民泊買取時の税金はいくら?譲渡所得税の計算方法を解説

民泊物件を買取業者に売却する際、多くのオーナーが不安に感じるのが**「税金がいくらかかるのか?」**という点です。特に、赤字続きで撤退を決断した場合、「損失が出ているのに税金を払う必要があるのか?」と疑問を持つ方も少なくありません。本記事では、民泊買取時にかかる税金の種類(譲渡所得税・住民税)、短期譲渡と長期譲渡の税率比較、具体的な計算例、赤字売却時の扱い、3,000万円特別控除などの節税方法、そして確定申告の必要性まで、実務に役立つ情報を簡潔に解説します。

▼この記事でわかること

  • 民泊買取時にかかる税金は「譲渡所得税」と「住民税」の2種類
  • 短期譲渡(5年以内)は税率39%、長期譲渡(5年超)は税率20%
  • 赤字売却の場合は税金ゼロ、ただし確定申告は必要
  • 3,000万円特別控除は民泊専用物件では原則対象外
  • 税理士への相談が必要なケースと費用相場

1. 民泊買取時にかかる税金の種類と計算方法

1-1. 譲渡所得税と住民税の基本

民泊物件を買取業者に売却した際にかかる税金は、主に以下の2つです。

【課税される税金】

  1. 譲渡所得税(所得税)
  2. 住民税

【課税対象】 売却価格から取得費(購入価格+諸費用)と譲渡費用(仲介手数料等)を差し引いた**「譲渡所得」**に対して課税されます。

【譲渡所得の計算式】

譲渡所得 = 売却価格 - (取得費 + 譲渡費用)

【取得費に含まれるもの】

  • 物件購入価格
  • 購入時の仲介手数料
  • 登記費用(登録免許税、司法書士報酬)
  • 不動産取得税
  • 測量費、解体費(該当する場合)
  • リフォーム・リノベーション費用
  • 減価償却費を差し引いた金額(建物部分)

【譲渡費用に含まれるもの】

  • 売却時の仲介手数料(買取の場合は不要)
  • 測量費、解体費(売却に伴うもの)
  • 印紙税
  • 立退料(賃貸に出していた場合)

【税率:所有期間で大きく異なる】

民泊物件の所有期間によって、税率が大きく異なります。

所有期間区分所得税率住民税率合計税率
5年以内短期譲渡所得30%9%39%
5年超長期譲渡所得15%5%20%

※別途、復興特別所得税(所得税額の2.1%)が加算されます。

【重要ポイント】

  • 所有期間の起算日は「売却した年の1月1日時点」で判定
  • 例:2020年6月に購入→2025年7月に売却した場合
    • 売却日(2025年7月)から見れば5年超だが、2025年1月1日時点では4年7ヶ月のため「短期譲渡」扱い
    • 2026年1月以降に売却すれば「長期譲渡」になる

参考:国税庁「譲渡所得の計算方法」

【関連記事】 →民泊 売却|民泊物件売却の基礎知識


1-2. 具体的な計算例

【ケース①:利益が出た場合(長期譲渡)】

前提条件:

  • 購入価格:1,000万円(取得費)
  • 売却価格:1,200万円(買取業者への売却)
  • 譲渡費用:50万円(測量費、買取手数料等)
  • 所有期間:6年(長期譲渡)

計算:

譲渡所得 = 1,200万円 - (1,000万円 + 50万円) = 150万円

所得税 = 150万円 × 15% = 22.5万円
住民税 = 150万円 × 5% = 7.5万円
復興特別所得税 = 22.5万円 × 2.1% = 約0.5万円

合計税額 = 約30.5万円

結論: 売却価格1,200万円のうち、約30.5万円が税金として支払われます。


【ケース②:損失が出た場合(赤字売却)】

前提条件:

  • 購入価格:1,000万円(取得費)
  • 売却価格:800万円(買取業者への売却)
  • 譲渡費用:30万円
  • 所有期間:3年(短期譲渡)

計算:

譲渡所得 = 800万円 - (1,000万円 + 30万円) = -230万円(損失)

税額 = 0円(譲渡所得がマイナスの場合、課税なし)

重要ポイント:

  • ✅ 赤字で売却した場合、譲渡所得税は発生しません
  • ✅ ただし、確定申告は必要です(後述)
  • ✅ 損失が出た場合、他の所得(給与所得等)と損益通算できる場合あり(要件を満たす場合のみ)

2. 民泊買取時に使える節税方法と控除制度

2-1. 3,000万円特別控除(居住用財産)

【制度の概要】 自分が住んでいた家屋を売却する場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。

【適用条件】

  • 自分が住んでいた家屋であること
  • 売却した年の前年および前々年にこの特例を受けていないこと
  • 売却先が配偶者や直系血族ではないこと

【民泊物件への適用可否】

  • 民泊専用物件は原則対象外
    • 投資用として購入・運営していた物件は「居住用財産」と認められない
  • 自宅の一部を民泊にしていた場合
    • 居住部分と民泊部分を按分し、居住部分のみ適用できる可能性あり
    • ただし、税務署の判断が分かれるケースが多く、事前に税務署または税理士に確認必須

【注意点】 民泊として運営していた物件は、国税庁の判断基準で「居住用財産」と認められないケースが多いため、安易に適用を前提にしないことが重要です。

参考:国税庁「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」


2-2. 減価償却費を取得費に含める

【減価償却とは】 建物は時間とともに価値が減少するため、税務上「減価償却費」として毎年一定額を経費計上できます。売却時には、この累計額を取得費から差し引く必要があります。

【減価償却の計算式】

減価償却費 = 建物取得価格 × 0.9 × 償却率 × 経過年数

【主な建物構造の償却率】

  • 木造住宅:0.046(耐用年数22年)
  • 鉄骨造(厚さ3mm以下):0.053(耐用年数19年)
  • 鉄筋コンクリート造:0.022(耐用年数47年)

【計算例】

  • 建物取得価格:800万円(土地と建物の按分後)
  • 木造住宅(償却率0.046)
  • 所有期間:5年
減価償却費 = 800万円 × 0.9 × 0.046 × 5年 = 約165.6万円
取得費(建物部分) = 800万円 - 165.6万円 = 634.4万円

【重要な注意点】 減価償却により取得費が下がるため、譲渡所得が増える点に注意が必要です。これは「節税」というより「正確な税額計算のため」の処理です。

【関連記事】 →民泊 譲渡所得税|譲渡所得税の詳細解説


3. 確定申告の必要性と手続きの流れ

3-1. 確定申告が必要なケース

民泊物件を買取で売却した場合、以下のケースでは確定申告が必要です。

【必ず申告が必要】

  • ✅ 譲渡所得が発生した(利益が出た)場合
  • ✅ 特別控除(3,000万円控除等)を適用する場合

【申告推奨(義務ではないが有利)】

  • ✅ 譲渡損失が出た場合
    • 他の所得(給与所得等)と損益通算できる可能性あり
    • 翌年以降に繰り越して控除できるケースもあり

【確定申告の期限】

  • 売却した年の翌年2月16日~3月15日
  • 例:2025年に売却→2026年2月16日~3月15日に申告

【必要書類】

  1. 売買契約書(購入時・売却時)
  2. 仲介手数料等の領収書
  3. 登記事項証明書(法務局で取得)
  4. 譲渡所得の内訳書(税務署で入手またはダウンロード)
  5. リフォーム・リノベーション費用の領収書(取得費に含める場合)

【申告方法】

  • 国税庁「確定申告書等作成コーナー」でオンライン作成・提出
  • 税務署窓口で紙の申告書を提出
  • e-Taxでの電子申告

参考:国税庁「確定申告書等作成コーナー」


3-2. 税理士への相談が必要なケース

以下のケースでは、税理士への相談を強く推奨します。

【税理士相談が必要なケース】

  • ✅ 譲渡所得が500万円以上
  • ✅ 複数物件を同時に売却
  • ✅ 自宅兼民泊で3,000万円控除が適用できるか不明
  • ✅ 減価償却の計算が複雑(リフォーム履歴が多い、建物と土地の按分が不明等)
  • ✅ 過去に民泊以外の不動産売却歴があり、損益通算の可否を確認したい

【税理士費用の相場】

  • 確定申告代行:5万円~15万円程度(譲渡所得の金額により変動)
  • 税務相談のみ:1万円~3万円程度

【税理士に依頼するメリット】

  • 正確な税額計算で過払い・追徴を防げる
  • 節税対策の提案を受けられる
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【関連記事】 →民泊 売却 確定申告|確定申告の詳細手順


まとめ|民泊買取時の税金は事前シミュレーションが重要

民泊物件を買取業者に売却する際、以下の3点が重要です。

【ポイント①:税金の種類と税率を理解する】

  • 譲渡所得税と住民税が課税される
  • 短期譲渡(5年以内)は税率39%、長期譲渡(5年超)は税率20%
  • 赤字売却の場合は税金ゼロ(ただし確定申告は必要)

【ポイント②:節税方法を活用する】

  • 3,000万円特別控除は民泊専用物件では原則対象外(自宅兼民泊は要確認)
  • 減価償却費を正確に計算し、取得費に反映

【ポイント③:確定申告は必須】

  • 売却した年の翌年2月16日~3月15日に申告
  • 税理士への相談が必要なケースは早めに依頼(費用相場5万円~15万円)

【税金シミュレーションの重要性】

民泊買取を検討する際、「売却価格」だけでなく「税金を引いた手取り額」を事前に把握することが重要です。STAY EXITでは、買取査定と同時に税理士が税金シミュレーションを無料で作成しますので、安心して売却を進められます。

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※ 本記事の情報は2025年12月時点のものです。実際の内容と異なる可能性がありますので、最新情報は国税庁HP、税務署、または税理士にご確認ください。税金の計算は個別の状況により異なるため、正確な税額は税理士にご相談ください。

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