大阪の民泊規制で撤退すべき?3つの判断基準と売却の選択肢

大阪で民泊を運営中のオーナー様、「規制が厳しくて稼働率が上がらない」「このまま続けても黒字化しないのでは?」とお悩みではありませんか?この記事では、大阪の民泊規制が撤退理由になるケースと、規制別の撤退判断基準を解説します。

大阪市は住居専用地域での平日営業制限や学校100m規制など、全国でも厳しい規制を敷いており、届出件数は2019年比で約30%減少(観光庁2025)しています。「規制で稼働日数が年間120日に制限されている」「規制で赤字だが売却できるのか」――そんな疑問に、実務で使える判断基準をお届けします。

本記事では、大阪の規制内容・撤退判断基準・売却の選択肢まで、損失を最小化するための情報を網羅しました。

大阪の民泊規制はなぜ厳しい?3つの規制内容を整理

大阪で民泊を運営する際、全国共通の規制に加えて、大阪市独自の厳しい規制が存在します。これらの規制が重なることで、当初想定していた収益を大きく下回り、撤退を余儀なくされるケースが増えています。

規制①:民泊新法の年間180日制限(全国共通)

住宅宿泊事業法(民泊新法)により、民泊の営業日数は年間180日までと定められています。

営業日数の計算方法

  • 期間:4月1日正午〜翌年4月1日正午
  • カウント方法:宿泊者を実際に宿泊させた日数(予約が入っていても実際に宿泊がなければカウントされない)

違反した場合の罰則

  • 業務停止命令
  • 6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金

この180日制限は全国共通ですが、大阪市ではこれにさらに厳しい独自規制が上乗せされています。

規制②:大阪市条例による住居専用地域の平日制限

大阪市は独自条例により、住居専用地域(第一種・第二種低層住居専用地域など)では平日営業を禁止しています。これが大阪の民泊規制が特に厳しいと言われる最大の理由です。

営業可能な時間帯

  • 金曜日正午〜月曜日正午
  • 祝前日正午〜祝日翌日正午

つまり、週末と祝日のみしか営業できません。

実質的な営業日数への影響

  • 民泊新法の年間180日制限に加え、住居専用地域では実質年間120〜140日程度に減少
  • 週末のみの営業となるため、平日のビジネス客需要を一切取り込めない
  • 長期連休(ゴールデンウィーク・年末年始)以外は稼働率が大幅に低下

該当エリア

  • 住吉区、東住吉区、平野区などの住宅地の大部分
  • 中央区や北区でも住居専用地域に指定されているエリアは制限対象

この規制により、物件取得時には「年間180日フル活用できる」と想定していたオーナー様が、実際には120〜140日しか営業できず、大幅な収益減少に直面しています。

規制③:学校から100m以内の区域での制限

小学校・中学校の敷地から100m以内の区域では、住居専用地域と同様に平日営業が禁止されています。

この規制の特徴

  • 大阪市全域に適用される
  • 商業地域であっても、学校100m圏内なら平日営業不可
  • 学校周辺は静穏な環境を維持するための措置

実務上の問題点
商業地域は賃料が高い(月15〜20万円程度)にもかかわらず、学校100m圏内に該当すると平日営業ができないため、高い固定費を回収できずに赤字に陥るケースが多発しています。

物件を取得する際、学校からの距離を正確に測定せずに契約してしまい、後から規制に該当することが判明するというトラブルも見られます。

大阪の規制が厳しい背景

なぜ大阪市はこれほど厳しい規制を設けているのでしょうか。

規制強化の背景

  • 近隣住民からの苦情増加(騒音・ゴミ問題で年間約150件の苦情、2024年)
  • 住環境保護を最優先とする市の方針
  • 観光需要と地域住民の生活のバランスを取る必要性
  • 特区民泊(365日営業可能)との棲み分け

大阪市は、観光都市として民泊を完全に禁止するのではなく、住環境を守りながら限定的に認めるという方針を取っています。そのため、住居専用地域では厳しい制限を設ける一方で、商業地域では比較的緩やかな運営を認めるという二段階のアプローチを採用しています。

また、国家戦略特区として365日営業可能な特区民泊制度も用意されており、長期滞在客をターゲットにする事業者には別の選択肢が提供されています。

大阪の民泊市場全体像やエリア別収益性については、大阪 民泊で詳しく整理しています。規制内容を理解する前に、まずは大阪の民泊環境を把握しておくと判断がスムーズです。

大阪の民泊規制で撤退すべきケースはどれ?判断基準を整理

規制内容を理解したところで、「自分の物件は撤退すべきなのか、それとも継続可能なのか」を判断する基準を見ていきましょう。規制の種類と物件の立地条件によって、取るべき選択肢は大きく異なります。

撤退推奨①:住居専用地域で実質稼働日数が年間120日以下

判断基準

  • 住居専用地域に該当し、平日営業禁止により年間稼働日数が120〜140日に制限されている
  • 賃料が月10万円以上
  • 改善策を実施しても稼働率が60%以下

収益シミュレーション

例:難波近郊の住居専用地域、1DK物件の場合

  • 宿泊単価:7,000円
  • 年間営業可能日数:120日(週末・祝日のみ)
  • 稼働率:70%
  • 年間売上:7,000円 × 120日 × 0.7 = 約58.8万円

これに対して固定費は:

  • 賃料:月10万円 × 12ヶ月 = 120万円
  • 管理費・修繕積立金:月2万円 × 12ヶ月 = 24万円
  • 光熱費・ネット:月1.5万円 × 12ヶ月 = 18万円
  • 年間固定費合計:162万円

年間収支:58.8万円 – 162万円 = マイナス103.2万円

さらに、予約サイトの手数料(15〜20%)、清掃費、消耗品費なども考慮すると、実質的な赤字はさらに拡大します。

結論:住居専用地域で賃料が月10万円以上の場合、構造的に黒字化は困難であり、撤退を推奨します。

撤退推奨②:学校100m圏内で平日営業できない商業地域

判断基準

  • 商業地域だが学校100m圏内に該当し、平日営業が制限されている
  • 賃料が月15万円以上
  • 周辺に競合物件が多い

問題点
商業地域は立地が良い反面、賃料が高額です。難波・心斎橋の商業地域であれば、1DKでも月15〜20万円の賃料が発生します。

しかし、学校100m圏内に該当すると、営業日数は住居専用地域と同じ120〜140日程度に制限されます。高い賃料に対して収益が見合わず、毎月10万円以上の赤字が発生するケースが多く見られます。

結論:商業地域の高い賃料を、制限された営業日数では回収できないため、撤退を推奨します。

継続可能:商業地域で180日フル活用できる物件

判断基準

  • 中央区・北区などの商業地域に所在
  • 学校100m圏外(平日営業可能)
  • 立地が良く(難波・心斎橋・梅田から徒歩5分以内)
  • 稼働率60%以上を維持できている

収益シミュレーション

例:難波駅徒歩3分、商業地域、1DK物件の場合

  • 宿泊単価:8,000円
  • 年間営業可能日数:180日
  • 稼働率:70%
  • 年間売上:8,000円 × 180日 × 0.7 = 約100.8万円

固定費:

  • 賃料:月15万円 × 12ヶ月 = 180万円
  • その他(管理費・光熱費など):年間50万円
  • 年間固定費合計:230万円

予約サイト手数料(20%)を差し引いた実質売上:100.8万円 × 0.8 = 約80.6万円

年間収支:80.6万円 – 230万円 = マイナス149.4万円

この例では赤字ですが、宿泊単価を1万円に設定し、稼働率75%を維持できれば:

  • 年間売上:10,000円 × 180日 × 0.75 = 135万円
  • 実質売上(手数料控除後):108万円
  • 年間収支:108万円 – 230万円 = マイナス122万円

依然として厳しいですが、さらに稼働率を上げる、または複数室を運営してスケールメリットを出すことで黒字化の可能性があります。

結論:商業地域で180日フル活用でき、立地が良く稼働率60%以上を維持できる場合は、改善策を実施しながら継続する選択肢もあります。

規制回避の選択肢:特区民泊への切り替え

大阪市は国家戦略特区に指定されており、**特区民泊(365日営業可能)**の制度があります。

特区民泊の特徴

  • 365日営業可能(民泊新法の180日制限なし)
  • 最低滞在期間:6泊7日以上
  • 旅館業法の簡易宿所に近い位置づけ

メリットとデメリット

メリット

  • 年間を通じて営業できるため、収益性が高い
  • 長期滞在客(ビジネス客・家族旅行)を安定的に獲得できる

デメリット

  • 最低滞在日数6泊7日の制限により、短期客を取り込めない
  • 長期滞在客の需要は限定的
  • 認定手続きが複雑で費用もかかる

向いているケース

  • ビジネス客や長期滞在客をターゲットにできる立地
  • 複数室を運営し、一部を特区民泊に切り替える

特区民泊への切り替えは、全ての物件に適しているわけではありませんが、住居専用地域で平日営業できない場合の代替策として検討する価値があります。

撤退を決断した場合の手続きや費用については、民泊 撤退で詳しく解説しています。廃業届の提出方法や原状回復の注意点もまとめています。


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大阪の民泊を規制で撤退する場合の3つの選択肢

規制により撤退を決断した場合、主に3つの選択肢があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分の状況に最適な方法を選びましょう。

選択肢①:仲介売却で市場価格の90〜100%を狙う

向いているケース

  • 商業地域で立地が良い(難波・心斎橋・梅田から徒歩5分以内)
  • 稼働実績が良好(年間稼働率60%以上)
  • 時間的余裕がある(3〜6ヶ月待てる)

仲介売却の流れ

  1. 複数の不動産会社に査定依頼
  2. 媒介契約締結
  3. 販売活動(広告掲載・内覧対応)
  4. 売買契約締結
  5. 決済・引き渡し

期間と価格

  • 期間:3〜6ヶ月(その間も賃料・固定費負担あり)
  • 価格:市場価格の90〜100%(例:物件価格2,000万円なら1,800〜2,000万円)

注意点
仲介売却の期間中も賃料や管理費が発生し続けます。月15万円の固定費がある場合、6ヶ月で90万円の追加負担となるため、この点も考慮して判断する必要があります。

選択肢②:即時買取で最短1週間で現金化

向いているケース

  • 住居専用地域で赤字が継続している
  • 規制で稼働日数が制限されており、改善の見込みがない
  • 早期撤退して損失拡大を防ぎたい
  • 内覧対応や価格交渉の手間を避けたい

買取の特徴

  • 期間:最短3営業日〜2週間
  • 価格:市場価格の70〜90%(例:物件価格2,000万円なら1,400〜1,800万円)

買取のメリット

  • 原状回復不要:家具・家電・消防設備をそのまま残して引き渡せる(原状回復費用25〜80万円を節約)
  • 現況渡しOK:近隣トラブルがある物件でも引き取り可能
  • 確実に現金化:売れ残るリスクがない

規制で赤字でも買取可能な理由

「規制で赤字の物件は買い手がつかないのでは?」と心配される方も多いですが、買取業者は以下の理由で積極的に買い取ります。

①賃貸転用前提で買取
買取業者は、民泊をやめて通常の賃貸物件として運用することを前提に買取価格を算出します。難波・心斎橋エリアの1DK物件であれば、賃貸で月8〜10万円の収益が見込めるため、買取後の収益化が可能です。

②立地が良ければ需要あり
規制により民泊としては赤字でも、立地が良ければ賃貸需要は高いため、買取業者にとって魅力的な物件となります。

③消防設備・家具をそのまま活用
買取業者は、民泊で使用していた消防設備や家具をそのまま活用できるため、初期投資を抑えて賃貸運用を開始できます。

規制で赤字の物件でも買取可能な理由については、民泊 買取で詳しく解説しています。現況渡しで早期現金化したい場合に参考になります。

選択肢③:賃貸転換で安定収益を確保

向いているケース

  • 物件を長期保有したい
  • 賃貸需要があるエリア(難波・心斎橋・梅田周辺)
  • 賃貸経営のノウハウがある、または管理会社に委託できる

賃貸転換の流れ

  1. 民泊の廃業届提出
  2. 家具・設備の整理(必要に応じて撤去)
  3. 原状回復(必要な場合)
  4. 賃貸募集開始

注意点

①民泊仕様の物件は賃貸で借り手がつきにくい場合がある
民泊用に家具・家電を揃えた物件は、一般の賃貸希望者からは「使いにくい」と敬遠されることがあります。家具を撤去し、シンプルな状態に戻す必要がある場合、原状回復費用25〜80万円が発生します。

②収益は民泊より安定するが、金額は減少
難波エリアの1DK物件の場合:

  • 民泊(好調時):月15〜20万円の売上(ただし変動が大きい)
  • 賃貸:月8〜10万円の安定収入

収益額は減少しますが、稼働率を気にする必要がなく、管理の手間も大幅に軽減されます。

③長期的な安定性は高い
賃貸は毎月安定した収入が得られるため、キャッシュフローが安定します。民泊のように閑散期の赤字を心配する必要もありません。

賃貸転換を検討する場合は、まず周辺の賃貸相場を調査し、固定費を賄えるかを慎重に判断することが重要です。

まとめ:大阪の民泊規制で撤退すべきか、3つの判断ポイント

大阪で民泊の規制により撤退を検討する際は、以下の3つのポイントを押さえて判断しましょう。

1. 住居専用地域で稼働日数120日以下なら撤退推奨
住居専用地域に該当し、平日営業ができない場合、年間稼働日数は120〜140日程度に制限されます。賃料が月10万円以上の場合、構造的に赤字が続くため、早期撤退が賢明です。

2. 商業地域で180日フル活用できるなら継続可
商業地域で学校100m圏外、かつ稼働率60%以上を維持できる場合は、改善策を実施しながら継続する選択肢もあります。ただし、稼働率が50%を下回る状態が3ヶ月以上続く場合は、撤退を検討すべきです。

3. 規制で赤字でも買取可能
「規制で赤字だから売れない」というのは誤解です。立地が良ければ、賃貸転用前提で買取業者が引き取ってくれます。原状回復不要、現況渡しで最短3営業日での現金化も可能です。

大阪の民泊規制は全国でも厳しく、特に住居専用地域では撤退が賢明な場合が多いです。規制で赤字が続くなら、まずは無料査定で現在の物件価値を確認しましょう。規制が理由でも買取可能な理由を理解し、早期決断が損失最小化につながります。


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免責事項:
本記事の情報は2026年1月時点のものです。法律・条例・市場状況は変動する可能性がありますので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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