伊豆で民泊を買取に出すなら仲介と買取、どっち?判断基準を整理

伊豆半島で民泊を運営しているものの、夏季と閑散期の極端な稼働率の差や、年間180日の営業制限による収益の不安定さから売却を検討されている方は少なくありません。夏の海水浴シーズンは稼働率90%と好調でも、春秋の閑散期には20〜30%まで落ち込み、年間平均では40〜60%程度にとどまるケースが一般的です。

「買取と仲介、どちらが自分に合っているのか」「夏季まで待つべきか、今すぐ手放すべきか」と迷われる方も多いでしょう。

本記事では、伊豆エリアの民泊市場の実情を踏まえ、買取と仲介の違い、4つの判断ポイント、具体的な撤退手順までを一貫して解説します。

伊豆の民泊はなぜ買取を検討するのか?季節波動と規制の実情

年間180日の営業制限と静岡県の規制

住宅宿泊事業法により、届出を行った民泊は年間180日までしか営業できません。さらに静岡県の条例では、学校・児童福祉施設の周囲110メートル以内のエリアでは、平日(月曜日正午〜金曜日正午)の営業が原則禁止されています。

この規制により、学校周辺で平日営業ができない物件の場合、実質的に週末と祝日のみの営業となり、180日の上限を活用しきれないケースもあります。

伊豆半島の季節波動と稼働率の実情

伊豆半島の民泊は極端な季節波動が特徴です。hudousanlink.jpの調査によれば、夏季(7〜8月)の稼働率は**90%に達する一方、春秋の閑散期には20〜30%まで低下します。年間平均では40〜60%**程度にとどまります。

季節別の需要イメージ

  • 夏季(7〜8月):海水浴シーズンで稼働率90%、高単価設定が可能
  • ゴールデンウィーク・年末年始:一時的に需要増
  • 春秋の閑散期:稼働率20〜30%、価格競争が激化
  • 冬季:温泉需要はあるが海水浴シーズンほどではない

180日の営業上限と季節波動を組み合わせると、実質的な営業日数は年間100〜140日程度に制約されます。夏季に集中的に稼働させても、閑散期の空室期間が長く、年間通じた安定収益の確保が困難です。

民泊市場全体の動向については、民泊市場の現状と今後で詳しく解説しています。

インバウンド増加の兆しと課題

一方で、インバウンド需要には明るい兆しもあります。伊豆市の観光調査結果(令和6年度)によれば、2024年の外国人宿泊客数は4.2万人に達し、前年比**165%**という大幅な増加を記録しました。

しかし、伊豆市の総宿泊客数に占める外国人比率はまだ限定的であり、インバウンド需要だけで季節波動を補うには至っていません。

売却を検討する主な理由

伊豆の民泊オーナーが買取を検討する主な理由は以下の通りです。

  1. 季節波動による収益の不安定さ(夏季90%、閑散期20〜30%)
  2. 年間180日制限による営業日数の制約
  3. 学校周辺規制による平日営業の制限
  4. 遠隔運営の負担(首都圏から2〜3時間、清掃手配・トラブル対応が困難)
  5. 閑散期の管理コスト負担(固定資産税・管理代行費用は通年発生)
  6. 収益が管理コストを下回る赤字化

伊豆ブランド(温泉・海・自然体験)の強みは不動産市場を下支えする一方、「夏季の高稼働は魅力的だが、通年運営は難しい」という背景があります。

地方での民泊運営の課題については、別記事で詳しく解説しています。

買取と仲介、どっち?伊豆で判断する4つのポイント

民泊を手放す方法は大きく分けて「買取」と「仲介」の2つがあります。どちらを選ぶべきかは、以下の4つのポイントで判断できます。

買取の基本については、民泊買取の完全ガイドをご覧ください。

買取と仲介の違い(比較表)

項目買取仲介
成約速度最短3営業日〜1ヶ月3〜6ヶ月
売却価格市場価格の70〜85%市場価格(高値期待)
手間最小限(現況渡し可)内覧対応・交渉必要
現況渡し可能原則不可(原状回復必要)
向いている人急ぎ・遠隔運営・閑散期夏季まで待てる・在住・高値優先

判断ポイント1:季節需要への対応力(夏季まで待てるか、急ぎか)

夏季(7〜8月)まで待てる

  • 夏の海水浴シーズンは稼働率90%、買い手の購入意欲も高まる
  • 仲介で市場価格に近い高値が期待できる
  • → 仲介で高値を狙う

閑散期で今すぐ手放したい

  • 春秋の閑散期は稼働率20〜30%、管理コストが負担
  • 買取なら季節に関係なく最短3営業日〜1ヶ月で成約可能
  • → 買取で早期撤退

判断ポイント2:遠隔運営の負担(首都圏在住か、伊豆在住か)

首都圏在住・遠隔運営

  • 伊豆まで車で2〜3時間、内覧対応のために現地に行くのは困難
  • 清掃手配・トラブル対応も管理代行に依存
  • 管理代行費用は売上の20〜30%が相場
  • → 買取(内覧対応不要、現況渡し可)

伊豆在住・近隣

  • 内覧対応・管理継続が可能
  • 地元ネットワークを活用できる
  • → 仲介可能

判断ポイント3:売却の緊急性(今すぐか、時間をかけられるか)

今すぐ手放したい

  • 閑散期の管理コスト・固定資産税を早く止めたい
  • 次の投資や資金用途が決まっている
  • → 買取(最短3営業日〜1ヶ月)

時間をかけて高値を狙える

  • 売却期間中も管理を継続できる
  • 3〜6ヶ月待てる
  • → 仲介(3〜6ヶ月)

判断ポイント4:現況渡しの可否(原状回復費用の負担)

原状回復費用を避けたい

  • 家具・家電・寝具をそのまま引き渡したい
  • 買取なら「現況渡し」が可能
  • 原状回復費用(数十万〜100万円超)が不要
  • → 買取

費用をかけて高値を狙う

  • 原状回復・クリーニングを行い、物件を整えて売却
  • 仲介で市場価格に近い価格が期待できる
  • → 仲介

現況渡しのメリットについては、民泊売却で現況渡しを選ぶメリットと注意点で詳しく解説しています。

判断フローチャート(簡易版)

遠隔運営 + 閑散期 + 急ぎ → 買取

伊豆在住 + 夏季まで待てる + 高値優先 → 仲介

伊豆で民泊を買取に出す手順(3ステップ)

買取を選択した場合の具体的な流れを3ステップで解説します。

ステップ1:査定依頼(2〜3社)

まず複数の買取業者に査定を依頼します。必要な情報は以下の通りです。

  • 物件の住所・築年数・延床面積・間取り
  • 民泊届出番号(住宅宿泊事業)
  • 設備リスト(家具・家電・寝具・Wi-Fi等)
  • 直近の稼働率・売上実績(季節別データがあると良い)
  • 海までの距離(徒歩何分、車で何分)
  • 駐車場の有無・台数
  • 管理費・修繕積立金・固定資産税などのランニングコスト

オンライン査定(写真・資料のみ)と現地査定を併用し、1〜7日で査定額が提示されます。査定は原則無料です。

買取業者の選び方については、民泊買取業者の選び方と比較ポイントで詳しく解説しています。

ステップ2:条件交渉・契約

査定額を受け取ったら、以下の条件を比較・交渉します。

  • 買取価格(市場価格の70〜85%が目安)
  • 引渡し時期(最短3営業日〜3ヶ月)
  • 現況渡しの可否
  • 廃業届の代行サポートの有無

契約書では、以下の項目を必ず確認してください。

  • 瑕疵担保免責条項(現況渡しの場合、売主の瑕疵担保責任が免除されるケースが多い)
  • 手付金・残金の支払時期
  • 所有権移転登記の時期

重要事項説明を受け、契約書に署名・捺印します。

夏季予約のキャンセル対応

売却決定後、Airbnb・Booking.com等のプラットフォームで既に受け付けている夏季予約をどうするか確認が必要です。買取業者が予約を引き継ぐケースもあれば、売主がキャンセル対応するケースもあります。早めに対応方針を決めましょう。

ステップ3:決済・引渡し・廃業届提出

決済日に残金を受領し、所有権移転登記を行います。同時に以下を引き継ぎます。

  • 鍵(マスターキー・スペアキー)
  • 民泊管理アカウント(Airbnb・Booking.com等)
  • 清掃業者・Wi-Fiルーター等の引継ぎ
  • 設備リスト・取扱説明書

廃業届(住宅宿泊事業廃止届)の提出

民泊の運営を終了する場合、事業廃止から10日以内に廃業届を提出する必要があります。

  • 提出先:静岡県または物件所在地の保健所(詳細は静岡県公式HPを参照)
  • 必要書類:廃止届出書、届出番号通知書の写し等

多くの買取業者は廃業届の提出代行サービスを提供しています。手続きに不安がある方は、サポート付きの業者を選ぶと安心です。

廃業届の詳細は、住宅宿泊事業の廃止届を出す手順と注意点をご確認ください。

全体のスケジュール目安

  • 査定依頼〜査定額提示:1〜7日
  • 条件交渉〜契約:1〜2週間
  • 決済〜引渡し:契約から2週間〜1ヶ月

最短で3営業日での成約も可能です。全体として1〜3ヶ月が目安となります。

まとめ|伊豆の民泊買取で大切なこと

伊豆半島の民泊は夏季の稼働率90%という強みがある一方、閑散期には20〜30%まで低下し、年間平均では40〜60%程度にとどまります。年間180日の営業制限や学校周辺での平日営業制限も加わり、通年での安定収益確保は容易ではありません。

買取と仲介の選び方

  • 買取:遠隔運営+閑散期+急ぎ+現況渡し希望 → 最短3営業日〜1ヶ月
  • 仲介:伊豆在住+夏季まで待てる+高値優先 → 3〜6ヶ月

4つの判断ポイント

  1. 季節需要への対応力(夏季まで待てるか、急ぎか)
  2. 遠隔運営の負担(首都圏在住か、伊豆在住か)
  3. 売却の緊急性(今すぐか、時間をかけられるか)
  4. 現況渡しの可否(原状回復費用の負担)

民泊を手放すことは「撤退」ではなく、「次のステージへの選択肢」です。伊豆の不動産を賃貸に転換する、他のエリアに投資する、あるいは事業から完全に手を引いて資金を別の用途に回すなど、さまざまな道があります。

季節需要(夏季の高稼働)を活かして仲介で高値を狙うか、閑散期でも買取で早期撤退するか、冷静に判断することが重要です。地方での民泊売却全般については、地方での民泊売却完全ガイドをご参照ください。

売却を検討される際は、複数の買取業者に査定を依頼し、それぞれの条件を比較されることをお勧めします。伊豆の季節波動や市場動向を熟知した専門家に相談することで、より適切な判断ができるでしょう。より詳しい情報が必要な場合は、無料査定サービスなどを活用し、具体的な査定額や条件を確認されると良いでしょう。


免責事項

本記事は2026年1月時点の情報に基づいて作成されています。静岡県・伊豆エリアの民泊規制・市場状況は変更される可能性がありますので、最新情報は静岡県公式HP等でご確認ください。また、民泊の買取・売却に関する判断は、専門家(不動産業者・税理士等)への相談を推奨します。

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