江戸川区で民泊運営を検討している、あるいはすでに営業を開始したものの採算が合わず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
江戸川区は東京都23区の中でも上乗せ条例(独自の追加規制)がない自治体として知られており、一見すると民泊を始めやすいエリアに見えます。しかし実態は低単価・高競合の厳しい市場環境にあり、観光庁の最新データ(2025年11月時点)によれば、江戸川区における民泊の**廃業率は約44%**に達しています。
本記事では、江戸川区における民泊の現状と課題を徹底分析し、これから参入を検討している方への警鐘と、すでに赤字に悩む事業者向けの具体的な撤退・転換戦略を解説します。
江戸川区の民泊は実現可能?上乗せ条例なしでも厳しい現実
上乗せ条例なしでも参入障壁は低くない
江戸川区では2025年12月現在、住宅宿泊事業法に基づく独自の上乗せ条例(営業日数の追加制限など)は制定されていません。これは新宿区や渋谷区など、住居専用地域で平日営業を大幅に制限する自治体と比較すると、形式上は「始めやすい」環境と言えます。
しかし、規制が緩いことと「収益が出る」ことは全く別の問題です。江戸川区の民泊市場には以下のような構造的な課題があります。
低単価・高競合の市場環境
江戸川区における民泊の平均宿泊単価は約12,000円/泊と、都心部(新宿・渋谷・港区など)の平均15,000〜25,000円と比較して大幅に低い水準です。これは以下の要因によるものです。
- 観光スポットが少ない: 葛西臨海公園など一部の観光施設はあるものの、外国人観光客が集中する浅草・新宿・渋谷といった主要観光エリアへのアクセスは劣る
- ビジネス需要が限定的: オフィス街から離れており、出張利用者の需要も低い
- 供給過多: 届出施設数が多く(約270件)、価格競争が激化している
廃業率約44%という厳しい現実
観光庁が公表する「住宅宿泊事業の届出及び廃業等の状況について(2025年11月14日時点)」によれば、江戸川区では:
- 届出件数: 270件
- 事業継続中: 約150件
- 廃業・届出取消: 約120件
- 推定廃業率: 約44%(120÷270)
この数値は全国平均の約36%(20,661÷57,512)を大きく上回っており、江戸川区の民泊市場がいかに厳しいかを物語っています。
江戸川区の民泊規制とは?
住宅宿泊事業法(民泊新法)の基本ルール
江戸川区で民泊を運営する場合、**住宅宿泊事業法(民泊新法)**に基づく届出が必要です。基本的なルールは以下の通りです。
- 年間営業日数の上限: 180日(泊)
- 届出先: 江戸川区保健所生活衛生課
- 管理体制: 住宅宿泊管理業者への委託(家主不在型の場合は必須)
- 近隣住民への説明: 事前の周知が推奨される
- 消防法令適合: 消防設備(火災警報器、消火器など)の設置
- 衛生管理: 定期的な清掃、換気、衛生措置
江戸川区独自の上乗せ条例はなし
2025年12月現在、江戸川区では住宅宿泊事業に関する独自の上乗せ条例は制定されていません。これは新宿区のように「住居専用地域では月曜正午〜金曜正午は営業不可」といった追加制限がないことを意味します。
したがって江戸川区では、法定の年間180日以内であれば、基本的に平日・週末を問わず営業が可能です。
特区民泊の対象外
東京都では大田区が国家戦略特区として「特区民泊」を認めていますが、江戸川区は特区の対象外です。そのため、年間を通じて営業したい場合は旅館業法に基づく許可(簡易宿所営業など)を取得する必要があります。
江戸川区の民泊は赤字になる?低単価エリアでの収益シミュレーション
江戸川区の民泊市場データ
実際に江戸川区で民泊を運営した場合、どの程度の収益が見込めるのでしょうか。以下は江戸川区の市場データです。
- 平均宿泊単価: 約12,000円/泊(閑散期8,000円〜繁忙期15,000円)
- 平均稼働率: 約50〜60%(年間180日〜220日程度が稼働可能日数だが、実稼働は90〜130日程度)
- 競合物件数: 約150件(事業継続中の届出施設)
1LDK物件での収益シミュレーション(年間)
江戸川区内の標準的な1LDK物件(家賃10万円/月)で民泊を運営した場合の収支を試算します。
【収入】
- 平均宿泊単価: 12,000円/泊
- 年間稼働日数: 100日(稼働率55%相当)
- 年間売上: 12,000円 × 100日 = 1,200,000円
【支出】
- 家賃: 100,000円/月 × 12ヶ月 = 1,200,000円
- 管理委託費: 売上の20% = 240,000円
- 光熱費: 5,000円/月 × 12ヶ月 = 60,000円
- 消耗品・備品費: 30,000円/年
- 清掃費: 3,000円/回 × 100回 = 300,000円
- 通信費(Wi-Fi): 4,000円/月 × 12ヶ月 = 48,000円
- 火災保険・損害保険: 40,000円/年
- 予備費(修繕等): 60,000円/年
- 年間支出合計: 1,978,000円
【収支】
年間収支: 1,200,000円 – 1,978,000円 = ▲778,000円(約78万円の赤字)
※さらに稼働率が下がったり、OTA(Airbnb等)の手数料(3〜5%)を考慮すると、実質的な赤字額は年間約84万円に達する可能性があります。
収益悪化の3つの主要因
①低単価競争
江戸川区は観光・ビジネス需要が限定的なため、近隣の競合施設と価格競争に陥りやすい環境です。繁忙期でも単価を15,000円以上に設定すると予約が入らず、結果的に低単価での運営を強いられます。
②固定費の高さ
家賃や管理委託費、清掃費などの固定費は稼働率に関わらず発生します。稼働率が60%を下回ると固定費を回収できず、赤字に転落するリスクが高まります。
③年間180日の営業日数制限
住宅宿泊事業法では年間180日が上限のため、仮に満室にできたとしても半年分の収入しか得られません。都心の高単価エリアであれば180日でも黒字化できますが、江戸川区のような低単価エリアでは極めて厳しいのが現実です。
江戸川区での民泊届出手続きの流れと必要書類
江戸川区で住宅宿泊事業を始める場合、以下の流れで届出を行います。
届出の流れ
- 事前準備
- 物件の用途確認(住宅として使用されていること)
- 消防法令適合の確認(消防署への相談)
- 管理業者の選定(家主不在型の場合)
- 近隣住民への事前説明
- 届出書類の作成
- 民泊制度運営システムへの登録
- 必要書類の準備(後述)
- 江戸川区保健所への届出
- 窓口: 江戸川区保健所生活衛生課
- 届出受理後、不備がなければ届出番号が発行される
- 営業開始
- 届出番号取得後、OTA(Airbnbなど)への掲載と営業開始
必要書類
- 住宅宿泊事業届出書
- 住宅の図面(各階平面図、付近見取図)
- 住宅の登記事項証明書
- 入居者の募集広告(賃貸の場合)
- 住宅が「住宅」として使用されていることを証する書類
- 消防法令適合通知書
- 管理業者への委託契約書(家主不在型の場合)
- その他、区が必要と認める書類
これから参入を検討する方への警鐘
前述のシミュレーションで示した通り、江戸川区の民泊市場は年間約84万円の赤字が見込まれる非常に厳しい環境です。「上乗せ条例がないから簡単」という理由だけで参入すると、大きな損失を被るリスクがあります。
特に以下のケースに該当する方は、参入を再検討することを強く推奨します。
- 民泊運営の経験がない初心者
- 自己資金が潤沢でなく、赤字が続くと資金繰りに支障が出る
- 本業が忙しく、民泊運営に十分な時間を割けない
- 近隣トラブルやクレーム対応のリスクを許容できない
江戸川区の民泊が厳しい場合の3つの選択肢
すでに江戸川区で民泊を運営しており、赤字や運営負担に悩んでいる方には、以下の3つの選択肢があります。
①完全撤退:事業廃止届を提出する
最もシンプルな方法は、住宅宿泊事業を完全に廃止することです。
手続き
- 江戸川区保健所に「事業廃止届」を提出
- 届出番号の抹消
- OTA(Airbnb等)からのリスティング削除
メリット
- 管理業務からの解放
- 固定費の削減
- 精神的負担の軽減
デメリット
- 物件が遊休資産化する(賃貸や売却の検討が必要)
②物件売却:一般仲介 vs 専門買取業者
民泊用として取得した物件を手放す場合、以下の2つの方法があります。
| 項目 | 一般仲介(不動産会社) | 専門買取業者(例:StayExit) |
| 成約までの期間 | 3ヶ月〜6ヶ月以上 | 最短3営業日〜2週間 |
| 売却価格 | 市場価格(高め) | 市場価格の70〜85%(買取相場) |
| リフォーム | 原則必要(クリーニング・修繕) | 現況渡しOK |
| 仲介手数料 | 売却価格の3%+6万円+消費税 | 不要(買取のため) |
| 契約不適合責任 | 売主が一定期間負う | 免責(買取業者が負担) |
| 向いている人 | 時間に余裕があり、高値売却を優先したい | 急いで現金化したい、手間をかけたくない |
StayExitのような専門買取業者を選ぶメリット
- 最短3営業日で成約: 急な資金需要にも対応可能
- 現況渡しOK: リフォームや清掃不要で、そのまま引き渡し可能
- 契約不適合責任免責: 売却後のトラブルリスクがない
- 民泊特有の事情に精通: 届出状況や管理業者との契約解除などもサポート
特に「赤字が続いており、早急に撤退したい」「リフォーム費用を捻出できない」といったケースでは、専門買取業者の利用が現実的です。
【無料査定・相談はこちら】
民泊物件の売却でお悩みの方は、StayExitの無料査定をご利用ください。現況のまま、最短3営業日で買取可能です。
→ StayExit 民泊物件買取LP
③賃貸物件への転換:一般賃貸として再活用
民泊をやめて、一般の賃貸物件として貸し出す方法もあります。
メリット
- 安定した家賃収入(月額固定)
- 民泊特有のトラブル(騒音、近隣クレーム)からの解放
- 管理の手間が大幅に減少
デメリット
- 収益性は民泊(成功時)より低い
- 入居者募集に時間がかかる場合がある
- 原状回復やクリーニングが必要な場合がある
向いているケース
- 物件の立地が賃貸需要の高いエリア
- 長期的に安定収入を得たい
- 民泊管理の負担から解放されたい
江戸川区の1LDK賃貸相場は約10万円/月であり、年間120万円の安定収入が見込めます。民泊の赤字リスクを考えれば、賃貸転換も有力な選択肢です。
まとめ:江戸川区の民泊は慎重な判断を
江戸川区は上乗せ条例がなく、形式上は民泊を始めやすい自治体です。しかし実態は低単価・高競合の厳しい市場であり、観光庁のデータでは**廃業率が約44%**に達しています。
1LDK物件での収益シミュレーションでは、年間約84万円の赤字が見込まれるなど、新規参入には極めて高いリスクが伴います。
これから民泊を始める方へ:
安易な参入は避け、市場環境・競合状況・収益性を慎重に分析することを強く推奨します。
すでに運営中で赤字に悩んでいる方へ:
以下の3つの選択肢を検討しましょう。
- 完全撤退(事業廃止届の提出)
- 物件売却(一般仲介 or 専門買取業者)
- 賃貸転換(一般賃貸として再活用)
特に、早期撤退を希望する場合は、StayExitのような民泊物件専門の買取業者に相談することで、最短3営業日・現況渡しOKでスムーズに売却できる可能性があります。
【民泊物件の売却でお悩みの方へ】
StayExitでは、民泊物件の買取を専門に行っています。「赤字が続いて困っている」「早く手放したい」という方は、ぜひ無料査定をご利用ください。
→ StayExit 民泊物件買取LP
参考資料・エビデンス
※免責事項
本記事は2025年12月時点の情報に基づいており、法令・条例は改正される可能性があります。民泊運営や物件売却を検討する際は、必ず最新の法令を確認し、専門家(行政書士・不動産業者など)にご相談ください。本記事の内容により生じた損害について、当サイトは一切の責任を負いかねます。
