民泊の原状回復費用を徹底解説|工事別単価から0円にする裏技まで

民泊事業から撤退を検討しているものの、大家から「原状回復費用80万円」と請求されて困っていませんか? 民泊の原状回復費用は一般的に30〜130万円が相場ですが、物件の状態や運営期間、交渉方法によって大きく変動します。本記事では、民泊撤退時の原状回復費用について、工事項目別の単価相場、賃貸物件と所有物件での負担区分、費用を抑える5つの実践方法、そして原状回復費用を0円にする現況渡し買取という選択肢まで、国土交通省ガイドラインに基づいて徹底解説します。賃貸物件で高額請求に悩む事業者も、所有物件の売却を検討中のオーナーも、この記事を読めば最適な撤退方法が見つかります。

民泊の原状回復費用とは|一般賃貸との違いと法的義務

**民泊の原状回復費用は30〜130万円が相場であり、一般賃貸より高額になる傾向があります。**その理由は、不特定多数の宿泊者による損耗の加速、民泊特有の設備・損傷、そして消防設備撤去費用にあります。

原状回復の法的定義と民泊特有のリスク

原状回復とは、賃貸借契約終了時に、借主が物件を入居時の状態に戻すことを指します。改正民法第621条(2020年4月施行)では、「賃借人は、通常の使用及び収益によって生じた損耗並びに経年変化については原状回復義務を負わない」と規定されています。出典: e-Gov法令検索 民法第621条

つまり、通常の使用による損耗(日焼けによるクロスの変色、家具設置跡など)は貸主負担故意・過失による損傷(タバコの焦げ跡、壁の穴など)は借主負担というのが原則です。

しかし、民泊の場合は以下の理由で一般賃貸より原状回復費用が高額になります。

民泊が高額になる3つの理由:

  1. 不特定多数の出入りによる損耗の加速: 通常賃貸なら1世帯が数年間使用するのに対し、民泊は年間数十〜数百組のゲストが出入りするため、床・壁・設備の劣化が著しく早い
  2. 民泊特有の損耗: スーツケースによる床・壁の傷、キーボックスの設置跡、頻繁な鍵交換の必要性、多言語表示シールの貼り付け跡など
  3. 消防設備撤去費用: 旅館業法許可を取得している場合、誘導灯・消火器・自動火災報知設備などの撤去に10〜20万円の追加費用が発生

費用相場の目安(1R: 30〜70万円、2LDK: 70〜130万円)

物件タイプ別の原状回復費用相場は以下の通りです。

物件タイプ費用相場主な工事内容
1R・1K30〜70万円クロス全面張替え、床補修、ハウスクリーニング、鍵交換
1LDK50〜90万円上記+設備交換(エアコン・照明など)
2LDK以上70〜130万円上記+消防設備撤去(旅館業法許可物件の場合)

重要な注意点: 上記の費用相場は、不動産業界の一般的な相場をもとにした推計値です。民泊原状回復費用に関する公的統計は存在せず、実際の費用は物件の状態、地域、運営期間により大きく異なります。正確な見積もりは、必ず複数の専門業者に相談してください。

民泊撤退の手続き全体については、[民泊撤退の完全ガイド]で詳しく解説しています。

工事項目別の原状回復費用相場と耐用年数による減価償却

原状回復費用を正確に理解するには、工事項目ごとの単価と、耐用年数による減価償却の仕組みを知ることが重要です。

クロス・床・設備別の単価と耐用年数

国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(2011年)では、各部位の耐用年数が定められており、経過年数に応じて借主の負担割合が軽減されます。出典: 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」

工事項目別費用相場と耐用年数:

工事項目単価相場耐用年数備考
クロス張替え800〜1,500円/㎡6年量産品の場合。面積は専有面積の約2.5倍が目安
フローリング張替え4,000〜10,000円/㎡10〜15年部分補修で済む場合は1〜3万円/箇所
畳表替え3,000〜8,000円/畳5年裏返しは2〜3年
エアコン交換50,000〜100,000円/台6年標準タイプの場合
ハウスクリーニング1R: 30,000〜50,000円
2LDK: 70,000〜130,000円
必須項目
鍵交換10,000〜25,000円/箇所スマートロックは別途費用

耐用年数による減価償却の計算例:

例えば、クロス張替え費用が10万円で、入居から3年後に退去した場合:

  • 耐用年数6年の50%が経過しているため、残存価値は50%
  • 借主負担額 = 10万円 × 50% = 5万円

このように、**運営期間が長いほど借主の負担割合は減少します。**大家から全額請求された場合でも、耐用年数を根拠に減額交渉が可能です。

消防設備撤去費用の詳細(旅館業法許可物件の場合)

旅館業法の許可を取得して民泊を運営していた場合、消防設備の撤去費用が追加で発生します。これは見落とされがちですが、10〜20万円の負担となるため注意が必要です。

消防設備別の撤去費用:

設備撤去費用備考
誘導灯5〜8万円天井埋込型は高額
消火器1〜2万円撤去・処分費用
自動火災報知設備5〜10万円配線撤去を含む
避難器具3〜5万円設置箇所により異なる
合計10〜20万円旅館業法許可物件のみ

住宅宿泊事業法(民泊新法)のみで運営していた場合、消防設備の設置義務は限定的なため、撤去費用は発生しないか、数万円程度に抑えられます。

注意: 上記の費用相場は推計値です。実際の費用は物件の状態、地域、業者により異なります。正確な見積もりは複数の専門業者にご相談ください。

原状回復費用を抑える5つの実践方法|賃貸・所有物件別の対処法

原状回復費用は、適切な対応により大幅に削減できます。賃貸物件と所有物件で対処法が異なるため、それぞれ解説します。

賃貸物件での費用削減方法(相見積もり・減価償却適用・不当請求への反論)

賃貸物件で民泊を運営していた場合、以下の5つの方法で費用を削減できます。

費用削減の5つの実践方法:

① 入居時・退去時の写真記録を徹底
入居時に物件の状態を詳細に撮影し、退去時と比較できるようにしておきます。「入居時から既にあった傷」を証明できれば、借主負担から除外できます。

② 契約書の特約を確認し、不当条項は消費者契約法第10条で無効主張
「クリーニング代全額借主負担」「経年劣化も借主負担」などの特約は、消費者契約法第10条により無効となる可能性があります。出典: 消費者庁「消費者契約法」

消費者契約法第10条では、「消費者の権利を制限し、または消費者の義務を加重する条項であって、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものは無効」と規定されています。

③ 複数業者から相見積もりを取得(20〜40%の価格差)
大家が指定する業者だけでなく、自分でも複数の業者から見積もりを取得しましょう。同じ工事内容でも20〜40%の価格差があることは珍しくありません。

④ 国土交通省ガイドラインを根拠に不当請求に反論
「全額借主負担」と言われても、国土交通省ガイドラインと耐用年数を根拠に、「経年劣化分は貸主負担」と主張できます。具体的な計算式を提示して交渉しましょう。

⑤ 消費生活センターや国民生活センターに相談
自力での交渉が難しい場合、消費生活センター(188)や国民生活センターに相談できます。専門の相談員が交渉をサポートしてくれます。

所有物件は現況渡し買取で原状回復費用0円も可能

区分マンションや一戸建てを所有して民泊を運営していた場合、現況渡しで買取してもらうことで、原状回復費用を0円にできます。

原状回復 vs 現況渡し買取の比較:

項目原状回復後に仲介売却現況渡しで買取
原状回復費用50〜130万円(自己負担)0円(買取業者が負担)
売却期間3〜6ヶ月1〜2ヶ月(最短3営業日)
売却価格市場価格の90〜110%市場価格の70〜80%
手残り例(市場価格2,500万円の物件)2,250万円 – 100万円 = 2,150万円1,800万円(原状回復不要)
差額▲350万円

判断のポイント:

  • 原状回復費用を支払う資金がない場合は、現況渡し買取が有力
  • 早期に現金化したい(3ヶ月以内)場合も、現況渡し買取が有利
  • 手残り額を最大化したい場合は、原状回復後の仲介売却を検討

原状回復費用を支払う資金がない、または早期に現金化したい場合、現況渡しでの買取も選択肢の一つです。StayExitでは、家具家電もそのまま買取可能で、最短3営業日での成約実績があります。

まとめ|民泊の原状回復費用を理解し、最適な撤退方法を選択する

本記事の要点を3つにまとめます。

  1. 民泊の原状回復費用は30〜130万円が相場(一般賃貸より高額): 不特定多数の宿泊者による損耗の加速、民泊特有の設備・損傷、消防設備撤去費用により、一般賃貸より高額になります。ただし、耐用年数による減価償却が適用されるため、運営期間が長いほど借主負担は軽減されます。
  2. 費用削減には入居時の記録、相見積もり、ガイドラインに基づく交渉が必須: 入居時・退去時の写真記録、国土交通省ガイドラインを根拠にした耐用年数計算、複数業者からの相見積もり取得により、20〜40%の費用削減が可能です。不当な請求には消費者契約法第10条を根拠に無効を主張できます。
  3. 所有物件は現況渡し買取で原状回復費用0円も可能: 区分マンションや一戸建てを所有している場合、現況渡しで買取してもらうことで原状回復費用50〜130万円を0円にできます。売却価格は市場価格の70〜80%程度になりますが、最短3営業日で現金化できるメリットがあります。

読者の状況別アクション:

  • 賃貸物件で民泊を運営していた方: まず契約書と入居時の写真を確認し、大家から請求された原状回復費用の内訳を精査しましょう。複数業者から相見積もりを取得し、国土交通省ガイドラインを根拠に減額交渉を行ってください。交渉が難しい場合は消費生活センター(188)に相談できます。
  • 所有物件で民泊を運営していた方: 「原状回復後に仲介売却」と「現況渡しで買取」の2つの選択肢を比較検討しましょう。時間に余裕があり手残り額を最大化したい場合は前者、資金に余裕がなく早期現金化したい場合は後者が有利です。
  • 原状回復費用が支払えない方: 大家と分割払いの交渉を試みるか、買取業者に現況渡し買取を相談しましょう。放置すると法的措置(損害賠償請求、強制執行)に発展するリスクがあります。

民泊撤退の手続きと費用の全体像については[民泊撤退の手続き完全ガイド]で、民泊買取の相場と業者選びについては[民泊買取の相場と業者選び]で詳しく解説しています。

民泊撤退時の原状回復費用でお悩みの際は、StayExitの無料査定をご利用ください。現況渡しで買取可能、原状回復費用50〜130万円が不要になります。最短3営業日での成約、家具家電もそのまま買取可能、1Rから一棟まで対応しています。


免責事項:
本記事の情報は2026年1月時点のものです。法律・条例・市場状況は変動する可能性がありますので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

本記事の費用相場は、不動産業界の一般的な相場をもとにした推計値を含みます。民泊原状回復費用に関する公的統計は存在せず、実際の費用は物件の状態、契約内容、地域、運営期間により大きく異なります。正確な見積もりは、必ず複数の専門業者にご相談されることをおすすめします。

原状回復に関するトラブルが発生した場合、国民生活センターや消費生活センター、弁護士などの専門家にご相談ください。

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