河口湖エリアで民泊を運営しているものの、2024年以降の急激な供給増加と稼働率低下により、売却を検討されている方は少なくありません。2024〜2025年にかけて河口湖の民泊は555軒に急増し、前年比で**40%も増加しました。その結果、平均稼働率は2024年の75%から2026年1月時点で40%まで低下し、売上も前年比で-19%**という厳しい状況が報告されています。
「仲介、買取、M&A、どの方法が自分に合っているのか」「市場回復を待つべきか、今すぐ手放すべきか」と迷われる方も多いでしょう。
本記事では、河口湖エリアの民泊市場の実情を踏まえ、3つの売却方法の違いと判断基準、具体的な手順までを一貫して解説します。
河口湖の民泊市場の実情と売却検討の理由
供給過多と稼働率低下の実態
2024年から2025年にかけて、河口湖エリアの民泊施設数は555軒へと急増し、前年比+40%という供給過多の局面に入りました(TOCORO調査)。一方で、エリア全体の稼働率は75%から40%へと急落(PriceLabo調査)。民泊の売上も前年比-19%を記録しており(X投稿データ)、収益環境は厳しさを増しています。
具体的なデータ
- 物件数:555軒(2025年7月時点、前年比+40%)
- 稼働率:2024年平均75% → 2026年1月40%(TOCORO管理物件は57%維持)
- 売上:前年比-19%(2025年7月)
- 宿泊予約数:過去1年で120,150件(前年93,317件から増加)
予約数自体は増加しているものの、物件数の急増により1物件あたりの予約が分散し、多くのオーナーが収益悪化に直面しています。河口湖エリアの民泊市場動向については、民泊市場の現状と今後で詳しく解説しています。
180日制限と宿泊税導入のリスク
民泊新法では年間180日までの営業と定められ、180日を超えた場合は6か月以下の懲役または3万円以下の罰金が科されます(富士河口湖町公式HP)。さらに2025年10月からは宿泊税が導入され(富士河口湖町宿泊税検討委員会)、運営コストはさらに増加します。
規制とコストの概要
- 年間営業日数制限:180日まで(超過時は罰則)
- 宿泊税:2025年10月導入予定
- 条例:住宅宿泊事業の届出要件と区域制限(山梨県公式HP)
稼働率40%の状況では、実質的な営業日数は180日×40% = 約72日にとどまり、固定費(固定資産税・管理費・光熱費等)を回収することさえ困難なケースが増えています。
インバウンド需要の変動と季節波動
2025年の訪日外客数は1〜11月累計で3906.56万人と、すでに2024年通年(3687.01万人)を上回っています(観光庁統計)。河口湖町も令和6年に多くのインバウンド観光旅行者を受け入れました(富士河口湖町観光統計)。
しかし、夏季は高稼働(平均92%の事例も)ながら、閑散期は20〜30%へ低下する季節波動が大きく、年間を通じた安定収益は困難です。富士山ビューという圧倒的なブランド力があるものの、供給過多により価格競争が激化し、差別化が難しい物件は稼働率低下に直面しています。
河口湖の民泊を売却する3つの方法と比較
民泊を手放す方法は大きく分けて「仲介」「買取」「M&A(事業譲渡)」の3つがあります。それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選ぶことが重要です。
仲介売却
特徴
- 市場価格で売却が可能
- 売却期間は3〜6ヶ月
- 仲介手数料は売却価格の3%(税別)が一般的
- 買主との交渉が必要
メリット
- 高値で売却できる可能性が高い
- 買主を広く募集できる
- 一般個人・投資家など幅広い層が対象
デメリット
- 売却までの期間が長い
- 内覧対応・価格交渉の手間がかかる
- 売却期間中も固定費が発生
向いている人
- 時間に余裕がある
- 高値で売却したい
- 河口湖在住で内覧対応が可能
買取
特徴
- 専門業者が直接買取
- 最短3営業日で成約可能
- 仲介手数料は無料
- 現況渡しOK(家具・家電そのまま)
メリット
- スピード重視で確実に売却できる
- 内覧対応・交渉が不要
- 遠隔地からでも手続き可能
- 原状回復費用が不要
デメリット
- 売却価格は市場価格の70〜85%程度
向いている人
- 早く確実に売却したい
- 遠隔運営で管理負担が大きい
- 稼働率40%以下の低稼働物件
- 現況渡しで手離れしたい
民泊買取の詳細は、民泊買取の完全ガイドをご参照ください。
M&A(事業譲渡)
特徴
- 民泊事業ごと譲渡
- 営業実績・顧客リスト・予約データが評価対象
- 売却期間は2〜6ヶ月
メリット
- のれん代が上乗せされる可能性
- 高稼働物件(稼働率60%以上)は高値売却も
- 事業の継続を前提とした売却
デメリット
- 買い手探しが難しい(事業運営者・投資家に限定)
- 手続きが複雑(契約書・法務・税務)
- デューデリジェンスが必要
向いている人
- 稼働率60%以上の高稼働物件
- リピーター顧客・高評価レビューがある
- 事業価値を含めて高値で売却したい
3つの方法の比較表
| 項目 | 仲介 | 買取 | M&A |
| 売却期間 | 3〜6ヶ月 | 最短3営業日 | 2〜6ヶ月 |
| 売却価格 | 市場価格(高値) | 市場価格の70〜85% | 市場価格+のれん代 |
| 手数料 | 3%(税別) | 無料 | 仲介・専門家費用 |
| 手続き負担 | 中(内覧・交渉あり) | 低(現況渡しOK) | 高(契約書複雑) |
| 売却確実性 | 中(買主次第) | 高(業者直接買取) | 低(買い手限定) |
| 向いている人 | 時間に余裕、高値希望 | 早く確実に売却したい | 高稼働物件、事業継続希望 |
河口湖の民泊売却を成功させる4つの判断ポイント
どの売却方法を選ぶべきかは、以下の4つのポイントで判断できます。
判断ポイント1:売却スピードの優先度
今すぐ手放したい
- 稼働率40%の状況で管理コスト・固定資産税を早く止めたい
- 次の投資や資金用途が決まっている
- → 買取(最短3営業日〜1ヶ月)
時間をかけて高値を狙える
- 売却期間中も管理を継続できる
- 3〜6ヶ月待てる
- 市場回復の可能性に期待
- → 仲介(3〜6ヶ月)またはM&A(2〜6ヶ月)
判断ポイント2:手残り額の重視度
手残り額を最大化したい
- 仲介で市場価格を狙う(手数料3%)
- M&Aでのれん代を狙う(高稼働物件のみ)
- → 仲介またはM&A
早期現金化を優先
- 買取で市場価格の70〜85%で確実に売却
- 手数料無料
- → 買取
判断ポイント3:手続き負担の許容度
手間をかけたくない
- 遠隔運営で内覧対応が困難
- 現況渡しで手離れしたい
- → 買取
高値のために手間をかけられる
- 内覧対応・価格交渉が可能
- 河口湖在住または近隣
- → 仲介
事業価値を評価してもらいたい
- 契約書作成・デューデリジェンスに対応できる
- 法務・税務の専門家に相談可能
- → M&A
現況渡しのメリットについては、民泊売却で現況渡しを選ぶメリットと注意点で詳しく解説しています。
判断ポイント4:物件の稼働状況と市場評価
高稼働物件(稼働率60%以上)
- 仲介またはM&Aで高値売却を狙う
- 事業価値(リピーター顧客・予約データ)を評価してもらう
- → 仲介またはM&A
低稼働物件(稼働率40%以下)
- 買取で早期現金化が現実的
- 市場価格の70〜85%でも確実に売却
- → 買取
遠隔運営・相続物件
- 管理負担を最小化
- 現況渡しで手離れを優先
- → 買取
河口湖エリアの平均稼働率が40%まで低下している現状では、多くの物件が「低稼働」に該当し、買取が現実的な選択肢となっています。
河口湖の民泊を売却する手順(方法別)
ここでは、仲介・買取・M&Aそれぞれの具体的な手順を解説します。
仲介売却の手順(3ステップ)
ステップ1:不動産会社へ査定依頼
複数の不動産会社に査定を依頼し、相場を把握します。
- 査定依頼時の必要情報:物件住所、築年数、延床面積、間取り、民泊届出番号、設備リスト、稼働実績、富士山ビューの有無
- 査定額・仲介手数料・販売戦略を比較
- 査定期間:1〜7日
ステップ2:媒介契約締結と販売活動
査定額を比較し、不動産会社と媒介契約を締結します。
- 専任媒介または一般媒介を選択
- 販売活動開始(広告掲載・内覧対応)
- 買主との価格交渉
ステップ3:売買契約締結と引渡し
買主が見つかったら、売買契約を締結します。
- 手付金受領(売却価格の10%程度)
- 残代金決済・所有権移転登記
- 住宅宿泊事業廃止届を提出(都道府県知事へ)
全体スケジュール:3〜6ヶ月
買取の手順(3ステップ)
ステップ1:買取業者へ査定依頼
専門業者に無料査定を依頼します。
- オンラインまたは電話で査定依頼
- 現況写真・運営実績を共有
- 査定期間:最短即日〜7日
買取業者の選び方については、民泊買取業者の選び方と比較ポイントで詳しく解説しています。
ステップ2:買取価格の提示と契約交渉
買取業者から買取価格が提示されます。
- 買取価格の確認(市場価格の70〜85%)
- 引渡し条件の確認(現況渡しの可否)
- 複数社を比較
ステップ3:売買契約締結と決済
条件に合意したら、売買契約を締結します。
- 売買契約書の署名・捺印
- 決済・所有権移転登記
- 現況渡しOK(残置物そのままでも可)
- 住宅宿泊事業廃止届を提出
全体スケジュール:最短3営業日〜1ヶ月
M&Aの手順(3ステップ)
ステップ1:M&A仲介会社へ相談
M&A仲介会社に事業評価を依頼します。
- 事業評価(営業実績・顧客リスト・予約データ)の査定
- のれん代の算定
- 相談料・成功報酬の確認
ステップ2:買い手探しとマッチング
仲介会社が買い手を探索します。
- ノンネームシートで匿名募集
- 買い手候補とのトップ面談
- デューデリジェンス(財務・法務・運営体制の精査)
ステップ3:事業譲渡契約締結
買い手との条件合意後、契約を締結します。
- 事業譲渡契約書の作成(法務・税務の専門家同席)
- 譲渡価格(物件価格+のれん代)の決済
- 事業引継ぎ(予約・顧客情報・Airbnbアカウント等)
- 住宅宿泊事業廃止届を提出(または事業者変更届)
全体スケジュール:2〜6ヶ月
売却後の手続き
売却完了後も、以下の手続きが必要です。
住宅宿泊事業廃止届
- 廃業日から30日以内に都道府県知事へ提出
- 詳しくは住宅宿泊事業の廃止届を出す手順と注意点をご確認ください
確定申告
- 売却益は譲渡所得として申告
- 所有期間5年超で長期譲渡所得(税率20.315%)
火災保険・損害保険の解約
- 売却日に合わせて解約手続き
- 未経過保険料の返金を受ける
まとめ:河口湖の民泊売却、次の一歩をどう選ぶ?
3つの売却方法の選び方(再整理)
仲介
- 時間に余裕がある
- 高値で売却したい
- 買主を広く募集したい
- 河口湖在住で内覧対応が可能
買取
- 早く確実に売却したい
- 手間を最小化したい
- 遠隔運営・低稼働物件(稼働率40%以下)
- 現況渡しで手離れしたい
M&A
- 高稼働物件(稼働率60%以上)
- 事業継続を前提に高値売却を狙う
- リピーター顧客・高評価レビューがある
河口湖エリアの今後の見通し
河口湖の民泊市場は、供給過多が当面継続する見込みです。
- 物件数555軒(前年比+40%)の状況は短期間では解消されない
- 稼働率40%前後が常態化する可能性
- 2025年10月の宿泊税導入で運営コスト増
- インバウンド需要は堅調だが、物件数増により1物件あたりの予約は分散
このような市場環境では、「今が売却検討のタイミング」という判断も合理的です。市場回復を待つリスクと、早期に手放すメリットを天秤にかけ、冷静に判断することが重要です。
StayExitの撤退支援サービス
河口湖の民泊売却をご検討の方は、StayExitへご相談ください。買取・仲介・借上げの3つの選択肢から、あなたに最適な方法をご提案します。
サービス内容
- 買取・借上げ・仲介の3つの選択肢
- 最短3営業日で成約
- 現況渡しOK
- 1室〜5棟一括対応
- 河口湖・富士五湖エリアを含む全国対応
- 相談無料・査定無料
無料査定・無料相談はこちらからお申し込みいただけます。
免責事項
本記事は2026年1月時点の情報をもとに作成しています。民泊に関する法律・条例は改正される場合があり、売却価格・稼働率等のデータは地域・物件により異なります。実際の売却検討にあたっては、専門家への相談をおすすめします。
