川崎市の民泊は条例制限なし!開業・撤退の全手順と注意点

川崎市で民泊を始める方法を徹底解説します。川崎市は条例による営業日数制限がなく、年間180日まで営業が可能です。届出手続き、消防法令への適合、そして撤退時の選択肢(廃業・売却・買取)まで網羅的に紹介します。羽田空港至近という立地メリットと競合状況もデータを交えて解説しますので、開業判断や撤退検討の参考にしてください。

川崎市の民泊とは?規制・届出の基本を解説

川崎市は民泊の営業日数制限がない希少エリア

川崎市で民泊を運営する最大の特徴は、条例による営業日数制限が設けられていないことです。川崎市公式サイト「住宅宿泊事業の届出についての御案内」によると、「川崎市においては、現在、条例による区域を定めた営業日数の制限はしておりません」と明記されています。

これは東京23区の一部や横浜市など、多くの自治体が独自条例で営業日数を制限している状況と比較すると、非常に恵まれた環境といえます。国の住宅宿泊事業法(民泊新法)で定められた年間180日の上限まで、フルに活用できるのです。

自治体営業日数制限
川崎市制限なし(年間180日まで営業可能)
横浜市一部地域で制限あり
東京都新宿区住居専用地域で月曜正午~金曜正午は営業不可
東京都渋谷区住居専用地域で月曜正午~土曜正午は営業不可

住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく届出が必要

川崎市で民泊を始めるには、2018年6月に施行された住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく届出が必要です。この法律では、住宅を活用して宿泊サービスを提供する事業を「住宅宿泊事業」と定義し、以下のルールを設けています。

住宅宿泊事業法の主な要件:

  • 年間の宿泊日数は180日以内
  • 都道府県知事(川崎市の場合は市長)への届出が必要
  • 衛生確保措置、騒音防止、苦情対応など管理義務を負う
  • 消防法令への適合が必須

届出先は川崎市観光プロモーション推進担当となり、必要書類を揃えて提出する必要があります。この記事では、川崎市で民泊を開業するための具体的な手続き、運営時のメリット・デメリット、そして撤退を検討する際の選択肢まで、網羅的に解説していきます。

川崎市で民泊を始める5つのステップ

ステップ1~2(事前準備・消防法令適合)

ステップ1: 用途地域と管理規約の確認

まず確認すべきは、民泊を開業したい物件が法的に営業可能かどうかです。住宅宿泊事業法では、用途地域による制限はありませんが、分譲マンションの場合は管理規約で民泊が禁止されていないか必ず確認してください。国土交通省の調査によると、管理規約で民泊を禁止するマンションは年々増加しており、事前確認を怠ると後々トラブルになる可能性があります。

賃貸物件の場合は、オーナーから書面で民泊営業の承諾を得る必要があります。口頭での了承だけでは届出時に不十分とされるケースがあるため、必ず書面で記録を残しましょう。

ステップ2: 消防法令への適合

民泊開業で最も重要なのが消防法令への適合です。総務省消防庁「民泊における消防法令上求められる対応」のリーフレットによると、民泊施設には以下の消防用設備等の設置が義務付けられています。

  • 消火器の設置
  • 自動火災報知設備の設置(延べ面積や構造による)
  • 誘導灯の設置(必要に応じて)
  • 避難経路図の掲示

川崎市内の各区を管轄する消防署に事前相談し、物件の構造や面積に応じた必要設備を確認してください。消防法令適合の検査を受け、適合していることの確認を得てから、住宅宿泊事業の届出を行います。

ステップ3~4(届出書類作成・提出)

ステップ3: 届出書類の作成

川崎市への届出には以下の書類が必要です(川崎市公式サイト参照)。

  • 住宅宿泊事業届出書
  • 住宅の図面(各階平面図、周辺見取図)
  • 住宅の登記事項証明書
  • 賃貸借契約書の写し(賃貸物件の場合)
  • 管理業務の委託契約書の写し(管理業者に委託する場合)
  • 消防法令適合通知書

書類は川崎市の公式サイトからダウンロードできます。記入方法に不明点がある場合は、届出前に観光プロモーション推進担当に電話で相談することをおすすめします。

ステップ4: 川崎市への届出提出

書類が揃ったら、川崎市観光プロモーション推進担当に届出を提出します。

提出先:

  • 川崎市経済労働局観光・地域活力推進部観光プロモーション推進担当
  • 住所: 〒210-0007 川崎市川崎区駅前本町11-2 川崎フロンティアビル9階
  • 電話: 044-200-2568

届出が受理されると、届出番号が発行されます。この番号は民泊サイトへの物件登録時に必要になるため、大切に保管してください。

ステップ5(事業開始・運営)

届出が完了したら、いよいよ民泊事業を開始できます。Airbnbや楽天STAYなどの民泊予約サイトに物件を登録し、宿泊者の受け入れを始めましょう。

運営開始後は以下の義務を守る必要があります:

  • 年間営業日数180日以内の管理(宿泊日数の記録保持)
  • 宿泊者名簿の作成・保管(3年間)
  • 2カ月ごとの定期報告(宿泊日数等を川崎市に報告)
  • 近隣住民からの苦情対応
  • 衛生管理(定期清掃、換気など)

特に定期報告を怠ると、業務改善命令や事業廃止命令の対象となる可能性があるため、忘れずに実施してください。

川崎市で民泊を運営するメリット・デメリット

メリット(羽田至近・規制が緩い・インバウンド需要)

メリット1: 羽田空港まで電車で約20分のアクセス

川崎市最大の強みは、羽田空港へのアクセスの良さです。京急川崎駅から羽田空港第1・第2ターミナル駅まで最短15分、JR川崎駅から京急線に乗り換えても約20分で到着できます。国際線が発着する羽田空港第3ターミナルへも約20分です。

この立地は、特に早朝便・深夜便を利用する旅行者にとって非常に魅力的です。都心のホテルに比べて宿泊料金を抑えられる上、空港へのアクセスも良好なため、宿泊先として選ばれやすい条件が揃っています。

メリット2: 営業日数制限がなく年間180日フル活用可能

前述の通り、川崎市は条例による営業日数制限を設けていません。これは他の自治体と比較して大きなアドバンテージです。例えば東京都新宿区では住居専用地域で平日の営業が実質的に制限されており、年間の営業可能日数が大幅に減少します。

川崎市では法定上限の180日まで営業できるため、収益機会を最大化できます。

メリット3: インバウンド需要の回復

日本政府観光局(JNTO)の統計によると、2024年以降、訪日外国人観光客数はコロナ前の水準を回復しています。羽田空港を玄関口とする川崎エリアは、この恩恵を受けやすい立地にあります。

特に近年は、東京都心だけでなく周辺エリアにも宿泊需要が分散する傾向が見られ、川崎市も「羽田に近い手頃な宿泊地」として注目されています。

メリット詳細
羽田空港至近京急線で15~20分、早朝便・深夜便利用者に人気
規制が緩い条例制限なし、年間180日営業可能
インバウンド需要訪日客の増加で宿泊需要が回復傾向

デメリット(競合増加・稼働率低下リスク・管理負担)

デメリット1: 神奈川県内で約3,500件の競合

観光庁「住宅宿泊事業法に基づく届出及び登録の状況」によると、神奈川県内には約3,500件の民泊施設が届出されています(2024年時点)。川崎市内だけでも数百件規模の民泊が営業していると推定され、競合は年々増加しています。

特に羽田空港周辺エリアは民泊開業の人気エリアであり、価格競争が激化する可能性があります。差別化戦略(清潔さ、設備の充実、多言語対応など)を講じなければ、稼働率を維持するのは容易ではありません。

デメリット2: 稼働率低下リスク

民泊事業は、観光需要の変動や競合状況に大きく左右されます。新型コロナウイルス感染症のような予期せぬ事態が発生すると、稼働率が急激に低下し、赤字に転落するリスクがあります。

また、年間180日の営業制限があるため、ホテルや旅館のように通年営業で収益を安定化させることができません。閑散期には予約が入らず、固定費(光熱費、通信費、管理費)だけが発生する状況も想定しておく必要があります。

デメリット3: ゴミ処理・近隣対応の管理負担

民泊運営で見落とされがちなのが、日常的な管理業務の負担です。宿泊者のチェックイン・チェックアウト対応、清掃、リネン交換、ゴミ処理、近隣住民からの苦情対応など、通常の賃貸経営以上に手間がかかります。

特にゴミ処理は川崎市の条例に従う必要があり、宿泊者が分別ルールを守らない場合は、オーナー自身が対応しなければなりません。管理業務を外部委託すると、売上の20~30%程度の手数料が発生するため、収益性が悪化します。

デメリット詳細
競合増加神奈川県内約3,500件、価格競争激化
稼働率低下リスク観光需要変動、年間180日制限で収益不安定
管理負担ゴミ処理、近隣対応、清掃などの日常業務

川崎市の民泊を撤退・廃業する3つの方法

方法①廃業届を提出して通常賃貸に転換

民泊事業を終了する最もシンプルな方法は、廃業届を提出して通常の賃貸物件に転換することです。川崎市「変更・廃業等に必要な手続き」によると、民泊事業を廃止した場合、その日から30日以内に廃業届出書の提出が必要です。

廃業届の提出方法:

  • 住宅宿泊事業廃業届出書を川崎市観光プロモーション推進担当に提出
  • 提出期限: 廃業日から30日以内
  • 提出方法: 窓口持参または郵送

廃業後は通常の賃貸物件として入居者を募集できます。民泊用に設置した消防設備(消火器など)はそのまま残しても問題ありませんが、不要であれば撤去しても構いません。

この方法が適している人:

  • 物件を手放したくない、長期的に保有したい
  • 安定した賃貸収入を得たい
  • 民泊の管理業務から解放されたい

注意点:
通常賃貸への転換は手続きが簡単ですが、民泊時代より賃料収入が減少する可能性があります。また、入居者が見つかるまで空室期間が発生するリスクもあります。

方法②物件を売却・買取してもらう

民泊事業から完全に撤退し、物件も手放したい場合は、売却または買取を検討しましょう。特に「民泊物件の買取」を専門とする業者を利用すれば、スピーディーに現金化できます。

物件売却・買取のメリット:

  • まとまった現金が手に入る
  • 管理業務・固定費負担から即座に解放される
  • 現況渡しOKの業者なら、リフォームや清掃不要

物件売却・買取のデメリット:

  • 物件を失うため、将来的な値上がり益を得られない
  • 買取価格が市場価格より低くなる場合がある

この方法が適している人:

  • 民泊事業を続ける気力・時間がない
  • すぐに現金化したい
  • 複数物件を一括で処分したい

一般的な不動産仲介では売却まで数カ月かかることもありますが、買取専門業者なら最短3営業日で成約できるケースもあります。現況渡しに対応している業者を選べば、清掃や設備撤去の手間も省けます。

民泊撤退でお困りの場合、物件の買取や借上げを専門とする業者への相談も選択肢の一つです。StayExitでは、最短3営業日での成約、現況渡しOK、1Rから5棟一括まで対応しています。

方法③借上げサービスを活用する

物件を手放したくないが、自分で運営するのは難しいという場合は、借上げサービスの活用も検討できます。借上げサービスとは、不動産業者が物件を一括で借り上げ、通常賃貸または民泊として運営してくれるサービスです。

借上げサービスのメリット:

  • 物件の所有権を維持できる
  • 安定した賃料収入(借上げ家賃)を得られる
  • 管理業務を一切行わなくて良い

借上げサービスのデメリット:

  • 借上げ家賃は市場賃料の70~90%程度になることが多い
  • 契約期間中は自由に物件を使えない

この方法が適している人:

  • 物件を将来的に相続や自己使用する予定がある
  • 安定収入を優先したい
  • 管理業務を完全に外注したい
撤退方法メリットデメリット適している人
廃業届提出手続き簡単、物件保有継続賃料収入減の可能性、空室リスク物件を手放したくない
売却・買取即座に現金化、管理負担ゼロ物件を失う、買取価格が低い場合もすぐに現金化したい
借上げ物件保有、安定収入、管理不要借上げ賃料が低め、自由度低い安定収入を優先したい

川崎市の民泊に関するよくある質問(FAQ)

川崎市で民泊は何日まで営業できますか?

川崎市では、住宅宿泊事業法に基づき年間180日以内の営業が可能です。川崎市は条例による営業日数の上乗せ制限を設けていないため、法律で定められた上限いっぱいまで営業できます。

営業日数のカウント方法は、宿泊者が宿泊した日数(正午から翌日正午までを1日とカウント)で計算します。例えば、宿泊者が金曜日の夕方にチェックインし、日曜日の朝にチェックアウトした場合、金曜日と土曜日の2日間として計上されます。

営業日数は2カ月ごとに川崎市に報告する義務があり、180日を超えた場合は住宅宿泊事業法違反となります。超過が判明すると業務改善命令や事業廃止命令の対象となるため、必ず日数管理を行ってください。

川崎市の民泊で食事提供はできますか?

民泊施設で宿泊者に食事を提供する場合、飲食店営業許可が別途必要です。住宅宿泊事業法では、宿泊サービスの提供のみが認められており、食事提供は対象外となっています。

飲食店営業許可を取得するには、以下の要件を満たす必要があります:

  • 厨房設備が保健所の基準を満たしている(シンク、換気設備など)
  • 食品衛生責任者の設置
  • 各区の保健所への申請・検査

川崎市内の保健所は以下の通りです:

  • 川崎区: 川崎区役所保健福祉センター(044-201-3189)
  • 幸区: 幸区役所保健福祉センター(044-556-6682)
  • 中原区: 中原区役所保健福祉センター(044-744-3104)

ただし、住宅の一室を民泊として使用する場合、厨房設備の基準を満たすのは難しいケースが多く、食事提供を行わない民泊運営が一般的です。朝食などを提供したい場合は、近隣の飲食店と提携して食事券を配布する方法もあります。

まとめ|川崎市で民泊を始める・撤退する際のポイント

川崎市での民泊について、重要なポイントを整理します。

  • 川崎市は条例による営業日数制限がなく、年間180日まで営業可能。他の自治体と比べて規制が緩く、開業しやすい環境です。
  • 開業には川崎市への届出と消防法令への適合が必須。特に消防設備の設置は義務であり、管轄消防署への事前相談が欠かせません。
  • 羽田空港至近という立地メリットがある一方、神奈川県内約3,500件の競合が存在。事前に市場調査を行い、差別化戦略を練ることが重要です。
  • 撤退時は廃業届提出・売却・借上げの3つの選択肢を検討。それぞれメリット・デメリットがあるため、自身の状況に合わせて最適な方法を選びましょう。

民泊事業は、開業のハードルは比較的低いものの、継続的な収益を上げるには立地選び・価格設定・清潔な運営が求められます。川崎市は羽田空港至近という強みがある一方、競合も多いため、慎重な事業計画が必要です。

開業を検討している方は、まず消防署と川崎市観光プロモーション推進担当に相談し、必要な手続きと設備要件を確認してください。すでに民泊を運営中で撤退を考えている方は、廃業届の提出期限(廃業日から30日以内)を守り、物件の処分方法を早めに検討することをおすすめします。

民泊撤退でお悩みの際は、StayExitの無料査定をご利用ください。最短3営業日での成約、現況渡しOK、1Rから5棟一括まで対応可能です。専門スタッフが最適な撤退方法をご提案いたします。無料査定はこちら


免責事項:
本記事の情報は2026年1月時点のものです。法律・条例・市場状況は変動する可能性がありますので、最新情報は川崎市公式サイト等でご確認ください。

今すぐ民泊物件の査定!

    検討中のサービス(複数選択可)*


    上部へスクロール