富良野で民泊を運営しているものの、180日の営業制限や季節波動による稼働率の低さ、遠隔地管理の負担から売却を検討されている方は少なくありません。しかし、いざ売却しようと思っても「仲介、買取、M&A、どの方法が自分に合っているのか分からない」と迷われる方も多いでしょう。
本記事では、富良野の民泊市場の実情を踏まえたうえで、3つの売却方法の違いと判断基準、具体的な手順までを一気通貫で解説します。ラベンダー観光地としてのブランド価値を活かし、最適な売却方法を見つけましょう。
富良野の民泊はなぜ「売却」を検討するのか?規制と市場の実情
富良野で民泊を売却する背景には、規制と季節波動という2つの構造的要因があります。
住宅宿泊事業法による180日制限
2018年に施行された住宅宿泊事業法により、民泊の営業日数は年間180日が上限と定められています。北海道や富良野市でも、この法律に基づいた届出が必要であり、営業日数の制約は避けられません。富良野市の住宅宿泊事業制度については、富良野市公式サイトまたは北海道の民泊ガイドラインで最新情報をご確認いただけます。
季節波動と実質稼働率の現実
富良野は「ラベンダー畑」や「北の国から」で知られる国内屈指の観光地です。夏季ラベンダーシーズン(6〜8月)は高稼働・高単価を実現でき、国内観光客に絶大な人気があります。冬季スキーシーズン(12〜2月)もスキー客の需要がありますが、夏季ほどの盛り上がりではありません。
しかし、春秋(3〜5月、9〜11月)は閑散期となり、稼働率が大幅に低下します。180日制限と季節性により、実質稼働日数が120〜140日程度に留まるケースが多く、民泊専門メディアの事例でも、夏冬に集中した収益だけでは春秋の空室を補えず、通年の黒字化が困難な状況が報告されています。
特に道外から遠隔運営している場合、旭川空港から車で約1時間、新千歳空港から約2.5時間かかる距離です。清掃代行・設備メンテナンス・トラブル対応といった管理コストが利益を圧迫し、時間的・金銭的負担は大きくなります。
一方で富良野ブランドは健在
営業継続が厳しい一方で、富良野の不動産価値は底堅く推移しています。ラベンダー観光地として国内観光客に根強い人気があり、リピーター率も高いエリアです。富良野市の観光統計や地価動向データを見ても、別荘地・観光不動産としての価値は安定しており、売却市場においても一定の評価が期待できます。
このように、「営業継続は厳しいが、エリア価値は高い」という構造が、富良野での民泊売却を検討する層を増やしている背景にあります。
民泊を売却する3つの方法|仲介・買取・M&Aの違いを比較
民泊を売却する方法は大きく分けて3つあります。それぞれの特徴を理解し、自分の状況に合った方法を選ぶことが重要です。
① 仲介(一般的な不動産売却)
不動産仲介業者を通じて、市場価格で売却する最も一般的な方法です。売却価格は市場価格の90〜100%を目指すことができ、高値での売却が期待できます。
ただし、売却期間は物件の状態やエリア、価格設定によって3〜12ヶ月かかることもあります。内覧対応や価格交渉、民泊設備の撤去や原状回復といった手間も必要です。時間をかけてでも高く売りたい方、夏季のラベンダーシーズンまで待てる方に向いています。
② 買取(不動産業者が直接買取)
買取業者が直接物件を購入する方法です。売却価格は市場価格の70〜85%程度になりますが、最短3営業日から3ヶ月で成約できるスピード感が魅力です。
現況渡しが可能で、民泊設備をそのまま残した状態で引き渡せます。内覧や交渉も最小限で済み、廃業届のサポートを提供している業者もあります。春秋の閑散期で今すぐ手放したい方、遠隔地管理の負担から解放されたい方に最適です。
③ M&A(事業譲渡・経営権譲渡)
民泊事業を継続したい買い手に、物件・設備・許可をまとめて譲渡する方法です。売却価格は市場価格の80〜100%に加えて、営業権や許可の価値(のれん代)が上乗せされることもあります。
売却期間は買い手探しや条件交渉に3〜6ヶ月程度かかりますが、事業内容や収益実績の開示、許可名義変更といった手続きが必要です。黒字運営または黒字化の見込みがある方(特に夏季実績がある方)、旅館業許可を活かしたい方に向いています。
3つの方法を比較表で整理
| 比較項目 | 仲介 | 買取 | M&A |
| 売却価格 | 90〜100% | 70〜85% | 80〜100%+α |
| 売却期間 | 3〜12ヶ月 | 最短3日〜3ヶ月 | 3〜6ヶ月 |
| 手間 | 多い | 最小 | 中程度 |
| 現況渡し | 不可(原状回復必要) | 可能 | 可能 |
| 許可活用 | なし | なし | あり |
| 最適タイミング | 夏季シーズン | 春秋・今すぐ | 通年(買い手次第) |
M&Aについて詳しく知りたい方は、民泊のM&A・事業譲渡の流れと注意点をご覧ください。
富良野で民泊を売却するには?判断する4つのポイント
3つの売却方法のうち、どれを選ぶべきかは以下の4つのポイントで判断できます。
判断ポイント1:観光シーズンまで待てるか?
富良野の不動産市場は、夏季ラベンダーシーズン(6〜8月)が最も活況を呈します。高単価・高需要の時期に売却活動を行えば、仲介でも高値が期待できます。春口(4〜5月)に販売活動を開始し、夏季に向けて成約を目指すのが理想的です。
一方、春秋の閑散期で今すぐ手放したい場合は、買取が有利です。M&Aは通年可能ですが、夏季の実績を示せる時期のほうが買い手に対する訴求力が高まります。
判断ポイント2:遠隔地運営の負担を続けられるか?
富良野は道外オーナーが多く、遠隔運営の負担は大きいエリアです。旭川空港から車で約1時間、新千歳空港から約2.5時間かかることを考えると、売却まで管理を継続できない場合は買取を選ぶことで即座に負担から解放されます。
管理を継続しながら高値を待てる余裕がある方は、仲介またはM&Aを検討する価値があります。
判断ポイント3:現況渡しで手離れしたいか?
民泊設備(家具・家電・Wi-Fi・鍵ボックスなど)を残したまま売却したい場合は、買取またはM&Aが適しています。これらの方法では、設備そのままで引き渡すことが可能です。
仲介の場合は原状回復が求められることが多く、設備撤去の手間とコストを負担する必要があります。
判断ポイント4:許可・実績を活かしたいか?
旅館業法の許可を取得している、または黒字運営の実績(特に夏季)がある場合は、M&Aで「のれん代」を上乗せできる可能性があります。事業の継続価値を評価してもらえるため、単なる不動産売却以上の価格が期待できます。
住宅宿泊事業の届出のみで赤字が続いている場合は、買取または仲介が現実的な選択肢です。
買取業者の選び方については、民泊買取業者の選び方と比較ポイントで詳しく解説しています。
判断フローの可視化
あなたの状況に応じて、以下のフローで判断してみましょう。
- 「春秋で今すぐ手放したい」→「遠隔地で管理負担が大きい」→「現況渡しOK」→買取
- 「夏季まで待てる」→「管理継続できる」→「高値狙い」→仲介
- 「黒字運営中(夏季実績あり)」→「許可を活かしたい」→M&A
民泊の売却相場について詳しく知りたい方は、民泊買取の相場と査定の仕組みをご覧ください。
富良野で民泊を売却する手順(3ステップ×3つの方法)
売却方法を決めたら、次は具体的な手順を進めていきます。仲介・買取・M&Aで共通する部分と、方法別に異なる部分を整理しました。
共通ステップ1:査定依頼
どの方法を選ぶ場合でも、まずは複数社(2〜3社)に査定を依頼することが重要です。査定時に伝える情報は以下の通りです。
- 物件住所
- 延床面積
- 民泊届出番号または旅館業許可番号
- 設備リスト(家具・家電・Wi-Fi・鍵ボックスなど)
- 直近の稼働率・売上実績(特に夏季実績)
- 管理費・維持費の状況
査定にはオンライン査定(写真・書類提出)と現地査定の2種類があります。オンライン査定は簡易的で早く結果が出ますが、現地査定のほうが精度の高い査定額を得られます。
ステップ2:条件交渉〜契約(方法別)
仲介の場合
媒介契約を締結します(一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の3種類から選択)。その後、販売活動が開始され、物件情報が公開されて内覧対応が始まります。
富良野の場合、夏季に向けた販売戦略が効果的です。4〜5月に活動を開始し、ラベンダーシーズンの需要を取り込むことで高値成約の可能性が高まります。買い手が見つかれば価格交渉を経て売買契約を締結し、手付金を受領します。期間目安は3〜12ヶ月です。
買取の場合
査定額の提示は通常3〜7営業日で行われます。複数社から提示された条件を比較しましょう。比較すべき項目は、買取価格、引渡し時期、現況渡しが可能か、廃業届の代行サービスがあるかなどです。
契約書では、瑕疵担保免責の条件や手付金・残金の支払時期を必ず確認してください。期間目安は最短3営業日から3ヶ月です。
M&Aの場合
M&A仲介業者やマッチングサイトを活用して、買い手候補を探します。守秘義務契約を締結したうえで、事業内容や収益実績を開示します。
条件交渉では、譲渡価格、引継ぎ内容(設備・予約・アカウントなど)、許可の名義変更について詰めていきます。合意が得られれば事業譲渡契約を締結します。期間目安は3〜6ヶ月です。
ステップ3:決済・引渡し〜廃業届提出
決済日に残金を受領し、所有権移転登記を行います。引渡しの際には、鍵・民泊管理アカウント・設備リストを買い手に引き継ぎます。
廃業届の提出(重要)
住宅宿泊事業を廃止する場合は、廃止届を自治体(富良野市または北海道)に提出する必要があります。提出期限は事業廃止から10日以内です。
提出先は富良野市の住宅宿泊事業担当窓口または北海道です。必要書類は廃止届出書、届出番号通知書の写しなどです。M&Aで事業を引き継ぐ場合は名義変更手続きとなり、廃業届は不要です。詳細は富良野市公式サイトまたは北海道の住宅宿泊事業ガイドラインでご確認ください。
廃業届の詳しい手順については、住宅宿泊事業の廃止届を出す手順と注意点で解説しています。
民泊撤退全般の流れについては、民泊を撤退する前に知っておくべきことで詳しく解説しています。
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まとめ|富良野で民泊を売却するなら、3つの方法から最適な選択を
地方での民泊売却全般については、地方での民泊売却の完全ガイドで詳しく解説しています。
富良野は180日制限と夏冬集中の季節波動により、実質稼働が120〜140日前後に留まるケースが多く、遠隔運営では管理負担が大きくなります。一方で、ラベンダー観光地としてのブランド価値は不動産市場を下支えしており、売却においても一定の評価が期待できます。
売却方法は3つあります。仲介は高値を狙えますが夏季まで待つ必要があり、買取は即金性が高く春秋でも対応可能、M&Aは許可や実績を活かして「のれん代」を上乗せできます。
判断の軸は4つです。「観光シーズンまで待てるか」「遠隔地管理を続けられるか」「現況渡しで手離れしたいか」「許可を活かしたいか」を基準に、自分に合った方法を選びましょう。複数社に査定を依頼し、条件を比較することが重要です。
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免責事項
本記事に記載の情報は、2026年1月時点の公開情報および一般的な不動産取引慣行に基づいています。法令・条例の改正、市場動向の変動により、内容が変更される場合があります。民泊の売却をご検討の際は、必ず最新の情報を自治体(富良野市・北海道)や専門業者にご確認ください。本記事の情報に基づく判断・行動について、当サイトは一切の責任を負いかねます。
