民泊撤退手続きの完全ガイド|廃業届から原状回復まで徹底解説

民泊運営からの撤退を決断した方にとって、「何から手をつければいいのか」「どんな手続きが必要なのか」は大きな不安です。本記事では、民泊撤退手続きの具体的な流れを、許認可の種類別に順序立てて解説します。

民泊撤退手続きの全体像|5つのステップで完了

撤退手続きの5ステップ(時系列で解説)

民泊撤退手続きは、以下の5つのステップで完了します。

【撤退手続きの5ステップ】

STEP 1:撤退決定・予約処理(所要:即日~1週間)
撤退日を決定し、予約済みゲストへのキャンセル対応を開始します。

STEP 2:廃業届・廃止届の提出(所要:1~3日)
許認可の種類に応じて、自治体または保健所に廃業届を提出します。期限は事業廃止日から10日以内が一般的です。

STEP 3:契約解除の通知(所要:1週間~1ヶ月)
管理会社、清掃業者、Airbnbなどとの契約を解除します。

STEP 4:原状回復・設備撤去(所要:2週間~2ヶ月)
賃貸物件の場合は原状回復工事を実施。所有物件の場合は売却前に実施するか、現況渡しで売却します。

STEP 5:最終確認・税務処理(所要:1~2週間)
すべての手続きが完了したか最終確認し、確定申告で廃業を報告します。

合計所要期間:1~3ヶ月

許認可の種類別に異なる手続きのポイント

民泊撤退手続きは、取得している許認可の種類によって異なります。

【許認可の種類と主な違い】

許認可の種類廃業届の名称提出先提出期限
住宅宿泊事業法廃業等届出書都道府県知事等事業廃止日から10日以内
旅館業許可(簡易宿所)廃止届保健所自治体により異なる(10日以内が一般的)
特区民泊特定認定の取消届自治体(特区担当部署)自治体により異なる

まずは、自分がどの許認可で運営しているかを確認しましょう。届出書や許可証を見れば、すぐに判別できます。

民泊撤退を検討すべきタイミングや全体像については、こちらの記事で詳しく解説しています


【最重要】廃業届・廃止届の提出方法|許認可別の完全ガイド

民泊撤退手続きで最も重要なのが、廃業届・廃止届の提出です。期限内に提出しないと、運営実態がなくても届出が残り続け、行政指導の対象になる可能性があります。

住宅宿泊事業法の廃業届(10日以内提出)

住宅宿泊事業法に基づいて民泊を運営している場合、以下の手続きが必要です。

提出書類:「廃業等届出書」
提出先: 都道府県知事等(各自治体の民泊担当窓口)

  • 東京都の場合:都市整備局住宅政策推進部
  • 大阪市の場合:健康局健康推進部生活衛生課

提出期限: 事業を廃止した日から10日以内

必要書類:

  • 廃業等届出書(自治体の公式サイトからダウンロード可能)
  • 住宅宿泊事業届出番号(届出書に記載)
  • 本人確認書類(運転免許証など)

提出方法:

  • 窓口持参、郵送、またはオンライン申請(自治体により異なる)
  • 控えが必要な場合は、返信用封筒を同封

観光庁の「住宅宿泊事業法ガイドライン」(2024年)によると、廃業等届出は事業廃止日から10日以内の提出が義務付けられています。

旅館業法・特区民泊の廃止届

**旅館業許可(簡易宿所)**で運営している場合:

提出書類:「廃止届」
提出先: 保健所(旅館業法担当部署)
提出期限: 自治体により異なるが、一般的に10日以内

必要書類:

  • 廃止届(保健所の窓口または公式サイトから入手)
  • 旅館業許可証(原本)
  • 営業許可番号

特区民泊で運営している場合:

提出書類:「特定認定の取消届(廃止届)」
提出先: 自治体の特区民泊担当部署

  • 東京都大田区の場合:観光・国際都市部観光課
  • 大阪市の場合:経済戦略局観光部観光課

提出期限: 自治体により異なる(事前に確認が必要)

重要: 旅館業許可や特区民泊の場合、廃止届の書式や提出先が自治体ごとに大きく異なります。必ず事前に管轄の保健所または自治体に確認してください。


予約処理・契約解除・原状回復の手順|タイミングと注意点

廃業届の提出と並行して、実務的な手続きを進める必要があります。ここでは、予約キャンセル、契約解除、原状回復の具体的な手順を解説します。

予約済みゲストへのキャンセル対応(撤退決定後すぐ)

撤退を決定したら、まず予約済みゲストへのキャンセル対応を最優先で行います。

対応手順:

1. 予約状況の確認
Airbnb、楽天トラベル、じゃらん、直接予約など、すべての予約を確認します。

2. キャンセル通知の送信
各ゲストに丁寧に事情を説明し、キャンセルを通知します。

【キャンセル通知文例】

件名:【重要】ご予約のキャンセルに関するお知らせ

〇〇様

いつも当施設をご利用いただきありがとうございます。

大変申し訳ございませんが、諸般の事情により、〇月〇日をもちまして民泊の営業を終了することとなりました。

つきましては、〇月〇日のご予約をキャンセルさせていただきます。ご予約代金は全額返金いたします。

ご迷惑をおかけして誠に申し訳ございません。何卒ご理解のほどお願い申し上げます。

[施設名]
[連絡先]

3. 全額返金の手続き
予約プラットフォーム経由の場合は、プラットフォームの規定に従って返金処理を行います。直接予約の場合は、クレジットカード会社または銀行振込で返金します。

4. 代替施設の提案(任意)
可能であれば、近隣の代替施設を提案すると、ゲストの満足度を保てます。

管理会社・Airbnb・設備業者との契約解除

管理会社との契約解除:

  • 契約書の解約条項を確認し、解約予告期間を確認(通常1~3ヶ月前)
  • 解約通知書を書面で提出(メールと郵送の両方推奨)
  • 最終月の管理費用を精算
  • 鍵やアクセスカードなどの備品を返却

Airbnbのリスティング削除:

  1. Airbnbにログイン→「リスティング」を選択
  2. 該当リスティングを「非公開」に設定(今後の予約を防ぐ)
  3. すべての予約がキャンセル・完了したら、リスティングを「削除」
  4. レビューや写真をバックアップ(削除すると復元不可)

清掃業者・設備保守業者との契約解除:

  • 契約解除の通知を1~2ヶ月前に送付
  • 最終清掃の日時を調整
  • 未払い費用があれば精算

原状回復の実施:

賃貸物件の場合、原状回復工事が必要です。

原状回復の範囲:

  • 壁紙の張替え
  • 床の補修・クリーニング
  • 水回りの清掃・修繕
  • 家具家電の撤去(契約による)

費用の目安:

  • 1R~1K:50~80万円
  • 1LDK~2LDK:80~150万円
  • 一棟戸建て:150万円以上

ただし、物件を売却する場合は、「現況渡し」で買取業者に引き取ってもらえば、原状回復費用を節約できます。

民泊の原状回復費用について詳しくはこちら


【撤退手続きのサポートが必要な方へ】

民泊撤退の手続きでお困りの際は、専門業者への相談も有効です。StayExitでは、廃業届の代行サポート、予約キャンセル対応、原状回復まで、撤退手続きをワンストップでサポートしています。

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民泊撤退手続きのチェックリスト|漏れなく完了するために

民泊撤退手続きは複数の手続きが並行して進むため、漏れが発生しやすくなります。ここでは、手続き漏れを防ぐためのチェックリストと、よくある失敗例を紹介します。

撤退手続きチェックリスト(印刷・保存用)

以下のチェックリストを活用して、手続き漏れを防ぎましょう。

【民泊撤退手続きチェックリスト】

□ 準備段階

  • □ 撤退日(事業廃止日)の決定
  • □ 賃貸契約の解約予告期間の確認
  • □ 売却・買取の検討と業者への相談

□ 予約・ゲスト対応

  • □ 予約状況の確認(Airbnb・楽天・直接予約)
  • □ 予約済みゲストへのキャンセル通知
  • □ 全額返金の手続き

□ 廃業届・廃止届

  • □ 廃業届・廃止届の準備(書式のダウンロード)
  • □ 必要書類の確認(届出番号・許可証など)
  • □ 提出期限の確認(事業廃止日から10日以内)
  • □ 廃業届の提出(窓口・郵送・オンライン)
  • □ 控えの保管

□ 契約解除

  • □ 管理会社への解約通知(1~3ヶ月前)
  • □ Airbnbリスティングの非公開・削除
  • □ 楽天トラベル・じゃらんの登録削除
  • □ 清掃業者との契約解除
  • □ 設備保守業者との契約解除
  • □ Wi-Fi・光熱費などの契約解除

□ 原状回復・物件処分

  • □ 原状回復工事の見積もり取得
  • □ 原状回復工事の実施
  • □ 家具家電の処分または売却
  • □ 物件の売却・買取手続き

□ 税務・最終確認

  • □ 確定申告での廃業報告
  • □ 未払い費用の精算
  • □ すべての契約解除の確認
  • □ 鍵・アクセスカードの返却

よくある失敗と対策

民泊撤退手続きでよくある失敗と、その対策を紹介します。

失敗例1:廃業届の提出期限(10日以内)を過ぎた

リスク: 行政指導の対象になる可能性があります。また、届出が残り続けると、運営実態がなくても報告義務が継続します。

対策: 撤退日を決定したら、すぐに廃業届の準備を開始しましょう。期限は「事業廃止日から10日以内」です。余裕を持って提出してください。

失敗例2:予約キャンセル対応が遅れてトラブル

リスク: ゲストが直前までキャンセルを知らず、現地に到着してトラブルになります。低評価レビューや補償請求のリスクもあります。

対策: 撤退を決定したら、即座に予約済みゲストへのキャンセル通知を送信しましょう。少なくとも2週間以上前に通知することが望ましいです。

失敗例3:管理会社との契約解除が間に合わず余計な費用発生

リスク: 解約予告期間(1~3ヶ月)を守らないと、違約金や余分な管理費用が発生します。

対策: 管理委託契約書の解約条項を必ず確認し、規定の期間前に解約通知を送付しましょう。書面(メールと郵送)で通知し、証拠を残すことが重要です。

失敗例4:原状回復費用が予想以上に高額

リスク: 原状回復費用が100万円以上かかり、撤退費用が膨らみます。

対策: 物件を買取業者に「現況渡し」で売却すれば、原状回復費用を節約できます。複数の買取業者に査定を依頼し、条件を比較しましょう。

民泊撤退時の費用について詳しくはこちら


まとめ|民泊撤退手続きを確実に完了させるために

民泊撤退手続きは、以下の5つのステップで完了します。

  1. 撤退決定・予約処理(即日~1週間)
  2. 廃業届・廃止届の提出(1~3日、期限:事業廃止日から10日以内)
  3. 契約解除の通知(1週間~1ヶ月)
  4. 原状回復・設備撤去(2週間~2ヶ月)
  5. 最終確認・税務処理(1~2週間)

特に重要なポイント:

  • ✓ 廃業届は事業廃止日から10日以内に提出(期限厳守)
  • ✓ 予約済みゲストへのキャンセル通知は撤退決定後すぐに実施
  • ✓ 管理会社との契約解除は1~3ヶ月前に通知
  • ✓ 原状回復費用を節約したい場合は「現況渡し」での買取を検討

民泊撤退手続きは複雑で、手続き漏れや期限超過のリスクもあります。不安がある場合は、専門業者のサポートを活用することをおすすめします。


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免責事項:
本記事の情報は2025年12月時点のものです。法律・条例・市場状況は変動する可能性がありますので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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