民泊事業からの撤退を考えている方にとって、「住宅宿泊事業 廃止届」の提出は避けて通れない重要な手続きです。しかし、提出期限や必要書類、罰則について正確に理解している方は意外と少ないのが現状です。
本記事では、住宅宿泊事業の廃止届について、提出期限・必要書類・手続き方法から、撤退時の費用削減方法まで、民泊廃業の全プロセスを分かりやすく解説します。法的リスクを避け、スムーズに廃業を完了させるための情報をお届けします。
住宅宿泊事業 廃止届とは?提出しないと罰金のリスク
廃止届の提出は法的義務(住宅宿泊事業法第28条)
住宅宿泊事業 廃止届とは、民泊事業を廃止した際に都道府県知事等へ提出する法定書類です。これは単なる任意の届出ではなく、住宅宿泊事業法第28条に基づく法的義務として定められています。
民泊新法(住宅宿泊事業法)に基づいて届出を行い運営していた事業者は、事業を廃止する際に必ず「廃業等届出書(第三号様式)」を提出しなければなりません。この手続きを怠ると、行政上の問題が発生するだけでなく、後述する罰則の対象となる可能性があります。
廃止届が必要となるケースは以下の通りです。
- 民泊事業を完全に終了する場合
- 賃貸契約の終了や物件売却により運営を停止する場合
- 経営上の理由や規制強化により撤退を決断した場合
- 旅館業法への切り替えなど、他の事業形態へ転換する場合
提出期限は廃止後30日以内・違反時の罰則
住宅宿泊事業法では、廃止届の提出期限と違反時の罰則が明確に定められています。
| 項目 | 内容 |
| 提出期限 | 事業を廃止した日から30日以内 |
| 罰則(第75条) | 届出義務違反の場合:50万円以下の罰金 |
| 罰則(第73条) | 虚偽届出や悪質な場合:6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金(併科あり) |
「廃止した日」とは、実際に営業を停止し事業を終了した日を指します。例えば、最終の宿泊者がチェックアウトした日や、賃貸契約を解除した日などが該当します。
特に注意すべきは、届出を怠ると事業が継続しているとみなされる点です。廃止届を提出しない場合、翌年以降も定期報告義務が継続し、報告義務違反として追加の罰則リスクが生じます。また、事業実態がないにもかかわらず、行政指導や立入検査の対象となる可能性もあります。
住宅宿泊事業法第28条により、事業を廃止した場合は30日以内に届出が義務付けられています(e-Gov法令検索)。法的リスクを避けるため、廃業を決断したら速やかに手続きを開始しましょう。
住宅宿泊事業 廃止届の提出方法【5ステップ】
必要書類と記入方法
住宅宿泊事業の廃止届を提出する際に必要な書類は、以下の通りです。
基本的な必要書類
- 廃業等届出書(第三号様式)
- 本人確認書類の写し(個人の場合)
- 運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなどのコピー
- 法人登記事項証明書(法人の場合)
- 発行から3ヶ月以内のもの
- 住宅宿泊事業者標識
- 届出時に交付された標識の返却が必要
記入時の注意点
廃業等届出書を記入する際は、以下のポイントに注意してください。
- 届出番号:届出時に交付された番号を正確に記入(届出完了通知書で確認)
- 廃止年月日:実際に事業を終了した日付を記入(最終宿泊者のチェックアウト日など)
- 廃止理由:該当する番号を○で囲む(事業廃止、届出者の死亡、法人の合併など)
- 宿泊実績:廃止日までの宿泊日数を記入(定期報告と整合性を確認)
記入例は観光庁公式サイトの記載例(PDF)を参考にすると、記入ミスを防げます。
提出先と提出方法(オンライン/窓口/郵送)
ステップ1:提出先の確認
廃止届の提出先は、住宅宿泊事業を届出した自治体です。具体的には以下のいずれかになります。
- 都道府県(保健所設置市以外の地域)
- 保健所設置市(政令指定都市、中核市など)
- 東京23区(各区の担当部署)
届出時に提出した自治体が提出先となります。不明な場合は、届出完了通知書を確認するか、各自治体の民泊担当窓口に問い合わせましょう。
ステップ2:提出方法の選択
廃止届の提出方法は3つあります。自治体によって対応状況が異なるため、事前に確認してください。
| 提出方法 | メリット | デメリット | おすすめ度 |
| オンライン(民泊制度運営システム) | 24時間いつでも提出可能、手続き状況を確認できる | システム操作に慣れが必要 | ★★★ |
| 窓口持参 | その場で不備を確認できる、受領証をすぐ受け取れる | 窓口の受付時間内に訪問が必要 | ★★☆ |
| 郵送 | 来庁不要で手軽 | 書類不備があると返送され再提出に時間がかかる | ★☆☆ |
ステップ3:オンライン提出の手順
民泊制度運営システムを利用する場合の流れは以下の通りです。
- 民泊制度運営システムにログイン
- 「廃業等届出」メニューを選択
- 必要事項を入力し、添付書類をアップロード
- 入力内容を確認して送信
- 受付完了メールを受信
ステップ4:提出期限の厳守
繰り返しになりますが、提出期限は廃止日から30日以内です。期限を過ぎると罰則の対象となるため、余裕を持って手続きを進めましょう。
ステップ5:受領確認
提出後は、必ず受領の確認を行ってください。
- オンライン提出:受付完了メールを保存
- 窓口提出:受領証の交付を受ける
- 郵送提出:控えのコピーを保管、必要に応じて配達証明郵便を利用
廃止届は観光庁公式サイトからダウンロードできます。不明な点があれば、提出先の自治体担当窓口に早めに相談することをお勧めします。
民泊撤退の全体的な流れについては、民泊撤退完全ガイドで詳しく解説しています。
廃止届提出後にやるべき3つの手続き
税務処理(個人事業の廃業届等)
住宅宿泊事業の廃止届を提出しただけでは、撤退手続きは完了しません。税務上の手続きも忘れずに行う必要があります。
1.個人事業の廃業届(税務署)
個人事業主として民泊を運営していた場合、所轄税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します。
- 提出期限:廃業後1ヶ月以内
- 提出先:納税地を管轄する税務署
- 提出方法:窓口持参、郵送、e-Tax
2.消費税課税事業者の手続き
課税事業者として登録していた場合は、以下の手続きも必要です。
- 消費税課税事業者選択不適用届出書
- 事業廃止届出書
3.確定申告での処理
廃業年度の確定申告では、以下の点に注意が必要です。
- 減価償却資産の処理:民泊用に購入した家具・家電などの残存簿価を確認
- 売却損益の計算:設備を売却した場合の損益を計算
- 必要経費の整理:廃業に伴う費用(原状回復費用等)を適切に計上
税務処理は複雑なため、不安な場合は税理士への相談をお勧めします。
物件処分(売却・賃貸転換・買取)
民泊廃業後の物件をどう処分するかは、撤退費用と時間に大きく影響します。主な選択肢は以下の3つです。
物件処分方法の比較
| 方法 | 期間 | 費用 | メリット | デメリット |
| 仲介売却 | 3~6ヶ月 | 仲介手数料(売却価格の約3%+6万円)+原状回復30~100万円 | 市場価格で売却可能 | 時間がかかる、原状回復が必要 |
| 買取業者 | 3営業日~1ヶ月 | ほぼ0円(原状回復不要) | 最速で現金化、原状回復不要 | 売却価格が市場価格の80~90% |
| 賃貸転換 | 1~2ヶ月 | 賃貸転換工事30~80万円 | 資産保有継続、安定収入 | 空室リスク、管理負担継続 |
仲介売却の特徴
不動産仲介会社を通じて市場で買主を探す方法です。
- メリット:適正価格での売却が可能、人気エリアでは高値売却のチャンス
- デメリット:売却まで3~6ヶ月かかる、原状回復工事が必要、内覧対応の手間
買取業者への売却の特徴
不動産買取専門業者に直接売却する方法です。
- メリット:最短3営業日で現金化、原状回復不要(現況渡しOK)、仲介手数料0円、確実に売却できる
- デメリット:売却価格が市場価格の80~90%程度
費用シミュレーション例(売却価格1,000万円の物件)
- 仲介売却:実質手取り約910万円(費用90万円控除後)、期間4ヶ月
- 買取業者:売却価格850万円、費用ほぼ0円、期間2週間
- 手取り差は60万円だが、4ヶ月早く現金化+原状回復の手間ゼロ
賃貸転換の特徴
民泊をやめて通常の居住用賃貸物件として運用する方法です。
- メリット:資産を保有したまま安定収入を確保、民泊より管理負担が軽い
- デメリット:賃貸転換工事が必要、民泊より賃料収入は低下、空室リスク継続
どの方法を選ぶべきか?
- スピード重視・手間を避けたい→買取業者
- 高値売却を優先・時間に余裕あり→仲介売却
- 資産保有を継続したい→賃貸転換
原状回復費用30~100万円を削減したい場合、「現況渡し買取」も選択肢の一つです。StayExitでは最短3営業日での成約、現況渡しOKで、面倒な手続きから即解放されます。買取・借上げ・仲介の3つから最適な方法をご提案していますので、まずは無料査定で手取り額をご確認ください。
まとめ:住宅宿泊事業 廃止届は30日以内に確実に提出を
住宅宿泊事業からの撤退には、正しい手順と計画的な準備が不可欠です。最後に重要ポイントをまとめます。
押さえるべき3つのポイント
- 廃止届は廃業後30日以内の提出が法的義務(違反時は罰金50万円以下、悪質な場合は懲役刑の可能性)
- 必要書類は廃業等届出書・本人確認書類、提出先は届出自治体(都道府県、保健所設置市、東京23区)
- 廃止届提出後も税務処理・契約解除・物件処分の手続きが必要
読者の状況別アクション
- まだ廃業を決断していない方:収支を見直し、撤退か継続かを冷静に判断しましょう。稼働率低下や規制強化により収益性が悪化している場合、早期判断が損失を限定します。
- すでに廃業を決めた方:30日以内に廃止届を提出し、同時に税務処理・契約解除・物件処分の手続きも開始してください。期限を過ぎると罰則リスクがあります。
- 原状回復費用が心配な方:現況渡し買取で費用削減を検討しましょう。原状回復費用30~100万円と仲介手数料を削減できる可能性があります。
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民泊撤退の全体的な流れや費用については、民泊撤退完全ガイドで詳しく解説しています。
免責事項:
本記事の情報は2025年12月時点のものです。法律・条例・市場状況は変動する可能性がありますので、最新情報は国土交通省観光庁公式サイト等でご確認ください。また、廃業手続きや税務処理については、行政書士・税理士等の専門家への相談をお勧めします。
