民泊の稼働率が下がり、赤字が続いている。そんな悩みを抱えるオーナーの選択肢の一つが「賃貸への転換」です。
しかし、民泊から賃貸物件への転換には、廃業手続き・用途変更・消防設備の変更などが必要で、費用も80~150万円ほどかかります。さらに、賃貸需要が低いエリアでは、転換しても空室が続き、投資回収できないリスクもあります。
本記事では、民泊を賃貸に転換する手続き・費用と、売却との比較を解説します。転換すべきケース、売却すべきケースを明確にし、最適な選択をサポートします。
民泊を賃貸に転換する手続きと費用
民泊を賃貸物件に転換するには、法的な手続きと費用が発生します。まずは全体の流れを理解しましょう。
民泊から賃貸への転換に必要な手続き
民泊を賃貸物件に転換するには、以下の4つの手続きが必要です。
1. 民泊の廃業手続き
民泊の許可・届出の種類により、廃業手続きが異なります。
- 住宅宿泊事業法(民泊新法):民泊制度運営システムで廃業届を提出し、標識(営業許可証)を返納
- 旅館業法(簡易宿所):管轄の保健所に廃止届出書を提出し、許可書を返納
- 特区民泊:廃止から10日以内に廃止届出書を自治体に提出し、特定認定書を添付
2. 建築基準法上の用途変更申請
床面積が200㎡を超える場合、用途変更の確認申請が必要です。民泊用にリフォームした設備(例:共用スペース、防火扉など)を住宅仕様に変更する必要があります。
ただし、自治体により対応が異なるため、管轄の建築指導課に確認しましょう。
3. 消防法上の防火対象物の用途変更
民泊と賃貸用物件では、消防法上の防火対象物の区分が異なります。
手続きの流れは以下の通りです。
- 民泊の防火対象物廃業届を提出
- 共同住宅の防火対象物使用開始届を提出
消防設備(火災警報器、誘導灯など)も住宅用に変更が必要な場合があります。
4. 宿泊者名簿の保管
廃業後も、宿泊者名簿は作成日から3年間保存する義務があります。
(出典:Livhub、国土交通省 民泊制度ポータルサイト)
賃貸転換にかかる費用の目安
民泊から賃貸への転換にかかる主な費用は以下の通りです。
| 費用項目 | 金額目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 用途変更申請費用 | 10~30万円 | 床面積200㎡超の場合、建築士への依頼費含む |
| 消防設備変更費用 | 10~50万円 | 住宅用火災警報器への変更など |
| 原状回復・クリーニング | 30~80万円 | 壁紙・床材の張替え、設備修繕 |
| 行政書士依頼費用 | 5~15万円 | 廃業手続き代行(任意) |
| 合計 | 80~150万円 | 物件規模・状態により変動 |
期間: 手続き完了まで2~3ヶ月
賃貸転換には、初期費用として80150万円、期間として23ヶ月が必要です。さらに、転換後も賃貸需要がなければ空室が続き、投資回収できないリスクがあります。
民泊 売却の相場と全体の流れについては、民泊売却の完全ガイドで詳しく解説しています。
民泊の賃貸転換vs売却|どちらが得か比較
民泊を手放す際、「賃貸転換」と「売却(買取)」のどちらを選ぶべきでしょうか。費用・期間・手残り額を比較し、最適な選択を考えましょう。
賃貸転換vs売却の費用・期間・手残り比較
| 項目 | 賃貸転換 | 売却(買取) |
|---|---|---|
| 初期費用 | 80~150万円(転換費用) | 0円 |
| 完了期間 | 2~3ヶ月 | 最短3営業日 |
| 月収(想定) | 家賃収入8~12万円/月 | 一括現金化 |
| 手残り(例) | 転換費100万円→家賃収入継続 | 買取価格1,350万円(即金) |
| リスク | 空室リスク、賃貸ニーズ低の場合赤字継続 | なし(即時撤退) |
| 適したケース | 賃貸ニーズが高いエリア、長期運用希望 | 早期撤退優先、賃貸ニーズ低 |
シミュレーション例(1R物件):
市場価格2,000万円の民泊物件を手放す場合を比較します。
- 賃貸転換:転換費用100万円 + 家賃収入10万円/月 = 10ヶ月で費用回収(ただし空室リスクあり)
- 売却(買取):買取価格1,350万円 – 転換費0円 = 手残り1,350万円(即日撤退)
賃貸ニーズが高く、長期運用を前提とするなら賃貸転換が有利です。一方、観光地型物件(賃貸ニーズ低)や早期撤退を優先するなら、売却の方が合理的です。
賃貸転換に適さないケース|売却を検討すべき状況
以下のケースでは、賃貸転換より売却の方が得な場合が多いです。
1. 観光地型物件 住宅需要が少ないエリア(例:京都観光地、沖縄リゾート地)では、賃貸転換しても入居者が見つからないリスクが高いです。
2. 規制強化エリア 180日規制で民泊収益が出ず、賃貸に転換しても競合が多く苦戦する地域では、早期売却が有利です。
3. 老朽化物件 転換費用が150万円を超え、賃貸収益での回収が困難な物件は、現況渡しで買取してもらう方が得です。
4. 空室リスク高 近隣に競合賃貸物件が多く、満室が見込めないエリアでは、転換費用を無駄にするリスクがあります。
具体例(観光地型物件の失敗事例):
- 京都祇園エリアの1R民泊を賃貸転換→転換費120万円
- 家賃相場7万円/月だが、住宅需要が低く空室が3ヶ月続く
- 結果、転換費回収に20ヶ月以上かかり、実質赤字継続
(出典:満室の窓口)
このように、賃貸需要が低いエリアでは、転換費用を投資しても回収できないリスクがあります。エリアの賃貸ニーズを事前に調査し、慎重に判断しましょう。
StayExitでは、民泊・旅館業の撤退支援として買取・借上げ・仲介を最速選択できます。転換費用0円、最短3営業日で成約、現況渡しOK、1Rから5棟一括まで対応。無料査定はこちら
まとめ|賃貸転換は慎重に、早期撤退なら買取が有利
民泊を賃貸に転換するには、廃業手続き・用途変更・消防設備変更が必要で、転換費用は80150万円、完了まで23ヶ月かかります。
賃貸転換vs売却の判断基準:
- 賃貸転換が有利なケース:賃貸ニーズが高いエリア、長期運用を前提とする場合
- 売却が有利なケース:観光地型物件、規制強化エリア、早期撤退を優先する場合
転換費用・手間・空室リスクを考慮すると、買取で早期撤退する方が得なケースが多いです。特に、観光地型物件や老朽化物件は、賃貸転換より売却を検討しましょう。
StayExitなら、買取・借上げ・仲介から最適な方法を即時選択。賃貸転換の手間なく、最短3営業日で成約。無料査定で民泊の適正価格を確認しましょう。詳細はこちら
民泊 売却の全体像については、民泊売却の完全ガイドをご覧ください。
※ 本記事の情報は2025年12月時点のものです。実際の内容と異なる可能性がありますので、最新情報はご自身でご確認ください。
