荒川区の民泊は土日のみ営業|厳しい条例と撤退支援の全知識

荒川区で民泊を営んでいる方、またはこれから開業を検討している方にとって、区の条例は見過ごせない重要なポイントです。荒川区の民泊は月曜正午から土曜正午まで営業禁止という、東京23区の中でも特に厳しい規制が設けられています。

2025年11月には違法営業で警視庁が家宅捜索を行う事例も発生しており、条例を理解せずに運営することは大きなリスクを伴います。本記事では、荒川区の民泊条例の詳細から収益性、そして赤字が続く場合の撤退支援まで、包括的に解説します。


荒川区の民泊条例とは?営業できるのは土日祝日のみ

荒川区住宅宿泊事業の運営に関する条例の概要

荒川区では、住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく民泊営業に対して、上乗せ条例を制定しています。この条例により、月曜正午から土曜正午までの間は民泊の営業が禁止されています。ただし、祝日正午から翌日の正午までは営業が可能です。

つまり、実質的に営業できるのは以下の時間帯のみです。

  • 土曜正午~月曜正午(週末)
  • 祝日正午~翌日正午(祝日とその前日)

この制限は荒川区全域に適用されており、例外となる区域は存在しません。年間営業可能日数は約120日程度と、民泊新法で定められた年間180日の上限よりもさらに厳しい条件となっています。

荒川区公式サイト「住宅宿泊事業に関する手続き」には、「荒川区の場合、月曜正午から土曜正午まで(祝日正午からその翌日の正午までを除く。)の間、住宅宿泊事業を営むことはできません」と明記されています。

なぜ荒川区の民泊規制は厳しいのか?

荒川区が平日の民泊営業を禁止している背景には、住民の生活環境保護という明確な目的があります。民泊施設では以下のような問題が全国的に報告されており、荒川区も同様の懸念を抱いています。

  • 騒音問題: 不特定多数の宿泊者による深夜の騒ぎ声や話し声
  • ゴミ問題: ゴミ出しルールの不徹底による近隣トラブル
  • セキュリティリスク: 見知らぬ外国人観光客の出入りによる住民の不安
  • マナー違反: 共用部分の不適切な使用や迷惑行為

荒川区は下町情緒が残る住宅密集地域が多く、住民同士のコミュニティが強固です。そのため、民泊による生活環境への影響を最小限に抑えるべく、東京23区の中でも台東区と並んで最も厳しい規制を設けているのです。

東京都全体の民泊規制については、各区で異なる上乗せ条例が制定されています。詳しくは親記事「東京 民泊 規制」で解説していますので、併せてご確認ください。


2025年11月に荒川区で民泊違法営業が摘発された事例

警視庁による住宅宿泊事業法違反での家宅捜索

2025年11月28日、荒川区内の民泊施設と運営会社に対して、警視庁が住宅宿泊事業法違反の疑いで家宅捜索を実施しました。これは東京都内で初めての民泊関連での強制捜査となり、大きな注目を集めました。

摘発の経緯は以下の通りです。

  • 条例違反: 月曜正午から土曜正午の禁止期間に客を宿泊させた
  • 虚偽報告: 荒川区に対して宿泊実績を偽って報告
  • 業務改善命令無視: 区からの業務改善命令が出された後も営業を継続
  • 近隣トラブル: 2023年頃から騒音やゴミの不法投棄について苦情が入っていた

この民泊施設では、施設内に「区の職員が来ても対応しないように」という貼り紙まであったことが報道されています。行政指導を意図的に無視する悪質なケースとして、警視庁が強制捜査に踏み切った形です。

TBS NEWS DIG(2025年11月28日報道)によれば、運営会社は新宿区に所在し、荒川区内の複数の民泊施設を運営していました。荒川区は過去に複数回の立ち入り検査を実施していましたが、改善が見られなかったとされています。

違反した場合の罰則とリスク

荒川区の民泊条例に違反した場合、以下のような段階的な処分が科される可能性があります。

行政処分

  • 業務改善命令: 条例違反の事実が確認された場合、まず業務改善命令が出される
  • 業務停止命令: 改善命令に従わない場合、一定期間の営業停止命令
  • 届出取消: 悪質な場合は民泊の届出そのものが取り消される

刑事罰
住宅宿泊事業法に基づき、以下の罰則が定められています。

  • 6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金
  • 虚偽報告を行った場合も同様の罰則対象

社会的リスク

  • 社会的信用の失墜: 報道により事業者名が公表される可能性
  • 取引先との関係悪化: 金融機関や取引先からの信用喪失
  • 他の事業への影響: 関連事業や不動産投資全般への悪影響

今回の摘発事例が示すように、荒川区は民泊条例の遵守に対して非常に厳格な姿勢を取っています。「少しくらいなら平日営業しても大丈夫」という安易な考えは、大きな代償を払うことになりかねません。


荒川区で民泊届出をする際の手続きと必要書類

民泊制度運営システムでの届出フロー

荒川区で適法に民泊を営むためには、以下の手順で届出を行う必要があります。

1. 事前相談(保健所窓口)
営業形態によって届出書の記載内容や必要書類が異なるため、まずは荒川区保健所の窓口で事前相談を行います。家主居住型か家主不在型かによって、提出書類や管理体制の要件が変わります。

2. 近隣住民への周知(届出の7日前まで)
届出をする7日前までに、決められた事項について近隣住民に対し書面により周知する必要があります。周知内容には以下が含まれます。

  • 事業者の氏名・連絡先
  • 営業予定日時(土日祝日のみであること)
  • 緊急時の連絡体制
  • 苦情対応窓口

周知が終わったら、住宅宿泊事業周知報告書を区に提出します。

3. オンライン届出(民泊制度運営システム)
観光庁「民泊制度ポータルサイト」から民泊制度運営システムにアクセスし、アカウントを作成して届出を行います。

必要書類には以下が含まれます。

  • 建物図面(各階平面図、配置図)
  • 賃貸借契約書(賃貸物件の場合)
  • 誓約書(管理規約で民泊が禁止されていないことの証明)
  • 消防法令適合通知書

4. 標識の掲示
届出が受理されると届出番号が発行されます。この番号を記載した標識を玄関等に掲示することが義務付けられています。

5. 定期報告(偶数月15日まで)
民泊の届出住宅ごとに、偶数月の15日までに前2ヶ月の以下の項目を報告する必要があります。

  • 宿泊させた日数
  • 宿泊者数
  • 延べ宿泊者数
  • 国籍別の宿泊者数の内訳

荒川区独自の追加要件

荒川区では、民泊新法の基準に加えて、区独自の追加要件を設けています。

営業所の常駐義務
家主不在型の民泊の場合、事業者または住宅宿泊管理業者は、物件からおおむね1km以内に営業所を設け、常駐することが義務付けられています。この要件により、トラブル発生時に迅速に対応できる体制を確保することが求められます。

周知報告書の提出
近隣住民への周知を行った後、住宅宿泊事業周知報告書を荒川区に提出する必要があります。この報告書には、周知した日時、方法、範囲などを記載します。

これらの手続きや要件の詳細は、荒川区が公開している「住宅宿泊事業のてびき」(PDF)に詳しく記載されていますので、必ず確認してください。


荒川区の民泊は採算が取れる?土日祝日のみ営業の収益性

年間営業可能日数と収益シミュレーション

荒川区の民泊で最大の課題となるのが、土日祝日のみという営業日数の制限です。具体的な数字で収益性を検証してみましょう。

年間営業可能日数の計算

期間日数
土日(52週×2日)104日
祝日(年間平均)約16日
合計約120日

一般的な民泊の年間180日制限と比較すると、**営業可能日数は約67%**に制限されます。

収益シミュレーション例(1Rマンション)

  • 宿泊単価: 8,000円/泊
  • 稼働率: 70%(週末・祝日のため比較的高め)
  • 実稼働日数: 120日 × 70% = 84日
  • 年間売上: 8,000円 × 84日 = 672,000円

年間コスト

項目月額年額
家賃80,000円960,000円
光熱費10,000円120,000円
通信費5,000円60,000円
清掃費(1回5,000円×84回)420,000円
消耗品・アメニティ5,000円60,000円
管理システム利用料3,000円36,000円
合計1,656,000円

収支結果: 672,000円 – 1,656,000円 = ▲984,000円(年間約100万円の赤字)

このシミュレーションからわかるように、荒川区の民泊では固定費を賄うことすら困難です。宿泊単価を上げたり稼働率を改善したりしても、平日営業ができない以上、大幅な収益改善は見込めません。

競合が少ないメリットはあるのか?

確かに、荒川区の厳しい規制は参入障壁が高いため、競合施設は他区と比べて少ない傾向にあります。しかし、それ以上に以下のデメリットが上回ります。

観光需要の限定性

  • 荒川区は浅草や上野といった主要観光地から若干離れている
  • ビジネス需要も平日が中心のため、土日祝日のみでは取り込めない
  • 週末のみの営業では、長期滞在客を獲得できない

差別化の困難さ
競合が少なくても、以下の理由で差別化は容易ではありません。

  • 週末のみの営業では、ホテルや旅館との価格競争が激化
  • 運営コストが高いため、価格優位性を確保できない
  • 立地の不利を補う「体験価値」の提供も限定的

業界関係者の間でも、「荒川区で民泊運営して利益を出すのは非常に難しい」という見解が一般的です。民泊運営支援サイトでも、「これだけの少ない日数ですと民泊運営で利益を出すのは非常に難しいエリアです」と明記されています。

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荒川区の民泊が赤字なら撤退も選択肢|原状回復費をゼロにする方法

民泊撤退にかかる費用と手間

荒川区の民泊で赤字が続き、撤退を検討する場合、通常は以下のような費用と手間が発生します。

原状回復費用

  • 設備撤去: キーボックス、防犯カメラ、Wi-Fiルーター等の撤去
  • 内装工事: 壁紙の張替え、床の補修、清掃
  • 廃棄費用: 家具、家電、寝具等の処分費用
  • 合計: 100万円以上かかるケースも珍しくありません

手続きコスト

  • 住宅宿泊事業の廃業届出
  • 賃貸借契約の解除手続き
  • Airbnbなど仲介サイトからのリスティング削除

放置コスト(月額)
撤退の決断を先延ばしにしている間も、以下のコストが発生し続けます。

項目月額目安
家賃50,000~150,000円
光熱費・通信費10,000~20,000円
管理費・修繕積立金10,000~30,000円
その他維持費5,000~10,000円
合計25,000~80,000円/月

年間にすると30万円~100万円が無駄に流出することになります。1ヶ月撤退を遅らせるごとに損失が拡大していくのです。

現況渡しで買取・借上げという選択肢

実は、民泊撤退には原状回復費用をゼロにして、逆に現金を手にする方法があります。それが、民泊物件の買取・借上げ・仲介という選択肢です。

買取スキーム

  • 民泊物件を現況のまま買い取ってもらえる
  • 原状回復費用は一切不要
  • 最短3営業日で成約・入金が可能
  • 停止中や赤字の物件でも数百万円の価値になる可能性

借上げスキーム

  • 物件所有権は維持したまま、運営を委託
  • 固定賃料を受け取りながら将来的な資産価値も保持
  • 運営リスクから解放される

仲介スキーム

  • より高値での売却を目指したい場合
  • 民泊事業を引き継ぎたい買主を探す
  • 営業許可や既存のシステムも含めて承継可能

これらのスキームは、民泊・旅館業の撤退支援に特化した専門業者が提供しています。1Rから5棟一括まで、物件規模を問わず対応可能です。

通常の撤退との比較

項目通常の撤退買取・借上げ
原状回復費用100万円以上0円
撤退までの期間3~6ヶ月最短3営業日
手元資金マイナスプラス(数百万円)
手続きの手間自分で対応業者が代行

荒川区のように厳しい規制下で赤字が続く民泊は、早期の決断が損失を最小化する鍵となります。

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まとめ:荒川区の民泊は規制が厳しく収益化困難|早期判断が重要

荒川区の民泊を取り巻く状況をまとめると、以下のポイントが明確になります。

荒川区民泊の現実

  • 営業日数: 土日祝日のみ、年間約120日という厳しい制限
  • 条例の厳格性: 東京23区で最も厳しい部類、区全域が対象
  • 収益性: 固定費を賄うことすら困難、年間100万円前後の赤字も
  • 摘発リスク: 2025年11月に警視庁が初の強制捜査、罰則は最大懲役6ヶ月

取るべきアクション

  1. 現在営業中の方: 条例を厳守し、定期報告を怠らない。赤字が続くなら撤退も視野に
  2. 開業検討中の方: 荒川区での民泊は収益化が極めて困難であることを認識する
  3. 赤字が続く方: 放置コストが月数万円発生していることを自覚し、早期決断を

撤退を検討する際の選択肢

  • 原状回復して通常撤退(費用100万円以上、期間3~6ヶ月)
  • 買取・借上げで現金化(費用ゼロ、最短3営業日、数百万円の現金獲得)

民泊事業は早期の判断が損失を最小化します。「もう少し様子を見よう」と先延ばしにしている間も、毎月数万円の固定費が消えていきます。荒川区の厳しい規制環境では、撤退という選択も経営判断の一つです。

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※ 本記事の情報は2025年12月時点のものです。最新の条例内容や手続きについては、荒川区公式サイト民泊制度ポータルサイトで必ずご確認ください。

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