不要、現況渡しOKです。最短3営業日で成約でき、修繕費用をゼロにし、固定費の支出も止められます。

次のアクション

  • カビ対策を検討中の方: まずは換気・除湿の徹底から。定期的な清掃と、不在期間の管理が重要です
  • 修繕費用を知りたい方: 専門業者に見積もり依頼を。複数の業者から相見積もりを取り、比較検討しましょう
  • 撤退を決断した方: 無料査定で現状を把握し、損失を最小限に。買取なら修繕費用ゼロで撤退できます

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※ 本記事の情報は2025年12月時点のものです。実際の内容と異なる可能性がありますので、最新情報はご自身でご確認ください。

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